FATHER

「父と息子」という題材に死ぬほど弱い私にはある意味たまらない、4thアルバム「FOUR SEASONS」に収録されたその名の通り父なるものへ向けられた曲である。

しかし吉井和哉の(そしてその生い立ちの)割には、実は至極あっさりとした曲でもあって、それがこの曲の出来た時期的なものなのか、それとも父親というものの長い不在がそうさせるのか、「対母親」とはまったく違った感触の曲なのが面白いところです。 でも、パンチドランカーツアー、横アリ4daysの3日目かでこの曲が出たとき、吉井がマイクを通さず「おとーさーーーん」と叫んでいたという話を前方席だった友人に聞いたときには胸に迫るものがありました。

ライブ映像はTRUE MINDに収録されているのだが、1曲目のRomantist tasteとこのFATHERだけがNHKホールのライブ映像ではなくて1996.1.12の武道館でのライブの映像を使用している。 もともとWOWOWで放送されたこの日のライブは、とにかく「この吉井和哉が私の理想の吉井和哉です」と言いきりたくなるぐらいすべてが私のツボなのですね。 青いシャツを汗で濡らして手を伸ばす吉井、くるくる回る吉井、ステージの床に倒れたまま歌う吉井に何度ときめきまくったことでしょう。 もし、過去1回だけ、自分の行っていないライブに行ってもいいよと言われたら、私はこの日を選ぶかもしれないなーと思うほど、お気に入りです。

時が流れいずれ僕がただの灰になっても 嘆かないでFATHER