SO YOUNG

18thシングル。

たとえばどんな曲であっても、それがシングルとして発売されたものは、「イエローモンキーを知らない誰か」に向かって作られている側面があると思うし、そうであるべきだとも思う。だけど、このSO YOUNGだけは違うような気がする。この曲は言ってみれば閉じた曲だ。これはあのツアーを一緒に乗り越えてきた、ファンとメンバー、スタッフのための曲のように私には思える。

そう空想めいたことを考えてしまうほど、この曲とパンチドランカーのツアーの思い出は密接だ。

この曲が初披露されたのは1998年の12月28日、メカラウロコ9。26,27とパンチの武道館が2daysあって、翌日がメカラウロコでした。あの3日間は、もしかしたら私のイエローモンキーファン道(道ですか)のなかでもっともテンションの高かった3日間かもしれない。

年明けからはずっとラストにこのSO YOUNGが披露されることになり、ファイナルに向けて高まる一体感の中で、この曲は私達にとってこのツアーを象徴する楽曲として認識されていった。

3.10にはそのまさにファイナルの横浜アリーナが映像として記録されているわけだけれども、後にも先にもあんなに壮絶なものは見ることが出来ないだろうと思うほど、凄まじいものがそこにはある。

DVDのラストは一緒に写真を撮るメンバーで、美しい笑顔の4人がそこには捉えられているが、この3.10に入っていない、もっとも感動的なシーンのひとつは実はこの後で起こった。

どんなアーティストのどんなライブにもある、終演後のアナウンス。「本日の公演は全て終了いたしました」という、あの放送。この日も、メンバーがステージからはけて皆が帰り支度をする中でアナウンスが流れた。「本日の公演をもちまして、パンチドランカーツアーは全公演終了いたしました・・・」そこで自然に観客の中から沸き上がった拍手は大きくなり、次第にアナウンスをかき消すほどになった。

誰に送ったわけでもない、お互いを称え合ったあの拍手のことが、今でも忘れられない。

私にとってSO YOUNGという曲は、あの拍手と同じ温度を持つものであり続けるでしょう。

あの日僕らが信じたもの

それは幻じゃない