吉井武道館2007 12/27レポート

ご本人曰く、「吉井武道館第1回」だそうです。去年のはツアー最終日(予定)だから「吉井武道館」としては第1回ってことなのかな。

セットリストは一番最後に。

オープニングゲストはダイノジ。6時50分ぐらいからだったかな?始まったの。もっと遅かったかも。生で拝見するのはもちろん初めてでしたが、普通に面白かったです。ああいう場所でやるのって、勝手がちがって難しいだろうなあと思うのに、ちゃんと客から笑いを引き出してましたよねー。エアギターはさすがでした(笑)

ツアーの中に組み込まれていない形での年末武道館、やっぱりどこか「メカラ的」なものを期待してしまうシュチュエーションではあるし、翌28日の吉井自身のMCからも、彼もそういったものを期すところがあったのは確かだと思うんだけど、しかしそのたった1回である種の化学反応を起こさせるというのはなかなか出来るものじゃないんだなあ、というのが全体を通しての一番の感想です。ツアーの中の1本だと、客も何が見られるのか(聞けるのか)というところで意思に大きなブレがないし、アーティストも世界を作りやすい。Hummingbirdの世界観を待てばいいのか、まったく違う何かを期待するのか、そのあたりでも受け止め方に差は出るのかなあ、と見ながら思いました。

まあ、そんなことを思う余裕があったってのも失礼な話なんですけども、途中のMCで吉井が「忘年会みたいなものだから」と言ったのがこの日のライブを象徴しているような気もしますし、そういう意味合いでいけば、ものすごく楽しかったです。心をゆるしているときの吉井さんのかわいらしさを堪能できたし、いろんな曲が聞けたしね。

OPはGENIUSツアーと同じ並び。Biriから間髪入れずにI WANT YOU I NEED YOUにつなげて、軽くMCのあとHOLD ME TIGHT、そしてここでも間を空けずにルーザー、黄金バット。ここらへんに踊れる曲を立て続けに持ってくる構成自体はすごく好みです。ただ、曲の並びから予想するほどには火がつかなかった感じだったですね、吉井さんも観客も。あとこのあたり異常にストロボフラッシュを使った照明が多すぎた!

そのあと、なんのMCもなくおもむろに聴こえたイントロに思わず目が点。TACTICSってー!いやしかし、これはそのイントロを聴いた時点よりも、あのライブ仕様のコール&レスポンスつきのアレンジ、あれがやばかった。私は今まで、吉井がソロでバンド時代の曲をやるところにいろいろ立ち会ってはきたけれど、この曲ほど「あの頃」に引き戻された曲はなかったです。あの、目の前でパネルがパタパタパタって変わって昔の景色が現れるような感じ。CDで聴く彼らじゃなくて、「ライブ」をこの曲でこんなにも思い出す羽目になるとは・・・としばし茫然としました。

こーいうこと言うのほんといやったらしい、って思うんだけど、あーロビンの顔になってる・・・ってやっぱりちょっと思っちゃうんだよね・・・。

MCでオープニングゲストのダイノジに触れて言ったことがまず「二人組みだったんですね!」えっ、ちょ、それは失礼すぎ発言・・・!とドン引く会場に「えーだって、ギターのときはひとりしか・・・」と畳みかけ。しかし会場があまりに引いていたからか、次に言ったことが「知ってるよー!冗談にきまってるじゃん・・・なんでも真に受けすぎなんだよー」だって(笑)つかなんだその甘え口調!ここどこだ!お前の部屋か!(笑)そんな吉井さんをかわいいのうと思いながらも「盛り上がる曲やります」と言ってアコギを持った時点で「嘘だ」とわかるようなヲタに育ってしまいましたが、案の定「ワセドン3」。あいつ温野菜で味しめたなー(笑)

そこで吉井がモニタに足をかけ、ビジュアル系だったらこんな風にするのに、とかなんとか言ってスカした感じでMCをはじめたんですが、いったいそれは誰なんだよみたいな(笑)スタイルからするとBOOWYちっくではあるんだけどなんか微妙にいろいろ混じりすぎてわけのわからないことになってました。ちょっとうまく文字に出来ないのが悔しいなあ(笑)でも途中でモニタにかけていた足を左から右に変えて「こっちも向くぜ」つったのは爆笑でしたね、あーかわいい(笑)

そんなスカしMCで、要は今日特別にゲストがお祝いに来てくれたってことだったんでしたけど、「諸事情により、今日だけだぜ」って諸事情とかいう言葉使いながら「だぜ」とか言うな(笑)「金になる絵だけど、金にはならないぜ。・・・?あれ、ちがう、金にはしないぜ」ってもうスカしMCも台無し感満載の中紹介されたのが

スピッツから草野マサムネくん!!!!」

ということで、開演直前に一緒に見た友人から「ゲストがあるらしい、オープニングとは別に。モバイルに書き込んでたよ」と話を聞いて、へーまさかあの人じゃ・・・と思ったひとがどんぴしゃできました。一緒に見たふたりは吉井がスピッツの20周年ライブに飛び入りしたときにそのライブに行っていたので、今度は15周年ってことで逆に花束持ってきてくれるんじゃ、という話がまさにそのとおりに(笑)

マサムネくんはグレイのシャツにグレイのパンツ、シャツはイン。なぜそうもグレイなのか!でもかわいい!!持ってきてくれたお花、白い花は見えたんだけど一瞬でよくわかんなかった。やーそれにしても並ぶとやっぱり小さい、マサムネくん!かわいいよ、かわいすぎるよ!

スピッツのツアー終わったところで、と吉井が言ったので「え、いやまだ途中」と言いかけたマサムネくんを制して「馬鹿正直に言わなくていいの!もりあげてんだから!」っていや普通にツアー始まったばっかなんだから正直に言わせてあげてよ!(笑)でも「はい、はい、すいません」っていうマサムネくんがかわいかったからゆるす(誰だ)。

吉「15周年なんだけど、なにかやっていただくわけにいきませんでしょうか、って電話したの。そしたら『スピッツは年末年始働かない主義なんです』って」

マ「言ったね(笑)」

吉「じゃあ、昔の歌謡曲を一緒にってのはどうでしょうか、って言ったら『事務所と相談してみます』って(笑)」

というわけで、昭和生まれのひとしかわからないだろうけど!若い子はあとで検索してください!といってやったカバーがクリスタルキングの大都会!

吉井が、サングラス用意してあるから!といって後ろを向いているあいだのちょっとの間でも、マサムネくんが途端に所在無げになるのがもう(笑)どうしても後ろに後ろに下がろうとしちゃうのね・・・対してうちの子は前に前に出ようとしちゃうのね・・・ちゃんとクリスタルキング用の大門サングラスをかけて気持ちオールバックにする吉井に手を叩いて喜ぶマサムネくん。あーもうこんなツーショット目の前で見ちゃっていいんだろうか。

しかし、歌が始まった瞬間の武道館の「おおおおお・・・・・・!」という驚嘆のため息とも歓声ともつかぬざわめきはすごかったね!あのハイトーンをきれーーーに伸ばしてうたうマサムネくんの声の凄さったら!!吉井、Aメロをひとりで歌うときはわざと崩して(マサムネくんを引き立てたのかなーってそれはヲタの贔屓目ですか)いたけど、でもハモるところではまったく見事でしたよ!いやそれにしてもほんといいもん聴いた。マサムネくんはハンドマイク(吉井はマイクスタンド)で、ああ!このハンドマイク姿!貴重!目に焼付けておこう!と瞬きを惜しんで凝視してしまいました。

でもほんと、すきなアーティスト同士が仲良くしてくれるってうれしいじゃないですか。ジョンレノンのときの民生と並んでた姿も涎が出るほど楽しかったんですけど、今回もまた格別。ちなみに、マサムネくんはその日のうちに日記を更新してくれていて、吉井のことを「ロックスターな男だったなあ。カッコいい!」と言ってくれていました。わーんありがとう~~(感涙)

吉井が「ここで一番盛り上がるなよ~」って言ったけど、うん、ごめん、正直自分内テンションストップ高だったよ!いいじゃん!たまには!(笑)

ここでちょっとカバータイムをね、ということでジョン祭でも披露したHELP!のバラードアレンジ。もとはジュリアンのアレンジらしいですね。そうだったんかー。私は、前にも言ったけど、英語で歌える数少ない歌のうちのひとつがHELP!で、私もやっぱりこの歌に「思い通りに強くなれない自分」をたすけてもらった(なぐさめてもらったっつーのかな)時があった、ある意味思い出の歌でもあるので、こうやって聴けるのはうれしかったです。後ろに訳詞が出ていたけど、吉井オリジナルなのかなあ?

しかし、そのあと聴こえてきたイントロにまたもや目が点。点どころか、ええええ!って言いました、言いましたよ。カナリヤがくるとは誰が予想したであろうか。いや、アルバムリリースのときに地上波の番組でもやっていたし、MOTHERS OF ALL THE BESTにも選ばれてるし、吉井お気に入りの曲ではあるんだろうとおもっていたし、私も「8」ではいちばんカナリヤがすきではあるんだけど・・・けど!けど!シングル枠の呪縛、ってかってに言っていただけで吉井自身意識なんかしてないのかもだけど、でもそれを破るのがカナリヤだったとはー!はー!わー!これもあのアウトロのアレンジがむかしのまんまで、これはこれでいやでもspringツアーを思い出すよね・・・みたいな。吉井がなんだか歌いながら、ちょっと照れ笑い、みたいな顔をしていたのが印象的だったなあ。

そしてこれも自分にとっては意外だった、NATURALLY。これ、最初のat the WHITE ROOMのツアーのときにやったんだけど、吉井にしては珍しく「ライブが音源を超えられない」っていう印象のあった曲で、そのときよりは今回のほうがよかったけど、でもそれでもまだ音源のほうにある独特のやさしさがライブではうまく出ないなあという感じが否めず。HIKARETAも、フーツアーのときの無条件でたのしい感じに自分でテンションがあがらなくて、うーむ力点をどこにもっていけばいいのかわかんなくなってきたぞ、という焦りもちょっと感じたりしました。でもそのあとのWEEKENDERがかなりテンション高くて、そこでだいぶ乗っていける感じに戻れたんですけどね。

シュレッダーも、あとWINNERとかもだけど、これはもうライブで聴くと音源何!?って感じになってきましたよね。でもなあ、これ「だから吉井はライブがすごい」とも言えるんだけど、っていうかそれは間違いないとこだと思うんだけど、じゃあなぜこれが音源に出ないの?ってことでもあるよなあと最近思ってきた私でございます。しかしそれはそれとしても、ライブでのシュレッダーはまじで良すぎる。

カバータイムでもなんでもなく、普通に自分の歌のように始まったDon't Look Back in Anger。あーこれで明日の中継でこの音残せる、まずそれを思いました。自伝の最後にもこの歌詞が出ていたなあとすこし頭をよぎったのだけど、そう思って聴くと別の感慨が出てくる・・・というわけでもないし、やっぱり仙台ではじめて聞いたときの、「これからも奪われていくだろう でも生きていかなくちゃなあ」と彼が歌ったあのときに受け取ったものが、私にとってはやっぱりすべてで、それが観客の特権、のような気もするのです。

THANK YOUツアーのときとまったく同じアレンジからバラ色の日々、そしてLOVE LOVE SHOW。これはねー、正直、またかと思った。やりたい曲をやる、それはそれでいいのだけど、これは工夫がない感じがどうしてもしてしまったなあ。ラブショーを遊ばずにまっとうに歌っていてそれは嬉しくもあったんだけど。そのまま武道館の明かりがいっせいについてFINAL COUNT DOWNに。

あーっと、そういえば衣装書いてなかったね、えーと登場時は黒のトレンチを羽織っていて、4曲目ぐらいで脱いだら下は赤いTシャツ(胸のところに黒字の文字、なんて書いていたか覚えてないー)、でシースルーの黒いシャツを羽織ってました。パンツの色がべみょうだったよ、なんだその洗いざらしみたいな色!(笑)ストールは黒だったな。

アンコールでまたも!鶴谷さんと二人で登場。よしい!わかった!大人のバラードはもう、わかったから!だって、ずーっとアンコールで爆発させてくんないじゃん。どがんどがんと爆発して終わりたい、年末だもの、さびしいのはいやーー、とかちょっと思った(ちょっとじゃないじゃん)。MCで、鶴谷さんが絢香ちゃんのライブで俺の支給した衣装を着まわしして出てた!と小さいことをいう男の本領発揮でしたが、それで「そんな小さな男じゃないぜ」ってどの口が言うのか(笑)

SO YOUNGはELLでも聴いていて、ああこの曲を初めて聴いたのは9年まえのここだなあって思ったのだけど、やっぱり自分の中では、淡々、という感じで聴いていました。そーやーーん!のときの吉井の顔、泣きそうな感じに見えたなあと思ったけど、気のせいなのかも知れない。

今回のバッカはバンドバージョンで。私、いろいろなタイミング的にバッカがラストにくるんじゃないかなって思っていたんですけど、そのあとにトブヨウニがきてくれたのは嬉しかった!バッカでおわりなのはやっぱりさびしい、さびしくライブがおわるのいやなんだよ、特に年末はさ・・・

大都会をやるまえに、自分の上京したときのことを思って選んだ、みたいな話をしたんだけど、セットリスト的にもそういう、自分史視点で選んでいる曲が多かったのかなあと思います。特にアンコールにそのカラーが強く出たような感じ。

気合が入っていないわけではないんだけど、それよりも「みんなと楽しい忘年会」を志向した感じが強く出ちゃった感は個人的にはありました。もちろん何度も言いますけど、それはそれでとても楽しかったですよ~~。なんかMCでもよく噛んじゃってたり(最初の「今年の汚れ今年のうちに」から噛んでどうする・笑)照れ笑いふうな空気になるとこもたくさんあって、よく言えばこころをゆるしてくれてるし、悪くいっちゃうと甘えてるみたいな、でもまあ、いろんなライブがあっていいですよね。

MUDDYとか欲望とか、FOR ME NOWとか、またやってくれないかなーって思う曲はたくさんあるので、年明けのライブハウス、「ロックな感じ」で攻めてくれるらしいのですごく楽しみです。なんてったって次はジョシュのドラムが聴けるんだもの!胸が躍るぜ!

吉井武道館12/27セットリスト

Introduction

Do The Flipping

Biri

I WANT YOU I NEED YOU

HOLD ME TIGHT

ルーザー

黄金バット

Tactics

ワセドン3

大都会(with草野マサムネ

HELP!

カナリヤ

NATURALLY

HIKARETA

WEEKENDER

シュレッダー

Don't Look Back in Anger

バラ色の日々

LOVE LOVE SHOW

FINAL COUNT DOWN

en

TALI

SO YOUNG

BELIEVE

バッカ

トブヨウニ