WELCOME TO MY DOGHOUSE/2

私は後発のイエローモンキーファンなので、勿論彼らをラ・ママで見たことはありませんが、WELCOME TO MY DOGHOUSEという曲をラ・ママで「聴いた」ことはあります。

元はネットの繋がりでした。よくチャットで喋っていた福岡の男の子がバンドをやっていて、彼らがアマチュアバンドで集まって、イエローモンキーの故郷La.mamaでライブをやらないか、と持ちかけたのが発端で、いろいろ紆余曲折はあったのでしょうが最終的にはそれが実現する形になったわけです。私はその発起人の男の子も知っていたし、さらに遠く札幌からやってくる友人のバンド(ガールズバンドで、長く札幌でイエローモンキーのコピーバンドとして活動していた)も出るしで、その日は私のネットでの親しい友人がほぼ全員集合!というイキオイで皆でLa.mamaに集結したわけです。

私は全くの観客としてその日に参加しただけなので、裏方さん達の苦労とかは推し量ることすらできませんが、しかし、この日の楽しかった記憶はそれはもうイエローモンキー(本物)のライブでの記憶に勝るとも劣らないものでした。

出場したバンドは全部で3つ。そのトリで出たのが、札幌からきた友人達のバンドでした。

長くステージでイエローモンキーをコピーしてきた彼女らのパフォーマンスは、友人だからという贔屓目を差し引いても、いやそんな贔屓目が入る余地すらないほど最高に格好いいものでした。

ボーカルだった友人のステージでのアクションひとつひとつに、隣で一緒に見ていた友人と「めっちゃ吉井!めっちゃ吉井!」とわけのわからない言葉を連呼して狂喜しまうほど、彼女らのパフォーマンスは凄かった。

そして、「やっぱりここでこの曲をやらないといけないでしょう」というMCのあと、

このWELCOME TO MY DOGHOUSEが始まったんです。

「華やかに見える道化師の黒い見世物小屋へようこそ」。その歌い出しを聴いたとき、ああ、この曲は、犬小屋はここで聴くものなんだ、ここで歌うために作られた曲なんだ、と思いました。

La.mamaは半地下の階段を下りたところにあるライブハウスで、天井がすこし低いのです。「空は今何色なの?」と言って上を見上げると、そこには手を伸ばすと届きそうなほど近くに黒い天井がある。ここから早く出たいよ、その言葉は、ここで聞いてこそはじめて実感するものなんだと強烈に感じたことを今でも覚えています。

その後も何度かTHE YELLOW MONKEYの演奏するWELCOME TO MY DOGHOUSEを聴いたけれど、そこで浮かんでくる光景はあの黒い天井の風景でした。

武道館で初めて聴いたASIANと同じくらいに、忘れられない光景のひとつです。

私の哀れな背中を見てあなたはどれだけ耐えられる?