ツアーTHANK YOU YOSHII KAZUYA 2/12 静岡市民会館レポート

さて、11月に幕を開けたこのTHANK YOU YOSHII KAZUYAツアーも思いもかけなく2月まで引っ張ることになってしまったわけですけれども、ようやく2月12日の静岡をもって無事ファイナルを迎えたというわけで。

もうネタバレは気にしなくていいんだけど、例によって長いので(またか)畳んでおきます。

あ、セットリストのほうもこっちに書き加えております。

休日だったので、昼までのんびり洗濯とかしながら「あー最後だなあ」と無理やり気持ちを作ろうとしてはみたものの、あまりの穏やか気候と快晴っぷりにすっかり心は凪状態。しかも前2日間死ぬほど寝倒して睡眠時間はばっちりだし、もう心はお坊さんのように澄み切っている!というのはちょっと嘘だが、しかし不思議なほど緊張しなかった。

お友達とホテルで待ち合わせし、うだうだと話しつつ会場へ。会場前では「チケットに書いてる開演時間と今日の開演時間は違いますよ!」という趣旨のアナウンスを拡声器を使って案内していたのだが、「静岡+開演前+拡声器のアナウンス」というコンボが12月5日のトラウマを思い起こさせたのか、一瞬「え、まさかまた!?」という呟きがあちこちで聞こえた。うんうん、気持ちはわかる。

ミッチーのライブの時には用意されていなかった脇花の蓄光テープと警備用のロープを見て「これは花道使うなあ」という予感がしつつ、エマ側の通路前の席だったので脇花まできてくれたら結構近いなあなどと都合のいい予想をしたりもし。

私の後ろの女の子たちは、本当にまったく今日が初日!という状態だったようで、最初のOPで「KREVA」の文字が出たとたん「えっうそお」「なんで?」という新鮮極まりない反応が聞こえてきて面白かった。そうだよなあ、最近もうネットとかで情報仕入れる人が多いとはいえ、本当に素の状態で来たらこういう反応だよなあ。ごめんね、おっちゃんスレてて・・・

1曲目の最初の掛け声のところで、いきなり声がひっくり返ったのでおいおいおーい!と裏拳でツッコミそうになったが、やばいのはあとにも先にもそのときだけだった。声をいわしてからずっと(私が聞いた中では)出ていなかったLONELYの「乗り越えたくて」も、最後のフレーズの時にはクリアしていた。そうそう、例のファンの手にキスをするパフォーマンスは最後まで健在で(そりゃあの武道館でむりやりやってるぐらいだもんな)、今日は上手と下手で「手を掴みそうで掴ませない」という焦らしプレイを展開した後、中央のお客さんにしていました。結構長かったなあ。でもLIVINGTIMEの「この手でよかったら」はいつのまにかなくなっちゃったよね?

衣装は、シャツは白で多分武道館と同じ、上に黒ラメのジャケット。下は黒の皮(合皮?)パンでした。靴も普通だった。アンコールとかでのお着替えはなし。エマは黒のジャケット、途中までなんか巻いてたけどどこかでとったみたい。ジャケットの下はボーダーだったようです。吉井が髪を赤くしていて、逆毛を立ててないわりとすとんとした髪になってた。赤い髪スッゲエよかったーーーー!

人それぞれのマイウェイの前のMCで「静岡がファイナルということになって・・・何か運命的なものを感じてしまいますが」「なに勝手に飛ばしてるんだって話ですけどね!」「同級生もたくさん来ているとか・・・きていないとか(笑)」

出だしはまあ、それほど気合が伝わる、という感じでもなかったんだけど、オーディエンスの反応はやたら熱いし、本人もだんだん集中してきたようで、特にカバータイムあたりからの乗り方にはちょっとすごいものがあったと思う。PAINT IT BLACKでは左右の脇花を疾走していました。YESTERDAYのカバーをやったので、さ、次はSPARKだなとスレた客である私は心構えをしていたら、なんと始まったのはZIGGY。「この街で初めて聴いたんだぜ!」という声と共に始まったこの聴きなれたカバーナンバーは、この日のライブのハイライトのひとつだったと思う。素晴らしいZIGGY STARDUSTだった。吉井和哉がこの曲に込めた思いがひょっとしたら形になって触れるんじゃないか、というぐらい、気持ちが迫って聞こえた。最後の「ジギーは俺を救った」という叫びに涙がこぼれそうになった。

その後のSPARKも最高で、直後のMCでまた「やばいやばい」を連呼。「俺が育ったこの街を愛でいっぱいにしたいと思います!」というMCに続けてALL BY LOVE。

さて、何があってもALL BY LOVEだけは絶対にエマを見るべし!見るべし!の会会員としてはここはエマにロックオンなわけですが、ちょうど私とエマを結ぶ線上に背の高い男子が2連ちゃんで連なっており、うーん、このままではエマが見れない!(上半身は見れるんだけど、足元が見れない。足元が見れないエマなどエマであってエマではない)と思い、隣の席が2つ空席(もったいないねえええ)だったのを幸いちょこっと横に移動してエマの足捌きを堪能。ALL BY LOVEのとき、いつもエマは手を高く掲げるんだけど、今日は2回目でいきなり地面すれすれにギターを低く構えてかき鳴らすという、えっもうなにそれは私に向けてのファンサービス!?状態で軽く悶絶死。

っていうか個人的には先のエントリに書いたような心情もあって、もう今日は吉井の調子次第じゃエマだけ見ておこう、とか思っていたのになんか吉井も結構な絶好調でさあ(あかんのかい)、しかもなぜか私と吉井を結ぶ線上には見事なほど背の高い人も捧げ手連中もおらず完全に視界クリア状態だったっていう(喜べよ)。まあとはいえ普通に見ていれば二人とも視界には収まってはいたんですけどもね。

日替わり曲は楽園でした。うーん、BURNは結局聴けずじまいだったなあ。でも今日の楽園もよかった。エマがものすごいアレンジを変えていてわーー!でもこのアレンジも好き!とか思いつつ、吉井もどんどん歌い方変えていくし、オフマイクでのコーラスは多いし、あー調子いいんだなっていうのが伝わってくる感じでした。後半の声の伸びは素晴らしかったね。

MCひとつ思い出したので追記。TALIの前のとき、「この曲を出したとき、毎週売り上げ枚数とか順位とかが封書で送られて来るんだけど(ここで、へーそうなんか、と思った私)静岡地区、まったく売れてませんでした(笑)」・・・だ、そうです(笑)

愁さんのドラム、すごく個性が強いので好き好きだとは思うし、私も武道館で叩いた鈴木敬くんの方が音のニュアンスは好きだなあと思ったんだけど、LOVE LOVE SHOWの圧倒的なスピード感やBLACK COCK'S HORSEなんかは、愁さんの真骨頂だなあと思う。

メンバー紹介で、愁さんのことを「清水にいそうでしょ?」ってのに思わず笑う。三浦さんもどこどこにいそうでしょ?って言われてたんだけど聞き取れなかったなあ。鶴谷さんのときに「最後まで失態を見せませんでしたね!」って言ってました。バーニーには静岡の思い出を。あのすみやの上のオレンジルームで初めて見た、つったんだったかな?エマの時には意味もなく近寄って肩を抱いて、で「彼とは長い付き合いで、静岡にもたくさん来たよね?昨日の夜話したけど、あなた全然覚えてなかったね」だって(笑)それを聞きながら笑ってるエマがまたもうどんな可愛さかと!あと、この場にはいないけどツアー中サポートで参加してくれたドラムの鈴木くんと、もう一人キーボードの(名前言ったんだけど、覚えてません、申し訳ない)ひとにも、そしてツアースタッフへの感謝の言葉がありました。

そうだ、LOVE LOVE SHOWのとき「あなたは私のエマ!」つったんだよ、もうちょっと久しぶりに聞いたのであわあわしちゃったよ!

バラ色のときだったかなあ、突然、今はこうして普通にSPARKやらバラ色やらラブショーやら、って聴いているけど、ほんの1年前には、こうしてまたこの曲たちを聴ける日は来るんだろうか?って思っていたんだなあということを思い出した。今はこうして、本当に当たり前に贅沢にこの曲たちを消費していたけれど、でも私がまたこんな風にこの曲を聴くことは、もしかしたらないのかもしれないんだなあと思うと、現金なようだけどそれがすごく大事なことに思えたのだった。だからもうあとは、何も考えずこの曲たちを受け止めて愛そう!みたいなモードでした。最後のFINAL COUNTDOWNは楽しかった、本当に。何もかもを忘れて飛び跳ねました。

1回目のアンコール。お決まりのMCコーナーでは「最近は私生活もアゲアゲです」「この間はケミストリーの堂珍くんと飲みました」「5時間ぐらいカラオケ行きました」「歌う曲がなくなったのでイエローモンキーメドレーを歌いました!」「球根やら離れるなやら、久しぶりに歌いました」「メロディ忘れてましたほとんど」(ここで会場から歌ってーーー!とものすごいコール)「(ニヤっと笑って)そんな簡単には聞かせられないなあ!」

じゃあ言うな!(笑)

しかもそのメドレー、60点しか出なかったそうです(笑)だからって次のパールで歌ってください、と観客をあおりつつ「みんなで70点(満点って言ったのかも、でも70点って聞こえたもんで)目指そうぜ!」っつったのはどうなのかと(笑)

ちなみに例のMCモノマネは史上最強にキモかったことだけはお伝えしておきます。

最後のBELIEVEの前のMCで、「こんなたくさんの人に愛されてとてもうれしい」というようなことを言ったわけだけど、自分で言うか・・・と思いつつ、まあでもね、実際愛されまくっているわけだからしょうがない。愛がポジに出たりネガに出たりの差こそあれ、みんな吉井のことが好きなんだもんなあ。

好きで好きで、しょうがないんだもんなあ。

武道館と同じ、WアンコールはJAM。ギターはさすがにうまくなっていました。ちょっとあやしいところもあったけど、武道館に較べれば、それはもう(笑)

JAMのあと、あーこれでいよいよ終わりかあ、と思っていたら吉井が皆を呼んで、手を繋いで全員で一礼。そして吉井からひとりずつ名前のコール。ドラムス酒井愁、キーボード鶴谷崇、ベース三浦淳悟、ギター日下部正則菊地英昭

その瞬間、エマが突然吉井の前のマイクスタンドをつかんで

「そして、サンキュー吉井和哉!」

と吉井の名前をコールしたのだった。

いやあもう・・・・いやあもう、まさに今回最大のサプライズだった。

あの!エマが!マイクスタンドを!つかんで!吉井の名前をコール!!

ありえない・・・!!!

膝から崩れ落ちた、マジで。吉井は知ってたのかなあ。吉井が言い終わったあとまったく不意打ち、といった感じだったし、一瞬驚いた顔をしたようにも見えたんだ。そのあと、はじけるように笑っていたけども。多分、メンバーの中で誰かが言おう、じゃ、エマで、ってことになったのかなあと勝手に妄想。

それにしても、本当に本当に嬉しかったし、感動もしたし、ああ、この光景を見れたことを神に感謝します!ぐらいの気持ちだった。あれだよ、私本当にともすればセンチになりがちな人間だけれども、あのコールだけで、何があっても大丈夫!!って気持ち一色だもの。3年ぐらい、霞食って生きていけるもの(それは無理)。

JAMって曲について云々とか、そういう雑多なこともいろいろ頭を巡りもしたんだけど、それはもう、今日は「そして、サンキュー吉井和哉!」の前にさっさと頭の中のゴミ箱行きです。

いちおうね、ハンディっぽいカメラが2台入ってはいたんだ。結構、客席の間から撮影したりしていたし。もう、お願いだからこの日の最後の挨拶をDVDに入れてやってくれまいか。MC集などどうでもいい!もともとどうでもよかった!五本指ソックスの話は聞き飽きた!つーわけで、個人的には最高にいい気分で会場をあとにすることができたのでした。

いやいや、本当にお疲れさまでした。スタッフの皆様も、ファンの皆様も、バカバンドの皆様も、なんだかんだ、絶好調と言いながら、結構山あり谷ありツアーだったよね・・・個人的にも山あり谷あり谷あり谷あり、な感じもありつつでしたが、しかし最終的にその谷から引っぱり出してくれるのは、吉井和哉というひとがステージで魅せる圧倒的としか言いようのないパワーでした。ライブの貴方は本当に最高。もうだめだ、と思っても、ライブを見ると確認する。ああ、やっぱり、吉井和哉が好きなんだなあって。

お疲れさまでした。旧正月なみに遅れてやってきた新年気分を満喫して下さい。吉井和哉様。