正気を失ってしまった、おれはどうやら(せつこそれソロや)。
もはや怒涛の上にも怒涛、雑誌の発売をチェックしたりラジオをチェックしたり、っていうかチェックするだけでもいっぱいいっぱい、雨あられのように降ってくる供給にゆるんだパンツのゴムもかくやというほどに情報をプールする容れものがガッバガバになってる感があります。でもガバガバだけど追いかけずにられない。一度飢えたことがある人はこれだから~(ヤレヤレ)。
そんな情報の大洪水の中にあっても、これはちょっと書いておきたい。昨日深夜に放送されたLove musicです。放送が決定してから番組全部THE YELLOW MONKEY特集で、かつあの「毛皮のコートのブルース」を地上波初披露、しかもフル尺!というのでだいぶ前からソワソワしておりました。まずうちの地域放送されてんのか!?ってあたりからワタワタ確認したりして。
放送前に、この番組のプロデューサーが三浦淳さんという方で、その名前に思わず「メカラ20」作ったひとやん!と色めきたちました(昔のエントリを読んでみて)。三浦さんなら毛皮のコートのブルース引っ張ってくるのも納得だわ~!と思ったり。いくつか出ていた写真で吉井がもけもけしたコートを着ているのを見てまたテンションあがったり。
番組自体もすごく丁寧にメンバーの今までのルーツや嗜好、バンド結成時のはなし、ゆっくり時間をとってのトークがよかったし、あとね、さすがだなーと思ったのは吉井にだけ話させて終わり、みたいな場面がひとつもなかったところだ。ぜんぶ、メンバー全員に対して話してたし、最後の「貴方にとってバンドとは」っていうのも、4人の答えを聞かせてくれてた。
演奏曲は「パール」と「天道虫」、そして「毛皮のコートのブルース」だったんだけど、これがもはやこのひとたち、あれほど慣れ親しんだ「パール」よりも、もう「天道虫」の方が自分の手に入ってるって感が如実だった。バンド全員そうなんだから面白いもんですよね。で、そういうことはどういうことかっていうと、今のモードでできあがったアルバムを引っ提げたツアーが最高にならないわけないってことですよね。
番組の最後に、7分という尺を使って、フルで流された「毛皮のコートのブルース」、本当に…本当に、なんというかひさびさにもってかれましたね。最低限のスイッチング、モノクロとカラーの演出、歌詞字幕をあえて出さないセンス…。こだわりと愛情がぎゅうぎゅうにつまりまくった7分間だったと思います。
楽曲の最後、カメラはずっと吉井をとらえていて、モニタに映る吉井と、カメラがとらえている吉井が向かい合わせになる、その腰の据わったカメラワークにこの番組の制作者の執念を見た思いがしました。
テレビで披露する楽曲としては長尺なんだけど、曲の始まりと終わりではまるでひとつの小説を読み終わったかのようなドラマ性があって、この劇的な空気というのは、かつてのTHE YELLOW MONKEYの代名詞ともいうべきものであって、それが解散や再集結を経た今、またこうして…しかもそれが地上波で放送されるという形で還ってこようとは。
今日一日中、夜中に見た「毛皮のコートのブルース」が、なんども頭を回っていて、この感じ、完全にいつか来た道やないかと私は思いました。私が最初に買ったTHE YELLOW MONKEYのライヴビデオ、それを見て、あーかっこよかったなってそのまま寝て、でも翌日になっても昨日見た映像が何度もフラッシュバックして、もう1回だけ見よう、もう1回、もう1回だけ…そんな風に蟻地獄に足を取られた日々のことを思い出さずにいられないというか。
もちろんあの映像を見ても、ぴんとこないひとにはこないだろうし、それで全然いいのだけれど、でも刺さる人には一生抜けない棘のように奥深くに刺さってしまう、この番組がそのきっかけになったとしてもぜんぜん不思議じゃない、そう思える1時間でした。まったく、今も昔も変わらず人に正気をうしなわせるバンドですこと!
さて!明日はいよいよ「9999」フラゲ日です!世界一好きなバンドの新譜をこんなにも心待ちにできる、こんな幸福なこと、世の中にそうそうないんじゃないでしょうか。楽しみです!