MY FOOLISH HEARTツアーレポ 2006.2.28 大阪城ホール

再録第3弾。2.28城ホール。

長いし、酔ってる(自分に)。

すいません。

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何から書いたらいいかわかんないねー、こういうのは(笑)

ともあれ、久しぶりの(吉井の言葉によれば6年ぶりの)城ホールでした。そう、私はイエローモンキーが休止して以来他のアーティストのライブには数えるほどしか行っていないの。で、城ホールはスプリングツアー以来ってことですよ。 でもって、途中のMCで吉井が言ったように「この城ホールでツアーファイナルを迎えるのも7年ぶり」。その7年前のツアーが、私が初めてイエローモンキーのライブに行ったFIX THE SICKSのツアーだったわけです。

そんなこんなでおセンチになりがちな私をどうか許していただきたい(笑)

今回本当にチケ運が私にしては珍しく良くて、今日の席は11列めの吉井正面。わー!近い!今まで城ホールで1度だけ6列目ってのがあったけどそれはエマ前正面だったので、直線距離なら今日の方が近かったかも。しかも幸いなことに私の前に背の高い人がそんなに居なくて、普通にステージ全体が見えるという素晴らしいお席でした。

今日の吉井はZEPPの時みたいな黒シャツに黒ジャケ。出てきた瞬間エマのシルエットが暗闇で浮いていたのでよっしゃキタ!エマこれは白ですね!と思ったら白は白だったけどなんか中途半端な長Tだったよ・・・あんなにできる子だったのに、その着こなしはなんだエマ!素直にシャツを着なさい!あなたはもっとできる子よ!お母さんそう思うわよ!

大阪のラジオで髪を切ったと言っていたけど「・・・どこが?」というぐらい変わってなかった。なんか髪を切ってくれた人にも「吉井さんは最終的にどういう髪型にしたいんですか」と呆れられたらしい。

武道館の時にもすごくいいなと思ったCALL MEの最後の照明(あの光が駆け抜けていくようなやつ)は正面で見るとまた違った感じがあってよかった。でもあれサイドで見ると本当に綺麗よ!

このツアーで大化けしたSADE JOPLIN。この日のSADEは実際凄かったですよ・・・!ちょっとありえないぐらい凄かった。SADEはこの日がベストです、私。もう、最後のギターソロの時のエマが本当に神懸かり的に格好良くて、思わず心臓押さえて(実際映像)「か、かっこいい・・・!」とのたうち回ったほどですよ(脳内映像)。終わったあと周囲から「すごい・・・」「すげえ・・・」と声が聞こえてきたけどほんと私もそう思った。この日のSADEは映像に残ってないの!?ねえねえ残ってないのおおおおお~~~~!?

どこのMCだったかちょっと記憶が定かではないんだけど(BLOWN UPの前だったかな?)、「今日はファイナルだから、他と同じことはしません!」発言が。へええええ、と半信半疑で思う私(←吉井対処法その1)。そして同じ時に言ったかどうかこれも曖昧なんだけど、今日の城ホール、「チケットが800枚あまってます!」とアーティスト自らご披露。いや、そんな具体的な枚数まで言わんでもええんちゃう・・・?と思いながらそういう吉井が好きだったり。そして続けて言ったのがこの言葉。

「その来なかった800人に後悔させてやるようなライブにするぜ!」

今日は初めてツアーメンバー全員がまんべんなく見れる席で、根岸さんのベースや柴田さんのキーボードが想像以上にノリノリな感じでそれもすごく楽しかったな~。柴田さんって遠目で見るとジャン・レノっぽい。エマはすごく古田さんとアイコンタクトしていたなあ。メンバーのまとまりは断然ZEPP以上で、みんながかっちり噛み合っている感じがすごくありました。根岸さんのベースとか、前のツアーより今回のほうが断然好きだ。絶対音の存在感が増していると思う。

個人的に今回のツアーのセットは「前半まったり、後半本番」みたいな感じなので、20GOあたりからジャケットを脱いでノースリーブになる私。吉井もこの辺りでジャケットを脱いでTシャツになってた気がする。欲望からFOR ME NOWまでの流れは本気で気持ちいい。つーかハジけすぎてここはもう記憶が飛びがち(笑)ZEPPの時はエセ大阪弁でやってくれたMUDDY WATER。今回もまたまたやってくれました。「前とは違うのもう一個覚えてきたからね」と言っていった言葉が

「吉井さん、うどん食べていかはります?」(爆)

本人、出来に不満があったらしく、ごめん、もう一回と言ってさらに

「吉井さん、うどん食べていかはります?」

繰り返すな!!!(爆)

しかし本当耳がいいというのか、かなりニュアンスをよく捉えていてうまいの(笑)というか、ZEPPの「何見てはるの」といい、吉井にこの方言指導をしているのは京都人なのではないかと思ったのだがどうだろう。

しかもこれだけではないのよ。本人おもむろに「今日はね、正しいうがいの仕方を教わってきたからみんなにも教えてあげる」といってコップに入った水を持ち出す。また何をし始めたんだこの兄さんは・・・的空気の流れる中、うがいはね!と楽しそうに講釈を垂れる吉井。

こうして水を口に含んで、と言って含んだまではよかったが当然水が口の中にあったら喋れない。含んだあとであ、喋れないと思ったのかなんなのか(アホの子ですか?)、一旦含んだ水をもう一回コップに戻しやがった!!(爆)隣のエマの爆笑顔が忘れられない。つーか本当にこの人バカなんじゃないだろうかと真剣に考えました私は。そしてさらに

「水を口に含んだら、こう、イナバウワーのように反る!!」

と言って大きく仰け反ってうがいをする吉井和哉もうすぐ40。それを見ている8000人のファン。どんな絵面!?そして満足げな吉井は「ここに今日初城ホールの人が居るからね」と言ってバーニーを見てニヤリ。まさか・・・と脅え顔になるバーニー。「バーニーには特別な水でやってもらいましょう」と言ってなぜかそこに登場する日本酒の一升瓶。本物だよ!と吉井がだめ押し。ああ、そして哀れバーニーは日本酒でうがいをさせられたのです!しかもイナバウアースタイルで!で、うがいしたあとそれをバーニーが飲んじゃったら、すかさず吉井「飲んじゃダメだよ!うがいなんだから。もう一回♪」

あんた・・・・鬼だ!(爆)

都合3回ほど飲まされておりました・・・その後途中どっかのソロでバーニーがちょっと間違えちゃって、そしたら吉井がそれを見て嬉しそうに、じーっとバーニーの手元を見るものだからよけい焦っちゃうバーニー。そんで「バーニーが酔っぱらってます!」って・・・あんたのせいだよ!(笑)

SWEET CANDY RAINの前にMC。いつもジャンキーの女の子が自分に流れる血、お父さんやそのお父さんや、そういう人たちのことを考えたらっていうような話をしていたんだけど、この日は違った。

「今ここの会場にいるみんなにも、俺たちにも約束できるたったひとつのことは、いつか必ず死ぬこと、そしてそれと同じくらい、今確実に生きていること」

うちのサイトを見て下さっていて名古屋に住んでいらっしゃる方が、先日吉井が出た新聞記事を画像で送って下さった(私は本当に皆様の優しさに支えられている、ありがとうございました>Mさま)のだけど、そこにも吉井はこう書いていた。

「死を、誰にでも約束された、確実にかなうことと捉えている」

私も吉井と同じだ、なんて言うのはオコガマシイのだけど、私もよくそう思うことがある。いつか終わりが来る、ということは等しく私達に与えられた約束なのだ。その約束が果たされるまでのこの不自由で甘美な時間をだから何とかやっていこうと。それは死にたくなるとかそういうこととはまったく違う。むしろ私も吉井も死が怖すぎて、怖いから、だから考えないではいられないのだと思う。いつか必ず死ぬということを。そういった思考は吉井の音楽に一貫して存在していたもので、だからこそ私はこの人はこんなに真っ直ぐ自分の行く先を見つめて大丈夫なのか、と思ったこともある。行く先というのはもちろんひとつしかない。私の愛する漫画「パーム」のなかでジェームスがこんな風にいうシーンがある。

「あんたには何でもわかっているみたいに見えるぜ やけに落ち着いてるしよ

まるで自分がこの先どうなるか全部お見通しみたいだ」

「まあ最後にどうなるかは知ってるな」

「ほんとか?どうなるんだ?」

「死ぬんだ」

勘違いかもしれないけれどこの日のSWEET CANDY RAINはとても優しく聞こえました。そうしてやはり、私には吉井の音楽が必要なのだ、とも。

FINAL COUNTDOWNはしかし何度聴いても楽しいねーー!エマとバーニーがすっごい笑顔でギターをかき鳴らしている姿や、それを見て笑ってる根岸さんや、ものすごくノリノリな柴田さんを見ていたらもう本当に幸せで、体中から楽しさがわき上がってくるみたいだった。こういう感覚は本当に久しぶりだなあと思った。こういう楽しさがあるからライブはやめられないんだよね~。

アンコールのHIKARETAでは途中でエマが中央に出てきてくれるんだけど、その時の「エマちゃ~~ん!」コールが本当嬉しくて、すいませんおセンチなファンで!と思いながらやっぱり好きなものはしょうがないのである。でもエマも前回のツアーより断然今回の方がよかった。というか1ヶ月まえのZEPPより断然今日の方がよかった。段々ほんとうにあの圧倒的な「エマ」が顔を出しつつあるよなあと思って嬉しかったなあ。HIKARETAもライブで聴く方が数百倍楽しい歌だよね。というか吉井のライブはそういうものだらけなんだけど。だからライブがやめられないんだけど(また言ってる)。

武道館と同じでHIKARETAのあとトブヨウニ。結構すごい歓声だった!聴きたいと思っていた人が多かったんだろうな~。そしてMY FOOLISH HEART。MCでハートのオブジェの話をして、「これを吊っているワイヤーが切れたらたいへんだ」と笑いを誘いつつ、「いいよいいよ、ハートが刺さって死ぬなら本望だ」と言っていました。

さて、本当ならばここで終了となるところ。ところが、いつもはアコギをスタッフに渡すだけのエマがギターを変えたんですよ。あ、「同じにはしない」つってたのは本当だったのね、と。しかし私は、予想はしていませんでした。出るなら武道館で出るだろうと思っていたから。そして武道館で観たときに、「これはこの場では必要とされていないな」と思ったから。イエローモンキーの曲をいつかはやるとしても、このセットリスト、このツアーのストーリーの中ではないなという気がしたからです。だから心の準備はまったくできていなかった。「サプライズがあるよ」と吉井は言ったけど、それを「どうせまたいつもの肩すかし」だと私は読んでいたからです。

「カバーをやろうか」と、吉井は言いました。なんだかちょっと照れ笑い、というような顔で。カバーね、なるほど。一体誰のカバーをやるんだろう、洋楽かな?その瞬間、聞こえてきた。

追いかけても追いかけても

逃げていく月のように

指と指の間をすり抜ける

バラ色の日々よ

この曲をやっていたいつかのように、吉井は途中から「歌って」と言いました。歌えって・・・歌えるかよ!(涙)聞こえてきた瞬間、私は前の座席の背もたれをつかんで突っ伏し泣き崩れました。声をあげて泣いた。だめだ、こんなんじゃ。顔を上げて見なきゃ。あの東京ドームのJAMのとき、涙でろくに見えなかったことを思うと、私の立ち直り(?)は相当早かったと思う。でも声は出なかった・・・泣いていたら、人間歌えないものなのね。

本当に久しぶりにライブで聴くことの出来た「バラ色の日々」はパワフルで、「このツアーのストーリーの中ではない」と感じていたことなど吹っ飛ばすような力があった。吉井は何度も、内緒ね、というような口に一本指をあてる仕草をしていたけど、あんた、そんな内緒になるわけないだろう!(笑)事実ライブ終了後、速報メール、速報電話をする人の多いこと多いこと(私もだ)。あんたね、営々築き上げられた猿ファンの横のつながりを舐めるんじゃないよ!?みたいな。

私の隣りに座っていた人も、後ろに座っていた人も、ライブが終わって客電がついてもまだ座席に座ったまま泣いていた。声をあげて泣く人をあんなにいちどきに見たのは初めてかもというぐらい、そういう人がアリーナだけでもたくさんいた。すれ違う人の目が赤かった。吉井がイエローモンキーの曲をやる、というのはこういうことだし、その意味は吉井も痛いほどわかっていたと思う。だから、最後の会場でしか披露しない事へ後ろめたさがあっての「内緒ね」なんだと思うしね。後ろめたいと思うならやれよ、って言われるかもしれないけど、最後にバラ色があるかもと思って参加する「MY FOOLISH HEART」ツアーには吉井はしたくなかったのかなと漠然と思った。やっぱりそれはこのツアーの流れをまったく変えるぐらいの破壊力は充分にあるからだ。だからこそ、ファイナルだけの「サプライズ」にしたんじゃないかなあと思う。

ツアーの、レポとしてはここまでです。ここからは私の独り言、深読み、妄想みたいなものです。あ、blogだったらここで「畳む」とかいうことが出来るんだな。なるほど!(今更気付くblogの効能)

それにしても私もざっとしかネットをたどっていないが、吉井が「バラ色」をやったことに対するネット上の反応というのもなかなかに皆激しい。というか、長文が多い。やはり人の数だけ思い入れがあって、人の数だけその形は違うということなんだなあと改めて思う。

この曲をやったことに対するネガティブな反応というのも中にはもちろんあって、それは「許せない」というものから「怒りを感じる」というもの、「席を立って帰った」というものまで、様々だ。イエローモンキーの曲はイエローモンキーのものだから、吉井が(本人の言葉を借りれば「下手人」の吉井が)やることに抵抗を感じるという人もいた。私はそれらの言葉に対して「わかる」とは言えない。その気持ちを考えることは出来るけれど、本当の意味で「わかっていない」のに「わかる」ということのほうが彼ら彼女らに対して不誠実なような気がするし、それだけその人たちの気持は尊重したいと思う。

しかし私は私だから、私の文法でしか吉井を見ることが出来ない。それはしょうがない。私があの曲を聴いている時に感じたこと、それは楽しさだった。私は楽しかった。泣いたけど、それよりも私は楽しかったんです。ステージの上で歌っている吉井和哉はあの時と同じではなくても、隣でギターを弾いているエマも同じではなくても、彼らは笑顔だったし、だから私も笑顔になれた。

曲が始まったときの、城ホール全体があげた絶叫、そしてあの空気。吉井はこうなることを予想していなかったとは思わない。彼は充分予想していただろう。自分が今日やったどの曲よりも、激しい反応が返ってくることを。吉井和哉としてのライブを完成させないと、これはできないことで、だからこうして封印が解かれたのは(正しい表現ではないかもしれないですが)、吉井が「吉井和哉」としてのライブにある程度正解を見出せたと言うことなのかなと思う。それはこのツアーで回った一カ所一カ所のオーディエンスが一緒に創り上げてきたことで、だからこの日あの曲を吉井から引き出したのはこのツアーに参加した全員なんじゃないのかなっていう風に私には思えるんです。

楽しかったのは、あの東京ドームのJAMとは違い、これが始まりだと思うから。あのJAMは言ってみれば儀式だった。でも今日の「バラ色」は違う。これはスタートだ。私は自分がその場に居合わすことの出来た幸運に心から感謝するし、自分はその場に居なかったのに自分のことのように受け止めてくれた友人にも心から感謝したい。ただひとつ残念なのは、みんなと一緒に見れなかったことだよ。それだけ。

武道館で見たとき、前日のライブにヒーセとアニーが来ていたという話を聞いて、私はいろいろと考えてしまった。その日の吉井を、二人はどんな思いで見たのかしら。だって、あの時舞台にいたうちの半分がステージに居て、自分達は客席に居るんだよ。それを彼らはどう受け止めたのかなって、私はまた考えなくてもいいことを(だって実際そんなの余計なお世話ですよね二人にしたら)すごく考えてしまったのだった。その日一緒に見た友人と、延々そういう話もした。吉井ファンは本当に解釈・議論好きが多くて困る。でも、この日のライブで、ステージの上で輝いている吉井やエマや根岸さんや柴田さんや古田さんやバーニーを見ていたら「ああそうか」って、彼らはみんな音楽で繋がってるんだなって、今ここにいなくても、アニーもヒーセもみんな音楽で繋がっているんだなって、この会場と吉井も、私と吉井も音楽で繋がってるんだって感じてしまう瞬間があって、それは本当に・・・幸福な瞬間だった。もう、みんなみんな愛してる!って言いたくなるような。ヤバイやつですよね、私。でも私がちんけな心配をするような、そんな絆じゃないんだよ、俺たちには音楽があるんだからって言われているような気がしたの。

なぜ「バラ色の日々」を選んだのか、なんてことは、吉井本人にしかわからないし、あのひとの考えていることはたいていわからない(笑)ので、これまた勝手な解釈なんだけど、私にとってこの曲は「旅立ち」を思い出す曲なんです。以下は7年前の日記に書いていたことのコピぺ。

突然ですけどモンキーの「バラ色の日々」っていい曲だよね。

なんか9ヶ月ぶりのシングルとかメカラだとかモンキー自体の久々ぶりに

どさくさに紛れてた感があったんですけど(紛れてないし)

今日なんか久々に思い出したらなんか今の心境にずっぱまりだった・・・

追いかけても追いかけても逃げてゆくとか

あの時感じた夜の音とか君といやした傷のあととか。

それでワタシも今は長い鎖に繋がれても

明日は明日の風の中を飛ぼうと思ってます。

3月に東京から大阪に転勤するとき、この日記を最後に書いたあと、PCの電源を切って箱詰めし、私は大阪に帰ってきました。BGMは「バラ色の日々」だった。客は自分の文法でしか舞台を見ないと言ったのは野田秀樹氏ですが、あの時とある意味まったく同じ今の状況で、この曲を聴かせてくれたことに素直にありがとうと言いたいです。私のためにやってくれたなんてことを言うほど痛い子ではさすがにありませんが(怪しいぞ)、気持のタイミングが合っていることぐらいは勘違いさせてね、と思ってしまう。

私には吉井の音楽がある、とライブの間中何度も思いました。

それは本当に幸福なことで、時には愛しているからこその厳しい思いもあるけれど、そこに吉井の音楽がある、というのは私にとって本当に何よりの支えです。

これが始まりだよね。

吉井和哉に特大の愛を。

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ばら色ショック(笑)

今思うと自分本当に聴いたのかな?夢だったんじゃないのかな?ナンテ

あほなことを思ってしまうぐらいなんかぼやあっとしてます、記憶が。

レポは熱いうちに打っておくものだ(笑)