ツアーTHANK YOU YOSHII KAZUYA 12/28 武道館覚え書き

今まで、ソロの最初のライブ含めて、一応行ったものについてはそれなりにレポのようなものを書いてきたけれども、それはやっぱりどこか冷静な部分が少しは残っていたから書けたんだなあと、今、しみじみ中。

そんなこんなで、28日武道館。

最高でした。最高。

これを待ってた。

記憶はもうほとんどすべて吹っ飛んでるし、吹っ飛んでなかったとしても今度は語彙が追いつかない。あのライブの前には、言葉なんて何の役にも立たない!

断片的な「かっこよかった」っていうインパクトは残っていてもそれが何の曲だかまったく思い出せないし、だってもう、あれでしょ?実は30分ぐらいしかやってないでしょ?っつーぐらいあっという間でしたもの。もう、セトリ全部が1つの大きな流れで、どこでどうとか、そういう認識全然無理だし。

だからもうあれだ、これはレポではないです。

座席は東スタンド。すっごい見やすい、最高の席だった!前に手すりがあったのも助かった。手すりなかったら、多分落下してた・・・(笑)で、最高のライブの前には座席なんて関係ない、という私の主張は正しかったと思った。遠さ近さ関係ねーよ、つーか関係なくすのが最高のライブだろ、っていう。

いつもね、完全に火がついた、って認識するのはSPARKだったんですよ。それが今日はもう、1曲目から違ったもんね。やっぱり、ライブってオーディエンスも作り手なんだね、本当に。今日の客は違ったよ、気合が違った。それはもちろん今日が12月28日だってことと無関係ではないわけなんだけど。

これは違う、今日は違う、って思っていたら、吉井も最初のMCでそう言ってた。今年の夏の、RIJFでのアクトも確かに素晴らしかったの。だけどあれは、あくまでもアウェイの中での吉井の反抗心から出たパワー、みたいなもので、でも今日は完全なホームで、なおかつステージと客席のすべてを完全に掌握しているライブモンスターがそこにいた、って感じだった。

SPARKのとき、私はもう完全にネジが吹っ飛んでしまって、吹っ飛んだ勢いで首の筋を痛めました(実話)。

これだった、こうだった、この人のライブってこうだったんだ、って何回も思ったなあ。もう理性とか、明日とか明後日とか、そういったものが全部なくなって、本当に「希望も悩みも忘れて」、今、今、今なんだ、っていう感覚であふれているあの感じ。

なにがどうでもいい、って見ながら何回も思いました。前日に、私のblogに昔の友人が書いてくれたコメント「本当に、彼らと彼らの曲を愛していました。ただそれだけです」という言葉が何度も頭をぐるぐるした。この日一緒にライブを見た友人が前日にくれたメールの「愛しいと思えるライブになりますように」という言葉もぐるぐるした。大事なことなんて、それだけなんじゃないのか。あの頃ああだったとか、昔はどうだったとか、つらかったとか逃げてたとか、そういうことをいくらアーティスト本人が口にしていたとしても、そんなことももうこの日はどうでもよかった。これから彼が行くところがどこでもどうでもいい、なにが待っていても関係ない。私は今、この場を共有しているこの感覚だけを信じる。この日の吉井和哉は、ソロになってはじめて、そう思わせてくれた。

BELIEVEが終わったあと、いつもなら点く客電がつかなくて、LEDにTHANK YOU EVERY BODYの文字が出たので、やっぱり何かやるんだな、と思った。アコギを持って出てきて、「好きな歌を」と言った瞬間に、JAMだとわかった。

JAMでは涙は出なかった。ただ、曲が終わって、

THANK YOU EVERY BODY!

THANK YOU BOWINMAN MUSIC!

THANK YOU YOSHII KAZUYA!

と吉井が叫んだときに、今回のツアータイトルがTHANK YOU YOSHII KAZUYAだった意味を思って、そこで一気に心臓にきた、という感じだった。終わってしばらく、手すりにもたれて動けなかったもの。

塩尻で今回のツアーをはじめて見たときに、なぜあんなにもアンコールのパールとBELIEVEで「さよならだ」って言葉が自分の中でかけめぐったのか、ようやくわかった気がした。

JAMは、私にとっても他の多くのひとにとっても一方ならぬ思い入れのある曲だから、そしてイエローモンキーで最後に演奏された曲だから、特別な感情を抱いたひとも多いだろうと思う。ただ、JAMをやるのではないかというのは個人的には予想の範疇だったし、吉井はこの曲の強さを信じているんだろうな、と思うので、演奏されたこと自体にはあまり、特別の感情はない。ただ、JAMという曲はたやすくない曲だな、ということは改めて実感した。残念ながら、昨日のJAMでは、吉井がこの曲で描いた「君たちと俺たちのロックンロール」にはなり得ていなかったと思う。それにひとりで挑戦した、その心意気は買う、でももっとがんばれよ、とえらそうに言わせてもらうなら、そういう感じでしょうか。

しかしとにかく、ありとあらゆることを吹っ飛ばす、最高のライブでした。最後に猛烈な寂しさに襲われたりもしたけれど、最終的にはそれすらもライブの高揚感の前に打ち消されました。楽しかった、ただひたすらに。今度こそ、心の底からこの言葉を言います。お帰りなさい、ライブモンスター。これからも、どうぞよろしく。