THE YELLOW MONKEYのDVDを総まくる!その11"THE YELLOW MONKEY LIVE BOX"

2004年12月に発売された、「追憶の銀幕」から「SPRING TOUR」までの9枚のDVDと、ボーナスディスクを加えた全10枚からなるDVDBOX。通称「黒箱」。

このボーナスディスクには全16曲が収められており、その中には各VHSがDVD化された際に特典としてつけられたものもあるが、1994年7月に日比谷野外音楽堂で行われた「つわものどもの熱帯夜」のライヴの映像は中でも貴重。この「4000粒の恋の唄」、そして98年12月28日メカラ9での「MERRY X’MAS」はいずれも吉井和哉がマリーの衣装を纏って歌われたものである。

 

SPRING TOURのDVDには横浜アリーナの公演からは9曲しか収められていないが、ボーナスディスクでそこからもれた7曲が入っているので、当日の演奏曲21曲のうち16曲をこのBOXで見ることができる計算になる。個人的にはインタビュー等の差し挟まれていないこのボーナスディスクのライヴ映像こそが、SPRING TOURの雰囲気を味わうことのできるものという気がする。ちなみに「A HENな飴玉」で吉井のマイクが壊れ、つかつかとエマのマイクスタンドに歩み寄ってマイクを奪うところが見所のひとつ。

 

同梱のブックレットに収録されている写真もすばらしいが、各単体ツアー時に雑誌に掲載されたテキストがいくつか再録されており、これも懐かしい。ロッキンオンJAPAN、R&R NEWSMAKER、CDでーた音楽と人など、その雑誌も多岐にわたっている。巻末には発売時点までのTHE YELLOW MONKEYの全ツアー日程が記されているのもヲタには嬉しいサービスのひとつ。

 

発売されたのはTHE YELLOW MONKEYの解散が正式発表されたあとであり、このDVDBOXを買うことに切なさが混じらなかったわけではないが、白箱にしても黒箱にしても、全体を統一したデザインも美しく、単にコレクションというにとどまらず、こんなに活用したBOXは後にも先にもないだろう。私が死んだら棺に一緒に入れて欲しいと思う一品である。