GOOD BYE YOSHII KAZUYA

GOOD BY 吉井和哉ツアーファイナル福島!うつくしまふくしま!よしいうつくしま!行ってきました、行ってきました。そしてもはやすんごく時間が経っているうえに今回は映画館での中継をご覧になっている方も多かろうと思いますので、これはもはやレポではありません。単なるメモ書きです。ごめんして!

体育館、のイメージでステージを想像していたので、横に使うのか!と会場入ってびっくり。つまりバスケットゴールのある方にステージを設置するんだと思ってたらまさかのベンチがある方だった的な。城ホールまんなかでぶった切ったぐらいのサイズ感?両サイドにモニター設置のやさしみ設計でした。

そして体育館なので、カーテンで光を遮断してんだよね…まあ暗転してもそりゃ明るいよね!でも、もっとも繊細な灯りであるところの4000粒のときにぴったり日が暮れていたのでおおお~、やるな~~と誰へとも知れず心の中で感嘆の声をあげていたのでした。

オープニングのSEで観客総立ちの手拍子だっただけど、そのあとファイナル仕様のオープニングメッセージがあって思わずどよめきが。文章の細かいところは覚えてないけど「子供の頃ずっと止まっていると思っていた太陽は/実は時速70万㎞で動き続けているらしい/だから走り続けよう/おいていかれないように」そしてあの「白い大きな花の絵」と共に「あなたにもお花をあげましょう」。言葉はあの宇宙一周ツアーのDVDでもやっていたものとそっくりで、だから吉井自身の中では繋がってるところがあったのかなーなんて思ったり。

そういえば開演前にサブアリーナであの絵の実物を拝見したのだけど、あんなに大きな絵だったのだねえ。「白い大きな花」の絵だけど、「大きな」は絵にもかかっていたのだね。

今回のツアーは3本目だけど、3月の土岐以来だったので、細かいところでおっ、けっこう変わってる、と思うところも。CALL MEと朝日楼がピアノソロで繋がってたのもびっくりしました。ゴージャスのアウトロもより粘っこくなってたよね。しかし、昨日のライブで「差し足」のときに「し!」と大声で叫んだやつは外出するたびにうんこを踏む呪いを今、わたしがかけました。ああいうのはいけんよ!いけんいけん!

I WANT YOU I NEED YOUをはじめとしてわりと吐息…じゃねえな、ささやき声っつーかウィスパーボイスっつーか(言ってること同じですよ)それ系のサービスがふんだんだった印象。途中のMCで「ファイナルでしかも中継されてるってなると…緊張するねえ!もう固い固い」と仰ってたけど、確かにそういう雰囲気ありましたよね(笑)それもあっていろいろ小技を繰り出されてたのかなあ。

今までツアーで回ってやってきたことは全部やる!というようなセトリでしたしMCでしたし、とにかく全部乗せだー!どーん!というファイナルらしいファイナルでした。楽曲で外れたのはWANTED AND SHEEPだけなんじゃないか?(ちがったらぎょめん)。オーラスをこんなに「特別ですよ」ってコーティングするのはバンド時代にもあまりなかったことで、それだけ吉井ちゃんも想いがあってだからこそ緊張もしたんでしょうね。カメラがー、とか言ってたけど、だって中継なんて毎年武道館でもやってるじゃないか。

とはいえステージの上でめいっぱい楽しんでらっさる様子も満載で、カモナンバンズのメンバーもふくめてほんとにいい雰囲気でした。吉井のMCの「あのさ~あの頃パソコンが流行ってたじゃない?パソコン?」とかいうマジわけわかんないにも程がある話に「ITですか?」とか助け船を出そうとしてくれる(でもその助け船に乗らない吉井)佳史さんのやさしさライセンスや、フルチンコギタリストとか言われたかと思えば「この人とやれているなんて夢のようです」なんてツンデレの猛烈なやつをくらって男泣き寸前(だったらしいね!)のバーニーさんとか、ほんに吉井のまわりの人はええ人ばっかりや…!

曲前のMCがすごく長くてそして丁寧で、それもちょっと見たことない感じだったなあ。MCで次にやる楽曲のタイトルを言うってあんまりしない人(どっちかと言えばイントロで観客の歓声を楽しむ人だし、今からやるのは○○という曲で~、というような話し方イメージにない)だけど、アコースティックのところはほぼ全曲そうだった。HATEの前に9.11の話と当時の世界情勢にインスパイアされて書いた歌詞だということも淡々と語っていたし、カバーの2曲の説明もとても丁寧だった。なんだろうね、言葉を尽くそうという感じがあったのかなあ。もちろん吉井のほうが数十倍落ち着いているんだけど、エレカシの宮本のことを思い出したりしました。

4000粒の時にもすごく丁寧に話をしていたけど(曲のタイトルをあっさり言ったのでちょっと驚き)、ここまで集大成なんだから、今日はきっとするだろうと思っていたあのマリーさんの指輪をごそごそと取り出し、丁寧に指にはめていることに私の全神経が集中していた気がします。チェーンつけてたね。時折指輪にかすかなあかりが反射してきらきらと瞬くのがなんだか夢を見ているようでした。

LOVERS ON BACKSTREETの前のMCも印象深い。どこの会場でもここはわりと長く話をしていたけど、自分が作曲や作詞をしだしてはじめて作った曲、この曲の「あなたにもお花をあげましょう」って一行が書けたときに、あっ俺この世界でやってけるかもしれないって思った、と。吉井和哉、最初に書いた歌詞も娼婦の歌詞です。でもなんか、身体を売ってこそいるけれど、娼婦ってどこかプライドがあって、心に一輪花を持っているような、そういうイメージなんです…ぼくがやってきたことも、結局のところみんなに花を手渡したいっていうか、そういうことだったんだとおもいます。

聴きながら、そんなこと言われたら私の大好きな「朝日のような夕日をつれて」の台詞を思い出しちゃうじゃないかよーと勝手に身悶えしていました。「みんなが娼婦の哀しい目と、なんとかの花のような笑顔を持って追いつめられた何かを持っていたならば」って。うきゃー。

ツアーの間ずっとテーブルにセッティングされていた、「いろんな会場の歓声や空気を」いっぱい吸い込んだラガブーリンをステージ上で開けるね?と言って、しーっ、ってひとさしゆびをたてて、そして絵に描いたようないい音をさせて栓が開いた時の、あの吉井ちゃんの顔!顔ったら!そのあとの「い~い音したね~~~!」って顔もふくめて御馳走さまでございました。ひとくち呷って、そのせいなのかそのあと歌った「血潮」で一瞬声がざらついたところがあって、もーめちゃくちゃセクシーだったねあそこ。吉井のああいう声好きなんだよな~。

アンコールないよ、っていうのはLINEのメッセージでも出ていたので、そうか~いくらファイナルとはいえそこの構成は他の会場と同じなのね、と思ってたんだけど、血潮が終わっても皆さんがハケる様子がない。あっ、やっぱりもう1曲やるのか。「血潮」の楽曲そのものというよりも、アカペラと観客のハンドクラップで作った演奏を最後に幕、それはとてもきれいな終わり方だから、そういう意味合いを含めたあの曲のあとに切れるカードといったらやっぱりこれしかないだろう。

あのハイハットが聞こえた瞬間、後ろの男の子がうおお、うおおおお、って雄叫びのような声をあげ、やっときた…!といかにも感に堪えないというふうに漏らした言葉が聞こえてきて、ああ、この男の子のためだけにでも、今日JAMをやってよかったなって思わずにはいられませんでした。待たれている楽曲なんだなあ。そして、待たれている楽曲をこういう場所で出し惜しんだりしないひとなんだよなあ。そういうところが好きだよ、吉井ちゃん。

終わったあとは恒例の客席をバックにしての写真撮影で、ミッチさんも有賀さんもステージに上がられてましたね。マイクスタンドどうするのー?とか、磯崎~もっと客席あかるくして~とか、ここにきてナチュラルな吉井ちゃんが拝めたのもいとおかし。横に広い客席だったので、横の方のひとね、映ってないけど、映ってるから!って何度も言ってたのも吉井らしくていいなあと思いました。

ツアータイトルが発表されたときに心配かけたひともいたみたいだけど、ってMCでも言っていましたが、GOOD BY吉井和哉、BYEじゃなくてBYじゃん、もーなんだよあいつーとかツアタイが発表になった.HEARTSの新潟初日で笑ってたけど、やっぱり名前をつけるってほんとあなどれない。やっぱりどこかBYじゃなくBYEなツアーでもあったんだなあと改めて思いました。ロッキンオン風に言うといったんここでピリオドを打ってみようって感じ?血潮の最後は「さよならいつも怯えていた私」だけど、私もどこかでいつも怯えてたし心配していたし、そういうところとは違うスタンスで吉井ちゃんとまた向き合うことになるのかな、とぼんやり考えてみたりしました。

最後の最後にJAMがきて、やっぱこの曲は私に永劫につきまとう、つきまとうって言い方アレだけど、ほんと私の運命の曲なんだなって実感したりね。

ツアー最終日を無事迎えられてよかった。お疲れさまでした。福島に足を運べたのも嬉しかったです。吉井のおかげだよー。
そしてツアーだけでなく、ソロシンガーとしても10年間、お疲れさまでした。
この10年間のあれやこれやを語るだけで、カウンターで見知らぬ人と一晩中うまい酒が飲めるのではないかと思うほどの濃すぎる想い出と連帯に感謝。

次に会う時を楽しみにしています。