劇場の神様

大阪の今度の会場がグランキューブなのがにんともかんとも、なぴーとです。1回行ったことあるんですけどね、鳥肌実で(すいませんすいません)。そのときの印象が、正直あまりいいものではない。いや、会場はめっちゃきれいですよ!?ホワイエも広いし、そういう意味では絶対快適だと思う。

鴻上さんが昔言ってた言葉だけど、いい劇場っていうのは適度に「ちゃんと汚れてる」んですよね。それは汚い、という意味ではなくて、人の感情とか思いとかが蓄積された空気がちゃんとあるっていうこと。それは実は古さ新しさとはあまり関係なくて、古くてもそういう空気がないところにはない。たとえば大阪だったら、厚生年金会館にはそれがあるんですよ。もし今度のツアーで大阪の会場が厚生年金だったら、私土日とも無理やり参加したと思います。土曜日だけにしたのは、会場がグランキューブだからっていう理由が8割占める。

鳥肌実を見たときに思ったけど、こんなちょっとヤバいお楽しみを、「やましいところなぞどこにもございません」みたいな顔をした優等生な劇場で観てもなあ、という気がどうしてもしてしまったのだ。吉井和哉のライブだって、同じなんじゃないのかなあ。

劇場には神が宿るとよく言われるけれども、それは真実で、私は普段はそういった目に見えないものは信じないけれど、芝居を観ていると「あ、今、演劇の神様が見ている」としか思えない瞬間というのは本当にあるんだ。ホールだってそれは同じじゃないのかなあ。だって、たとえば武道館。あそこが特別だって思うのは、あの武道館独特の、蓄積された「汚れた」空気をみんな肌で感じてるからなんじゃないだろうか。

そうは言っても見に行くわけだし、見に行く前から文句なんか言うな!とも思うけども(ほんとにな・・・)、でも吉井和哉のライブなんていうこれ以上ないぐらい個人的で淫靡な楽しみを堪能するのに相応しい場所は他にはなかったのか?と思ってしまったわけです。

とか言いながら観終わったあと、「大阪最高!グランキューブ最高!」とか言ってる率もぶっちゃけ五割ぐらいあるので、まったく信用できないわけだが(笑)。