THE YELLOW MONKEYのDVDを総まくる!その16"COMPLETE SICKS"

2010年1月22日リリース。オリジナル「SICKS」リリースのちょうど13年後の同日に発売された、完全生産限定盤。CDのDISC1はSICKSのデジタルリマスター、DISC2にはデモトラックが収録されている。

 

DVDはfragments of the SICKSとインタビューズに分かれてインデックスされており、収録時間は約2時間に及ぶ。fragmentsはそのタイトルの通り、SICKSのレコーディング風景を中心に「SICKSの断片」が収録されているもの。のちにこのSICKSの収録でアニーが「最高だね、ずっと続くといいね」と吉井に語った思い出が語られたことがあるが、まさにその「ずっとこれが続けばいい」と思わせる、ステージでは見ることのできないバンドの幸福な姿が収められている。おセンチ日記の表紙のイラストを、吉井がさらさらと書いてしまうところなど、なかなかレア。

 

インタビューズではその思い出の地を、2009年に吉井和哉がひとりで訪れた時の様子や、SICKSで数々の素晴らしい写真をものしたカメラマンの有賀さんやエンジニアの山口洲治さんのインタビューなどが収められている。個人的にレコーディングエンジニアのRichard Digby Smith氏のインタビューでの「ロビンがマイクの前に立ち感情をさらけ出して歌い出すと、私は何を歌ってるのか理解できないはずなのに理解できた気がした。彼がハートから歌っているのがわかったんだ」という言葉にはとても感銘を受けた。

 

ブックレットやケースに使われている写真のひとつひとつが素晴らしく、SICKSのキービジュアルの集大成、ともいえる美しい盤。