アバンギャルドで行こうよ

2ndシングル。 デビューシングルがRomantist tasteで3rdシングルがASIANだというのはすぐ出てくるんだけども、2ndシングルってなんだっけ・・・?と実はしばし考えないと出てこない。 いい意味でシングルっぽさの薄い曲ですよねえ。 この曲については、吉井和哉が1997年4月号のブリッジで語った内容がとにかく印象的。以下はその一部抜粋。

吉井「コンサートで“アバンギャルドで行こうよ”をやると、凄くねえ、メンバーが愛おしくなる気持ちに近いような感じになるんです」 渋谷「愛おしいっていうのはどういう?」 吉井「何だろ?・・・ちょっと青春ぽい感じ?」 渋谷「へえ。それならこのアルバムのなんの曲でもいいじゃん。そうじゃなくて、“アバンギャルドで行こうよ”ってのは何でなの?」 吉井「なんなんでしょうねえ?俺もそれよくわかんないんだけど。なんか・・・なんかねえ、幸せになるんですよこれやると。『今俺たちいい時代だよなあ』みたいな、こう、4人でね」

このインタビューは「イエローモンキーの10曲」というテーマで語られたもので、私は実際にライブでアバンギャルドを聞く前に、このインタビューを読んだ。だから、ある種刷り込みというか、実際に同時代でその空気を味わっていたわけでもないのに、この曲を聴くときは一人で頭の中の吉井が語ったノスタルジィに浸って聴いていたところがあったように思う。

DVDに収録されているのは追憶の銀幕、jaguar hard pain、メカラウロコ7、そしてbonus discだけども、その「幸せになれる」という雰囲気がもっとも良く出ているのはなんといってもメカラ7の映像じゃないだろうか。

メカラはカメラマンも編集も神業連発、なビジュアルが多々あるけれども、このアバンギャルドの何ともいえないほんわかした空気感も絶妙にとらえていてすごい。エマとアニー、ヒーセとエマ、ヒーセとアニーがそれぞれ「目で会話」している感じが伝わってくるのが最高に楽しいのだ。

jaguar hard painでは曲の前にメンバー紹介があり、「おそそブギウギ」つきのアバンギャルドがこのDVDで堪能できるのは特筆すべきところ。 4つの映像全てに共通するのは間奏のときの吉井のスキーである。いまいち意図がよくわからないのだが、あれはどうやら、彼が昔ある洋楽アーティストのライブを見たときにかっこいいなあ、ここでこいつスキーとかやったらもっとカッコイイのになあと思ったらしく、察するにそれを長じて自分がやっているのだと思われる。どこまでもわかりにくい。

瞳が濡れてきて声にもならなくて 夢さりし恋人の淡いsweet again