RISING SUN ROCK FES.2006 in EZO 吉井和哉レポ【詳細版】

吉井が前のツアーの最中に「フェスに出まくる」と言い出していたときから、私は行くならエゾだ、と決めていた。 理由はもちろん、6年前が「幻の出演」になってしまったからだ。私はあの人たちが、そのことに拘っていない訳がないと思っていた。113本続いたツアーの最終日のMCで「一本も飛ばさずにこの日を迎えることが小さな夢だった」と語った人たちが、あのキャンセルを気にしていないわけがないと思っていた。特に、メンバーの中で誰よりも「ライブの鬼」であったエマがそれを意識しないはずはないと思っていたのだ。ライブがなければ死んでしまうと言った人なんだぞ。致し方ない事情だったとはいえ、いや、だからこそ、エゾには絶対に吉井は出るだろうし、そしてエマを絶対に連れて行くはずだと思っていた。 だからRSRのアーティストコメントで、「肺に穴をあけたギタリストを連れて行きます」と吉井がわざわざ言ったのも、そういう思いがあったんだろうなと私は勝手に解釈しています。

さて、RSRのメインであるサンステージ、吉井の出演は19時から。レッドスタームーンライダースを途中抜けして、サンのスタンディングゾーンに行ったのが18時半前ぐらい。しかし・・・詳細は控えるが、後方で前のアーティストが終わるのを待とうと思って行ったはいいがこれはどこまでが後方なの!?と思うほどに前にさくさく行けてしまう現状。わー!これはちょっと盛り上げないと!と妙な義務感に駆られ、曲も超盛り上がる曲がちょうどきたためこぶしをあげてコールとかしてみた。吉井のツアータオルかけた人とかにもそういう人が何人もいた感じだった。わかる。気持ちはわかるよ。

でもって、フロント前の柵のうしろで見ていたのだが、私の前のおじさんが普通にデジカメで写真を撮っており、それがあまりにも堂々!だったので(フラッシュ焚いてたし)スタッフさんかなーと思っていたが、演奏が終わって振り返ってみたら別にパスもなにもつけていないただの1ファンだった。おいー!しかしそのおじさんが後方に下がったためちょうど柵前のベストポジションをキープすることに成功。すごい!なにこれ!見やすい~~~!フロントゾーンの人はどんどん前に前に行くので自分の目の前にはひとがおらず、位置的にもちょうど吉井とエマの間!みたいな(上記のような理由で私は今日は絶対にエマ側に行くと決めていたのです)感じで、ほんとノーストレスで二人がばっちり見えるというちびっ子にはまたとないいい場所で開演を待つ。

吉井はスーツなのかなーそれともあのスーツはひたちなかの奇跡(奇跡かよ)だったのかなーと思いながらメンバーが出てくるのを待っていると、現れたのは白いシャツ二人。一人は柴田さん、もう一人は・・・ ぎゃーーーーー えまーーーーー えまが白いシャツをーーーーー!!! 思わず隅から隅まで舐めるように着こなしチェック。ざっくりした綿シャツっぽい仕立て。袖ボタン外しよーし!裾アウトよーし!第一ボタン外しよーし! 完璧・・・・(大きく親指を立てつつ)(そして鼻血を押さえつつ)

そのあとに吉井がひたちなかと同じスーツで出てきたのだが2度目ともなるとエマ白シャツというインパクトに霞みがち(ヒドス)。いやーもうこれでリベンジ果たしたんじゃね?とそんな気分になるお安い俺。あんなに言ってもかたくなにポロシャツとかTシャツしか着ようとしなかったエマがとうとう・・・と思うと涙は出ないが涎が出る。ただ単に肌寒かったからではないのかというツッコミはこの際無視。

さて、簡易版レポのほうに書いたとおり、セットリストがマイナーチェンジ。TALIを2曲目というのはいいなーと思うのだけど、その代わりに7曲目に入った39108の曲がちょっと中途半端になった気がした。いい曲だと思うが、フェス向きかと言われるとちょっと・・・みたいな。前のBEAUTIFULで完全にまったりになるので(それはそれで緩急があっていいのだが)、ここはもっと速い曲でもいいなあというか。しかもオーディエンスの大半が知らない曲でここに持ってくるのはどうなのかなという印象。 あと、CALL MEでかなりびっくりするミスがあって、個人的にもすごいびっくりしてしまって結構それが自分の中では尾を引いた。

吉井のパフォーマンスは絶好調。特に「黄金バッド」でのキレたパフォーマンスが最高だった。戻ってきたねえ戻ってきたねえライブモンスターが!という感じだ。スープの時はこの曲いまいちだった印象だったが、ひたちなかとエゾで完全に自分のものにしてるなーと思う。ひたちなかのときもそうだったが、I WANT YOU I NEED YOUでおそらくはシートゾーンやスタンディング後方にいる客に向けてだと思うが、露骨に「おいでおいで」を連発してくれるのがある意味手フェチには逆拷問のようであった(幸せすぎて)。

しかし今日のエマはかっこよかった。ひたちなかでほとんどエマを見ていないくせになんだ!と叱られそうだが、シャツだってことを10割引いても(引きすぎ)かっこよかったです。攻めのエマだったわああ。最後の曲の前に吉井がMCで「肺に穴が開いちゃってね?」と言ったら、手で作ったピストルで肺に穴を開けていた(自分に向けて撃つまねしたの、意味不明ですまん)。出た・・・悪魔の子エマめ!みたいなキュートっぷりに本日何度目かの悶絶死。見ていた位置的にちょうど吉井とエマが視界に入っていたのだが、なんだか今日の二人には後光がさして見えるよ・・・!と思ったら照明だったとかいう下らないオチも交えつつ、久しぶりにエマのぐるんぐるん手回しとか堪能できて幸せですた。

WEEKENDERはやはり単純に盛り上がる。今日は「雨が降る すぐに止む」がまさにぴったりの状況でしたね。曲前に「週末に生まれ変わろう」と言っていたけど、ちゃんと聞こえてたかしら。歌詞がどうやっても吉井の発音ではrebornには聞こえないしねこれ。しかし「遠回りしてもよかったと言える 大人になりたい」の部分で、観客の拳が次々と高く掲げられていく光景に、ひそかに感動したりもして。

ファナカンからLOVE LOVE SHOWへの流れはやはり必殺!それまで、込み合っているといいつつも紳士的なスペースだったフロントエリアが一気に戦場になるという、軽くデジャヴュ?な感じにとらわれつつ、しかしラブショーのすさまじい盛り上がりに自分のテンションもMAXでした。いやほんと・・・すごかった。なんだこの大地の揺れは!?みたいな。 最後は、6年前にやるはずだったこの曲を、と言って、バラ色の日々。

全体的な感想ですが、ひたちなかとほぼ同じセット(吉井は衣装も同じ)なのに、やはりまったく違った印象があったのが面白いところ。ひたちなかのときにあったのが風格だとしたら、エゾでの空気は挑戦者のそれといった感じ。 ソロ最初のツアーから見ているけれども、しかし(先日のFC限定ライブも含めて)それらのツアーで見たどの「吉井和哉」のパフォーマンスよりも、ここのところフェスで見せている吉井和哉のパフォーマンスが圧倒的だと思います。なにしろ甘えたところが一切ないのがいい。今後のフェスに参加される方はフェスをお楽しみに、ツアーに参加される方はツアーをお楽しみに!といったところでしょうか。