TMP

泣かなくていい

泣かなくていい

そんなに悲しまなくていい

一緒に行こう

ずっと一緒に行こう

生まれた時から死ぬまでずっと一緒なんだから

旅の途中で冬の星座が見えたとき

「あれはあれで良かった」と笑ってみよう

シアトルのインディアン居住区で

頭の上を白頭鷲が円を描いたら

君には幸運が訪れるよ

インド人がゼロという数字を見つけたのは

君にネガティブな気持ちを抱かせたくないからだろう

ゼロは進まない

ゼロは戻らない

ただそこにあるだけだ

「無い」という数字なのに

だから泣いてないで僕と行こう

遠い宇宙の彼方まで

太陽の黒点にちょっとしたウィンクをして

僕と行こう

僕と行こう

4代前の祖母のことを

どんな人だったかイメージしてみて

どんな恋をして どんな人と出会って

どんな花が好きだったとか

けっこう君に似た人だったら

切なくなるね

暴走レディオから流れてきた

僕を掴んだあの歌

金髪娘は風邪引いた

健康が一番 HIGH AND LOW

母さんの姉さんが僕に言った

「オマエはいい子」だと

母さんの姉さんは風邪引いた

睡眠が一番 HIGH AND LOW

変わりのない街はなぜか

何かに守られてる気がする

昔の彼女がこう言った

「やりたいようにやれば?」

HIGH AND LOW

宝石のような夜景

わたしは田舎育ちだからいつもびっくりしてしまう

この国の支配者が誰になろうと

わたしには関係ない

あなたがいるから

誰よりも素敵なあなたがいるから

宇宙船のスイッチを

クルーが消した

本物か偽物かなんてどうでもいい

わたしは田舎育ちだから

与えられる喜びや悲しみは生きることの恵み

だから笑っていられるように

まだ生きてる

the motion picture tour 2009 宇宙一周旅行 by KAZUYA YOSHII

 

こうしてつらっと書いてみても、ため息が出るほどすばらしいね。

冒頭だけだとどこかからの引用かとも思うけれど、通してみると作品に対してつけられた、吉井の言葉(ナレーションも吉井さんですよね)だというのがよくわかる。

天才じゃないかこの人。

なんつって、天才なんて言葉を気安く使うのはどうかと思うけど、それにしてもすばらしいよ。とくに代々木の終わりからZEPPの冒頭の部分はすごい。どこの現代詩人だあんたは。

歌詞というものの好みに関しては草野マサムネ吉井和哉が自分内の東西両横綱なんですが、こういう詩はまさに吉井和哉ならではという感じがする。「どんな恋をして」とかのあたりで「どんな花が好きだったか」という言葉が出てくるところ、ザ・吉井っつーのか、ほんとうに「花」というもの、もしくはそれに象徴される何か、が吉井にとっては大きなモチーフなんだろうなあとおもう。

ZEPPのノーパンで、アンプのスイッチを切るローディーに「宇宙船のスイッチをクルーが切った」というところがとてもすきだ。あの言葉がこちらのスイッチまでおしてくれるような感じがする。

DVD、今のところ通して見たのは2回かな。個人的な好みを言えば、ZEPPのほうが好きです。それはまず音が好みだっていうのが大きいかも。こっちのほうが遠慮会釈無く鳴ってる感じがありますよね。クレジット見るとレコーディングエンジニアは代々木とZEPPでは違うみたいです。itunesで配信することが決まってたからなのか、こっちの方が良かったからZEPPメインで配信したのか、どっちが先かはわからないけど。

代々木ですきなのはダントツで「恋の花」、ZEPPはウォーキングマン、SIDE BY SIDE、あとノーパンかな。ZEPPが好きなもう一つの理由は、私がドS吉井が好きだからです(笑)実際、ライブとしてのまとまりとか、胸打たれる感じ、吉井を味わい尽くす感じは、実際見たところでは代々木の方が上回っていた気がするんだけど、ZEPPはとにかく吉井がどこを切っても絶好調にカッコイイ、格好良さの金太郎飴状態だったので、DVDを見ても楽しい!カッコイイ!!興奮!!!みたいな感情が甦りやすいつーか。

仙台のノーパン、ほんと最高ですよね。ここのエントリでも書いたけど、私はVOLTはもうノーパン一点買いだったので、そしてこう言っちゃなんだがこの曲が格好良くならないわけないだろうと思っていたので、まさにこれぞ!!というものが形になって残って嬉しいです。

以下は蛇足として聞いてくんな。

クレジットをみるとわかるんだけど、このDVDの共同プロデュースはBSフジなんですよね。だからディレクターもBSフジが担当してる。それでまあ、あーやっぱり私はフジとは相性わりいなあ、というのもちらっと思いました。こんなこと言うとバカみたいですけど、もっともっと格好良かったと思うのよ、うちの吉井ちゃん(笑)これはもうずいぶん前から繰り返し言ってることなんだけど、速い曲でカメラをただただ速く切り替えるのがスピード感を感じさせる演出だと思ってる節があるけど、速さを感じさせるのはスピードじゃない、タイミングです。なんつーか、たいそうな御馳走なのに、かゆいところに手が届かない感が非常にもどかしかったなあ。好きなアーティストの、何より好きなライブ映像を見るのに、どうして動体視力のテストかと見紛うような映像を見るハメになるんだ、みたいな。それはお前にセンスというものがないからだよと言われるかもしれんけど、まあそれならそれでしょうがないなあというか、相性が合わなかったのねってことなんだけどね、結局は。

でも、客の泣いてる顔を執拗に追ったりするのはやっぱりどうやっても好きになれないんだけど。

ともあれ、無事DVDが発売されて、そこそこに売れているようでもあって、よかったよかった。うちの実家がこのたびテレビを42型のプラズマに買い換えまして、この3連休は実家に帰るので、その42型ちゃんで吉井ちゃん(やスピッツ)を堪能してこようとおもっておりますん。「全然違うよ!」と評判なので、なんなら吉井ちゃんの毛穴まで見えるかしら的な。それは無理か。