THIS IS FOR ME

CDでーたTHE YELLOW MONKEYのトリビュート特集をやってるとのことだったので、気になっていたんだけどなかなかチェックできず、ようやく今日時間がちょっと出来たので仕事帰りに本屋に寄った。閉店まで時間が少ししかなくて、うわー立ち読みする時間あるかなーと思ったんだけど、手にとって最初の写真見て、あっこれちょっと欲しいかも、って思って、それで中身見て、あがたさんのコメント読んで、

買ってしまった。

買わずにおれんかったっつーのか。

CDでーたに載っているコメントは、すべてオフィシャルサイトから読めるものの抜粋なので、雑誌買わなくても読むことができるよ。トリビュート、ぜんぜん興味ないやい、ってひともいるかもだけど、あがたさんのコメントは読んでほしいなあ。吉井くんこれ読んだら泣くんじゃないかな。つーか俺は泣いたけどな。

私がTHE YELLOW MONKEYを好きになった頃、いや、正確に言うといまもだが、わたしはもっともっとたくさんのひとがこのバンドのことを好きになってくれたらいいと思っていた。もっと言うなら、好きにならないわけがないとすら思っていた。だってこのひとたちは、こんなにも圧倒的にかっこよく、このかっこよさが、みんなに伝わらないわけなんてないと思っていたのだ。その感情を幼稚な、ばかげたものだと片付けることは簡単だけれど、でもそんな風に信じることができたこと、ばかげたことでも、一瞬でもそう信じることが出来るバンドを好きになれたことは、とても幸運なことだったとおもう。

でも、あの頃、ミリオンを売るアーティストが束になっていて、たくさんのバンドが綺羅星のように輝いていたあの頃、現実の世界で、THE YELLOW MONKEYを好きだという人と出会うことはそれほどたやすいことじゃなかった。わたしは当時からインターネットを通じて多くの友人と知り合うことが出来たが、そういう術を持たずにいたひとも多かったのではないかとおもう。わたしはいつもTHE YELLOW MONKEYに対する賞賛に飢えていた。THE YELLOW MONKEYのことをすきだと言ってくれたら、それだけでその人に好意をもってしまうくらいに。

自分がそのアーティストのことを好きならそれで十分で、それ以外になにが必要なのか、他人の賞賛なんてまったく役に立たない、いつだって受け手と創り手は1対1で、それ以外の要素なんてどこにも入る余地がない、わたしはそんな風に言い切ることができなかった。それはきっと自信がなかったからだろうと思う。THE YELLOW MONKEYに対する自信ではなく、自分に対する自信、自分のセンスに対する自信が、徹底的にあの頃のわたしには欠けていた。それを悪いことだとは思わない。けれどわたしはいつも飢えていて、その飢えは結局のところ、彼らが解散しその姿を消してもなお、熾火のように心の底に残っていたような気がする。

今回のトリビュートも、同じように、自分にとってはTHE YELLOW MONKEYが、吉井和哉がすべてであって、他人の解釈に興味はないし、他人の声で歌われる歌にも興味がない、というひとも、少なからずいるだろうとおもう。その潔さは、わたしが永遠にあこがれてやまないものかもしれない。けれど、わたしは、あの頃の飢えを抱えたわたしは、こうやって数多くのアーティストが、彼らへの敬意を形にしてくれたことがうれしい、ただただ、うれしいのだ。

ひとつひとつのコメントを、なめるように読んで、贔屓目かもしれない、いや贔屓目で何が悪いのか、みんな心からTHE YELLOW MONKEYのことを好きだったことがあって、そしてその思いはそれほどたくさんのひとと共有できたわけではなくて、でもだからこその濃い気持ちがつたわってきて、わたしは何度も泣けてきてまいった。ひとりひとりのコメントを、ぜんぶ紙に書き写して、ためつすがめつしていたい、ほんとうに自分はなんというキモヲタであることよと思うけれど、でもそうしたいんだから仕方がない。

思いもかけず、熱い、熱いコメントのスクービー、短いながらもその言葉に重さを感じないではいられないtacica、椿屋中田さんは多くの人がそうでなかったときから、あのバンドへの敬意を臆さず語ってくれていた、吉井が参加するよね?って聞いちゃうのもわかる、和田くん、トライセラとJAMの間にあるのは運命以外のなにものでもないよ、民生、かっこいいつってくれてありがとう、ほんとうにみんな嬉しい言葉ばかりだ。でも、「わたしの恋情はこれをご覧のアナタのそれより確実に強いものだった、なぜなら」と語った志磨さんの言葉がすべてのような気もする。本当にその通りだ。なぜなら彼らは今、「ここ」に立っているのだもの。

CDでーたではTHE BACK HORNフジファブリックが対談していて、その思いの丈にもしてやられたし、バックホーンの球根がマジ楽しみすぎるんですけどどうしたらとか、松田さんの「THE YELLOW MONKEYの曲は全部好き」って発言にひとりで照れたり(バカだお前)、とにかく隅から隅までうれしいことづくめだった。

20周年てすごいな。これは最後の打ち上げ花火かもしれない、そうかもしれない、それをセンチメンタルに考えない訳じゃない、だけどもし最後の打ち上げ花火なのだとしたら、これ以上の最後はないな。わたしの、ほとんど怨念と化した「かなわなかった想い」はこれですべて浄化されたような気もする。いや、ほんとうのことを言うと、もちろん最大のかなわなかった想いがあるけれど、それはまだ言わない。

やっぱり、THE YELLOW MONKEYってかっこいいよな。

って、あの頃のわたしと話し合いたい。

そんな気分。