海山越えて君に会うのよ

下のエントリで「スピッツのDVD引き取りに行く!」とか言いながら当日見事家に財布を忘れたぴーとですこんばんは。なにやってんだ俺!30分残業を早く切り上げて財布を取りに帰って再び電車に乗って行ってきたタワレコまで。なんとか間に合った。よかったよかった。 そして帰ってきてうきうきと再生を開始した。本編ディスク1時間40分。見終わって、しばし茫然。 このDVD、すげえ。

 

自分とこの日記にも書いたが、キャリア20年を超すバンド、誰もが知っているヒット曲を数多く持ち、一度のメンバーチェンジ、一度の休止もなくここまでやってきた。セールスという点でも、それを支える楽曲のクオリティという点でも文句のつけようのない、国民的ロックバンド。なのに、彼らのライヴ映像としてセル化されているものは驚くほどすくない。このDVD自体、6年ぶりの発売(勿論、その間に数え切れないほどのライブをやっている)で、しかもその6年前のリリースは限定生産だったため今はもう正規の値段では決して手に入らない。そして各地の抜粋ではない、ひとつのライブがそのまま収録されたものをリリースするのはなんとこれがはじめてなのだ。

だからもちろん、とてもこの発売を楽しみにしていた。収録されているのは今年1月のさいたまスーパーアリーナでのライブだが、私自身このライブに参加して、心の底から楽しかったし、早く発売にならないものか!と友達と言い合っていた。しかしライブからもう10ヶ月経つのである。正直あのときの感動も薄れがちだったし、それにその後THE YELLOW MONKEYの映像作品のリリースが発表になったり、なにより来週には吉井のDVDが発売される、そっちに気を取られてましたほとんど。楽しみだけれど、つらっと1回見れればいいなと思っていたし、それで充分だろうと思っていたし、吉井の前の前夜祭ぐらいの気持ちだった。 謝るよ俺は。

めったにDVDを出さない、だけど、出すとなったら本気で最高のものを出す。 スピッツはすげえ。 圧倒的な台数でシューティングされている、そのカメラもすごいし、ディレクションもいいし、パッケージのデザインやアートディレクションもとてもいい。だけど、何よりすごいのは音です。音。私のこんなへぼへぼなテレビのスピーカーで聴いてこのクオリティ、これがもしアメトークの家電芸人の回で徳井さんがおすすめしていたYAMAHAのYSP1100とかだったらどうなるんだ、音に抱きしめられすぎて失神するんじゃないのか、これ今書きながらまた流しっぱなしにしているわけですけど、音だけでも充分イケる。昨日からこっち3回目ぐらいですけど、まだまだぜんぜんイケる。

普通のライブDVDで聞こえるのが って感じだとしたら、このDVDは

音音音 音音音 音音音

って感じなんです。とにかくすべてがクリア。そしてそれぞれの音が絶妙なバランスで成立している。これね、映像のディレクションは人によっては好き嫌いあるかもしれません。でも、この映像のチョイスも基本的に音に捧げられてるんだと思うんですよね。この音を鳴らす手、この音を鳴らす足、この音を鳴らす人。そういう目線で作られているような気がする。

しかし、いろんなところで言っているような気がするが、スピッツはうまい。うまいといっても、決してバカテクで魅せます!みたいなうまさじゃあない、「スピッツの音楽」というものを作り、届けることに対して、圧倒的なうまさがある。ライブであっても、音源の良さを決してないがしろにしない。レコーディングはライブのように、ライブはレコーディングのように。言うのは簡単だけど、それがどれだけ難しいことか。そして、そのクオリティを保ちながら、作品を作り、数多くのライブを続け、全国を回り、そしてまた新しい音源を作る。それもメジャーの第一線で。ステージにいる彼らは、ついこの間デビューしたバンドのような佇まいで「ライブ」を楽しんでいる、信じられないぐらい重い荷物を持っているのに、彼らがあまりにもキャッキャウフフと楽しそうだから、実はその鞄の中空じゃないの?なんて思ってしまいそうなぐらいに。

 

このDVDには初回盤と通常盤があって、初回にはホールツアーでのライブが数曲とMCの収録されたボーナスディスク、そしてディスク1の音源が収録されたライブCDがついているが、本編に較べるとボーナスディスクのクオリティは下がります。っていうか、これが普通のライブDVDのレベルだと思う。だから、スピッツ興味あるけどライブのチケット取れないしなあ~という方には通常盤で本編を楽しんでいただくだけでも充分元が取れる、というか断然安いしね!amazonだったら3800円ぐらいだしね!ヒット曲たくさん入ってるしね!お得だよ奥さん!(誰) ちなみにこの本編DVDとライブCDのマスタリングをしているのはstephen marcussenという方で、いやーマスタリングって大事なんだなああ、という当たり前のことを改めて実感するの巻。

 

いやーそれにしてもみんなかっこいいわかわいいわ、1曲ずつ感想書きたいぐらいだが、「夜を駆ける」でテッちゃんがピックを回すところと最初のピックスクラッチが百発百中で泣ける件(かっこよすぎて)。つーか夜を駆ける名曲すぎる。崎ちゃんのドラミングとかもう・・・ドラムになりたい!(イミフ!) 春以降のツアー、FC先行当たるかなあ。当たるといいなあ。秋にはスピッツがあうよなあ。去年研修中、スピッツの「ありふれた人生」をよく聴いてたなあ。駅に向かう土手で聴くのが好きだったなあ。 あ、「楓」がはじまった。