ARABAKI ROCK FES.レポート days2

翌日はとりあえずホテルについている無料の朝食を頂き、わりと優雅な感じだったのですが、昨日まったく並ばなかった仙台駅前からのシャトルバスの激混みように思わず愕然。こ、これは・・・一発目のフラカンに間に合わないかも・・・バスには30分ほど待って乗れたので、これで1時間で行ってくれたら間に合うやも!と淡い期待も一瞬抱いたのですが、あにはからんや、何が起こるかわからないのがフェスですね。

まさかの大 渋 滞

バスに乗ったとき補助席だったので友達と前後になって、ツイッターでARABAKIのハッシュタグを見ていたら、バス、渋滞、バス、渋滞の文字がおどっとる。なにー!うわーこれはもうフラカンムリだわ・・・とにかく寝よう、としばしうとうとしていたんですが、目を覚ましてまだ高速に乗ってないという(笑)ハッシュタグでも「2時間かかった」というのもあれば「高速の流れはよくなってる」というのもあってもうどうにもわからんちん。そしてこれはマリーズにも間に合わないのでは・・・と友人と前後でツイッターのリプライで会話する我々(笑)いやなんか面白くて(笑)

高速に乗るまできっかり1時間かかったんだけど、高速で村田JCT過ぎたあたりで突然スムーズに流れ出し、ああなんとかマリーズには間に合いそう!と胸をなでおろしました。しかしここでフラカンYO-KING飛び入りという情報に愕然とする我々。ああ・・・会えそうでYO-KINGに会えない・・・あのキューティクルに会えない・・・と落ち込む私たち(そこか)

毛皮のマリーズ荒吐

メインの入場口に一番近いステージ。物販が目の前だったので、ちょっと吉井ちゃんの覗いていこう~~と見てみたら今なら選び放題!って感じだったのでタオルを購入。いつもTシャツとかいまいちうーむ!という感じなんですけど、今回の春フェスグッズはどれもなかなかカワユスだったと思います。Tシャツもいい感じだったよ。

で、さ、マリーズマリーズ!と思ったらそこで聞こえてきたのが聞き覚えのある旋律。これは・・・ピアフの愛の賛歌!メカラのオープニング!ちょっとーー!志磨――!大好きだー!みたいなことを呟きながらステージ近くに。ちょうど志磨くん登場でジャストでした。はー間に合ってよかった。

しかし、HEEFESTのときにも、あのパフォーマンスはすげえなと思いましたが、それはべつにやってたのがTHE YELLOW MONKEYの曲だったからってだけじゃなかったんだなあと改めて思いました。やっぱ好きですこのひと。ブルーグレーのスーツに揃いのカラーのフリルシャツで、縦横無尽に動き回り、手で煽り、足をあげ、叫び倒す。やーかっこよかったです。「ボニーとクライドは今夜も夢中」の時のオーディエンスの反応もよかったなあ。

途中のMCで、ちょうど曇り空だった上空に向かって「晴れろ~」と念じて見せ、すぐに「あかんか~」「日頃の行い悪いか~」「日本で一番日光が似合わないバンド、毛皮のマリーズです」なんて言っておきながら、たとえば、ここにいる人たちみんな幸せそうやないですか、でも世間にはそうでない人もたくさんいそうで、なんか余計な心配をしてしまったりしそうになるやないですか、でも今ロックを聴きに来ているみんなはとても幸せそうやないですか、どうやら、ロックは人を幸せにするらしい、でもね、僕はそんなもんだけやないと思ってるよ、ロックのことを。例えばね、ほら、今こうして、太陽が顔を出してきている、と志磨くんは上空を指さし、そこには確かにさっき隠れていた太陽が顔を出しつつあった。みんな自分の好きな子のこと思い浮かべてください、僕はね、ロックでその子のことを幸せにしてみせる、ここにいる君たちだけじゃなくて、君たちの大事な人を幸せにする、そういう気持ちで聴いてください、とビューティフルを歌い始めた。

すごく好きだなと思っていた曲を聴けたうれしさもあるし、このMC自体の、なんというかちょっと大仰な、芝居がかったとでもいうのか、そういうところも含めて、志磨くんはちゃんとロックンロール作り出す虚構を信じているひとなんだなあと思い、それは私にはとても好ましいものに思えました。

最後の曲の時だったか、志磨くんが客席にダイブした瞬間、私の斜め前で見ていた男の子が猛然と最前方へつっこんでいっていて、そういう男子は他にもたくさんいて、それは彼らが志磨くんの下で支えてやらなきゃいかん、という使命感に突き動かされてのものだったんだと思う。最初崩れかけていた志磨くんの体勢は、そういった猛者たちの支えによって徐々に起き上がり、最後には上半身をきっちり起こして、悠然と自分を支える彼らの手を握りながら大勢の観客へ投げキスをふりまいていた。かっこよかった。彼はあのステージでちゃんと何かを引き受けていて、その心意気にほんとうにうたれました。

時間がなくてその時点でまだシートを確保していなかったので、陸奥のステージに向かいながら、途中のちょっとした空きスペース、みたいなところに本日の拠点を確保。こういうところがRIJFと違うところで、はいはいこの広大な敷地が基本的にみんなのシートゾーンだよ!みたいなフリーな感じというのはなかなか素晴らしいなあと。確保した場所は四方八方にあらゆる設備が整っていて、これはいいやとご満悦。やっぱり2日目は動き方の効率も変わってきますね。

この日はとにかく気温が高く、友人が買った生ビールをちょびっとお裾分けしてもらいながら、米沢牛コロッケバーガーを食べてみました。やーうまかったー!サクサクでちょうどいいサイズで、すっかり満足。

ふらふらと鰰ちかくの湖畔を歩きつつ、ちょうど強い風が吹いて、湖畔の回りの桜が一斉に散って、桜吹雪のなかで、音楽、おいしいご飯、ちょっとのアルコール、あーもう完全にトリップしそう!と思いました。きれいだったなあ。あの花吹雪の真ん中の風景、忘れられない。

RIZE@鰰

桜の樹の下で開演を待つという贅沢さ(笑)しかし、ここまで完全なる晴天であったにも関わらず、RIZEの開演を待っている間にポツリと雨が(笑)誰だ!テナーか!RIZEか!それとも会場入りしたシンちゃん(@ピロウズ)か!となんちゃって犯人捜しを楽しんでみたり。

RIZEのライブを実際に観るのは初めてだったんだけど、もーーーちょうちょうちょう楽しかった!めっちゃ跳んだ!めっちゃ頭振った!kenkenの美しすぎるヘドバンや、相変わらずめさめさカッコイイあっくんを見つつ、前方モッシュゾーンで男子がガンガンに跳びまくり、ペットボトルも飛びまくり、土煙は立ちまくりのオーディエンスを見てるのも楽しいーーー!

途中のMCで、今日5/2は忌野清志郎さんとhideさんの命日、っていうことに触れて、清志郎さんへの音楽はね、あとでみんながやってくれるから、hideさんに捧げる1曲をやりたいと思います、と言ってピンクスパイダーをやってくれた!やーもうほとんどステージ見てないんじゃないかってぐらい頭振ったわ・・・縦横無尽に動き回るJESSEやkenkenに煽られる煽られる、それがまた気持ちいい!

JESSEは途中で、ハイチやチリの窮状についてさらりと触れ、その後に披露されたドストレートなメッセージソングは、普段の私なら「こういうの苦手です」と切り離してしまいそうなところなのに、この日のこの場所で、JESSEに真っ正面から言われてしまうと、それは真摯に受け止めざるをえない、というような気迫があった。最後の曲で、多分RIZEファンにはお馴染みなんだろうね、曲の途中で客をひとり舞台にひっぱりあげ(その前に「歌えるか?メガネ君歌えるか?」と確認していた)、彼にボーカルを託すという場面があって、いやもうその時のテンションったら・・・一番跳んだよ間違いなく。そのメガネ君の必死さもぐっときたし、それにオーディエンスが全力で応えるさまにもぐっときたし、JESSEがギターを抱えたまま飛び降りて、通路を走って柵に登り、猛然と客を煽ったのにもぐっときた。いやーいいもん見れたなあ。最後舞台からはけるとき、JESSEだけがひとりギターのエフェクターを切らずに袖の近くにきて、一節「さくら」を弾いてみせたのだ。もーー、なんって心憎いことをしてくれるんだろう!!

自分たちのシートに戻って、さてまさやんはもう始まっているね、とそろそろと陸奥ステージに向かう。後方で、3、4曲ぐらい聴けたかな~。アコギとボンゴだけなんだけど、まーこれがほんとにアコギとボンゴだけですかい!?みたいな音の厚さ。やっぱ弾き語りってこういうのを弾き語りっていうんだよね・・・(笑)途中で登場したブルースハープもかっこいい!!民生のひと股をどこか彷彿とさせるステージングでしたけど、やっぱり実力のある人は何やっても見せるなあと。最後の曲です、という言葉に観客が「ええええ」と返したら「この後もいっぱいつまってんの!」「もうバックヤードは大変なことになってますよ」「これからバーベキューせなあかんねん」と和ます和ます。最後は「みちのくひとり旅」を一節歌って締め。把握してるよなあ客を!

吉井和哉陸奥

昨日の同じ時間帯がちょうどエレカシで、その時も西日がまぶすぃぜ攻撃に遭ってしまったのだが、今日も今日とて西日がまぶしい。でも晴れてよかったー!吉井ちゃんホントにすっかり晴れ男ーー!頼もしいかぎりでやんす。なんかねぇ、これはあとで聞いた話なんだけど、ちょうどその時虹が出ていたらしいんだよ。確かに、さっきのRIZEのときに雨が降って、でも太陽は出てたから、はっ!と思って、これはRIJFのときの吉井ちゃんの再現ではないの、と、雨+太陽=虹!みたいな!と思ったけど吉井登場を待っている間そんなことはすっかり忘れてました。ダメ子ちゃん。

登場したとき、エマが黒!っていうのはわかったのだが、吉井が・・・え・・・何?みたいな(笑)近くに来てくれてうわおあんさんパーカーやないですかいと、思わずRIJF2000のときと同じヤツかと思ってしまったやないかいと思いましたが物販で売ってたのと同じだったよとあとで友達に教えてもらいました。ボトムはまさかのダメージジーンズ。いやでもこのジーンズ似合ってたんだよね・・・なんか、もう吉井はデニムというデニム全て似合わないみたいな思い込みが(勝手に)あっただけに、あー意外とこういうカジュアルなのもいけちゃうんですねみたいな新鮮な驚きがありました(笑)

セットリストの予想がまったくつかなかったんだけど、一発目にWEEKENDERでなかなかオーディエンスの食いつきもよかったのではないかなあ。ただこの時はちょっと声が出てないかな?みたいなとこもあった。まーでも楽しそうでしたけど吉井さん。1曲終わってMC。「やっと呼んでもらえました」(客半笑い)「もー出してくださいって頼んでも頼んでも断られて」(客再び半笑い)(そんなわけねーよ的な)「あらびき-!・・・がんびります」(こういうこと言わないと気が済まないのね)

じゃあここで今自分としてはまってるカバーを2曲聴いてください、1曲目はビートルズのカバーです、どん引きしちゃうかもしれないけど!と言って「YER BLUES」。あの、黒にリフィニッシュしたレスポールカスタムを吉井が持っていて、エマがES-355だったと思う。やー吉井のギターかっこよかったよ。あの黒のレスポールめちゃ似合う。吉井はどん引きしちゃうかも、みたいなこと言ってたけど、ぜんぜんそんなことなかったと思うなあ。

で、カバー2曲つったよな、何?と思ったらどーん!あの、これも繰り返し繰り返し聴いたあのイントロですよ!TVのシンガーktkrみたいな。うわあ久しぶり、っていうかあれですね、私なんか勘違いして、吉井武道館で最近やったみたいな気がしてたけどそんなことなかったですね、っていうかあれだよHEEFESTのエマゲストの時に見たんだったそうだった。しかしそれにしても久しぶりとか何も思わない違和感のなさっぷり・・・だって「ギター!」で出てくるのがエマなんだもんね。つーかもう反射のように吉井の声に応えて上手を観てしまうっていう。エマが前に出て来て、お得意の頷きながら「はいはい俺の事好きなんでしょ」みたいな顔して弾き倒す姿、うわあもうここどこ今いつ(笑)

次の曲がBEAUTIFULで、いやまさにこのシュチュエーションにぴったりだろうっていうか、年末の武道館とはまた違ったすがすがしさがあったなあ。「公園の噴水」を「草原の噴水」と歌ってたのは、自分の目の前に広がる景色をおもって歌詞を変えたんだろうなと思います。続いてONE DAY、うーんこれは正直後ろから光景を見たかった!どんなだったんだろうなあ~、壮観だったろうなあ。この最後のフレーズの時吉井の声がちょっと裏返ったみたいな感じになって、でもそのまま上の旋律歌うみたいな感じでとっさにカバーしてました。この部分も含めて、声がガンガンに出てる!というような状態ではなかったんだけど、しかしご本人はとっても楽しそうで、そんであとで友達と言ってたのは「きっとバックヤードが楽しすぎたんだろう」みたいな(笑)バックホーンいるし民生いるしマリーズいるしチェルシーいるしアッくんいるし。いや完全に邪推ですけど(笑)

そろそろ爆発させる曲ちょうだいよ吉井ちゃん、という空気にきっちり応えて、聞こえてきたのがビルマニアのイントロ。例のバスドラが入る前の叫びは「アラバキーー!」はいありがとうはいかっこいい。ほんとこの曲の佳史さんのドラムのかっこよさたるや。正直ビルマニアはジョシュよりも佳史さんのほうが好きかもしれないとか思う俺だ。あの、ツアーの時にマイクスタンドを客に向けて歌わせてたやつ、RIJFではやらなかったけどこの日はそのまんまやってたし、回りも結構ちゃんと歌えてました。男の子も一生懸命歌っててさー、なんかいい光景だったな。

メンバー紹介も、ツアーのときとほとんどそのまんまって感じで、ただエマのときに「リードギター菊地英昭!fromブレインチャイルズ」って言って、エマがそれ聞いてあはは、と破顔一笑、みたいな感じで笑っててかわういかった。その後ご丁寧に「エマちゃーん!」エマも片手をあげてニコニコとご挨拶。そういえば1曲目終わりの時、吉井がエマの耳元でなんか囁いていて、その絵面にファンから歓声という一幕も(笑)

最後の曲が始まる前から、ああこれはバラ色がくるんじゃないかなという予感がしてて、吉井がありがとう、と言って知ってる人は一緒に歌ってください、と言ったときにそれは確信に変わった。最初にサビを2回繰り返し、オーディエンスのレスポンスを求めるバージョンで、そして観客の「バラ色の日々よ」という声にかぶせて吉井の「ビューティフォー!」

ソロでのライブで、最初にバンド曲として解禁されたのがこのバラ色で、だから何度も吉井のソロで聴いたような気がしていたし、実際解禁したときにはエマもいたわけだから、何がどうというわけでもないんだけど、こういう、フェスのような場所とワンマンで聴くのはまた違うというか・・・ワンマンで聴くときは、どうしてもどこかじっとりした、私を含めファンの情念、みたいなものが絡んでしまうけれど、吉井さん、イエモン、バラ色-!みたいな、からっとした歓迎の心で満たされた中で聴くバラ色も乙なものだなあなんて思ったり。でもって、みんなもう曲の最初から最後まで跳びっぱなしなの!バラ色のソロをエマで聴くのも久しぶりで、お馴染みのフレーズで、でもエマのギターも(ES-355に変えたこともあるかもだけど)心なしか優しくきこえて、それもしみじみしたなあ。

圧倒的ロックスター、ここに降臨、という風情ではなかったですけど、さらりと現れてさらりとかっこいいことをやってのけ、ちゃんとみんなにお土産を手渡してあげる、という意味ではもう満点のステージングだったんじゃないかなあと思います。とにかく吉井ちゃん楽しそうで、そういう顔をフェスで見られたってことも嬉しかったことのひとつかも。

吉井も無事終わってさあてここからどうすべか、どんなフェスでも最後になるにつれて各ステージのトリを飾るアーティストが続々登場するわけで、陸奥はこの次がスカパラ、しかし一番離れた磐越でpillowsも控えていて、スカパラを見た後pillowsに間に合う自信がまったくなく、うーんうーんと最後まで悩んだ(ほんとここが一番悩みました)挙句、ここは磐越で!ということで陸奥を背に。途中でポカリ的な飲み物が欲しくて探したんだけど売っておらず、うーんと引き換えそうとしたら荒吐からなんか聞き覚えのある声が。つか、泉谷さんじゃーん!ちょっと立ち止まって聴いていたら、ちょうど次の曲に移るところで、それがなんと「春夏秋冬」!こりゃ聴いていかなきゃでしょ!ということで荒吐後方の林の中で泉谷さんの「春夏秋冬」を堪能。「今日で全てが終わるさ 今日で全てが変わる 今日で全てが報われる 今日で全てが始まるさ」というリフレインを、すごくすごく丁寧に何度も歌っていて、めちゃめちゃ遠いところから見てたのにじーんとしてしまったよ。

the pillows@磐越

だんだんと夕暮れに近づく中、再び磐越ステージへ。途中の花笠があふれんばかりの人になっていてすごかった。磐越ステージはステージに向かって傾斜がついているので、後方でもステージが確認しやすくて好きだったなー。それほど前方に突っ込むつもりもなく、広島焼きを食べながら後ろの丘で開演を待つ。

1曲目からいきなりLITTLE BUSTERSできゃー!とテンションのあがる私。武道館で聴いたリトバスの楽しさが忘れられん。最初からMAXだよこりゃ。遠いから表情とか見えるわけじゃないけど、でもスペースがあって悠々と踊れるし、あーなんかこういうのがフェスって感じ!みたいな。YOUR ORDERも大好き、嗜好は自由で深く、ルールはない。かっけええええ!

さわおさんも、途中のMCでも言ってたけど、すごくご機嫌さんだったような感じだったなあ。「昨日からARABAKIを満喫しまくってる!」と仰ってました。OKAMOTO’s見て~、Birthday見て~、今日はテナー見てピーズ見て、とほんとに精力的に動き回ってらっしゃったご様子(笑)フェスによってはルールがあって2年連続出してもらえなかったりするとこもあるけど、ARABAKIはもっといい意味でバカ!好きだから出す!それだけ!だから俺たち毎年出てるんだ!最高だよARABAKI!と仰ってました。そのあと、「これどのフェスに出ても言おう(笑)」ってうそぶいてらっしゃったけど、やーそういうリップ言う人じゃないもんね。ほんとにそう思ってたんだと思うし、ファニバニの合唱もちゃんと託してくれてさ~、嬉しかった。

ちょうど日が沈んで、夜と昼の狭間のような時間、さわおさんがピッタリな曲、といって始めたスケアクロウは素晴らしかったなあ。「暮れゆく空 からかう風」「瞬く星 見知らぬ闇」って、多分みんな思わず空を見上げたんじゃないかと思う。あの見上げた空の何ともいえない色も忘れられない。

最後はとびきりの名曲ハイブリッドレインボウ。何回聴いてもpeeちゃんの間奏のギターが好きすぎて、見てた位置からpeeちゃんの姿が確認できたわけでもないんだけど、もうすっかり脳内で再生完了ですがなにか的な。

磐越のラストがpillowsだったので、アンコールあるのはわかってたんだけど、早く出ないと清志郎さんのセッションに間に合わないかもーと思いアンコールを背に磐越をあとに。ちなみにアンコールはNO SUBSTANCEでした。めちゃ盛り上がってた!陸奥に向かす道すがら、鰰でやっているモンパチの音が聞こえてきて、それを目指してダッシュで駆けていく子や、さらに向こうの荒吐でのバックホーンを目指していく子達に追い抜かされながら、ああ、なんかいいなーなんてしみじみしたりしたよ。おばあかねこれは。

・THE GREAT PEACE 10 SONGS "RESPECT FOR 忌野清志郎"@陸奥

シートを片付け、リュックを持って陸奥の後方に。当たり前だけどあふれんばかりの人で、前方で見るつもりは毛頭なし。贅沢なアーティスト達の音だけでも聞こえれば、みたいなつもりで見てました。かなり後方に下がってたので、逆にちょっとモニタが見えた部分もあったけど、基本的には音に集中していた感じです。

印象に残ったのは、まずバイン田中さんと佐藤タイジさんの「よそ者」。田中さんすごく緊張しているぽくて、そういうコメントもしてたけど、歌い出してそのいつもの田中さんとまったく違う佇まいにちょっとビックリしたほど、入り込んで歌ってらっしゃったなあ。2人のギターの掛け合いがまたハンパなくかっこいい!曽我部さんとEGO-WRAPPIN’よっちゃんの「エンジェル」もよかった!声が!2人とも!めちゃ合ってる!!つか曽我部さんの声セクシーだああああ!

BEGINは「ぼくの好きな先生」で、客を乗せるのがすごーくうまい!沖縄でやっているイベントが、まだ全然知られてないころに、ホントに自転車にのってやってきて出てくれた、清志郎さんが出てくれたことで、その後に続いてくれるひともいて、ほんとうに有り難かったという話をされてました。

泉谷さんはデリコの2人と浜崎貴司さんと一緒に「い・け・な・いルージュマジック」。もう泉谷さん、ステージから飛び降りるわ客席にダイブしようとするわ好き放題(笑)最後はデリコの2人に抱えられて去っていって、「また後で出てくるからな!」みたいな(笑)YO-KING、民生、モンパチ上江洲さんの3人で「デイドリーム・ビリーバー」。上江洲さんちょっと緊張してたかな~。先輩お二人はリラックスしつつ、という感じだったけど、でもハモリの美しさはさすがだったなあ。

最後はCHABOさんだろう、と思っていたので、あれでも今8曲、じゃあCHABOさんが2曲?と思ったら民生がひとりで残って、「あのー僕今日これだけなんで、もう1曲歌わせてください」といつものちょっと軽い口調で言ってた。で、あのイントロ。

思わず「ずるいよ・・・」って言っちゃったね。民生のスローバラード、年末のRADIO CRAZYの時にも聴いていて、その時もトータスや浜崎さんやYO-KINGや岸田さんや、そういう錚々たる面々をおいても圧巻の一語だったけど、この日のこの場所で、皆が清志郎さんのことを心に浮かべながら聴くこの場所で、清志郎さんも大好きだったフェスで聴く、バンドで演奏される奥田民生のスローバラードは、とにかく圧倒的としかいいようがなかった。たった1曲だけれど、もしこのフェスのベストアクトを選べと言われたら、民生を選ばざるを得ない。それぐらい彼は圧倒的だった。何も直接的には言葉にせず、ただ現れて、ただ歌っただけだが、その歌にこそ、民生の思いの全部はこめられている、それは俺の歌によって伝わるはずだ、という思いが、痛いほど胸にささった。素晴らしかった。比喩でなく、誰もがその場に打たれたように立ち尽くしていた。

その後に満を持して登場したCHABOさんは、今日虹が出たこと知ってる?と問いかけ、俺は普段そういうものを信じないけれど、多分清志郎が遊びに来てたんじゃないかと思う、彼はこういうフェスがすごくすきで、この場所もすごく好きだったから、ここでやれることが嬉しいです、と言って、たくさん曲をセッションして作ったけど、最後の合作になった曲をやりますと言った。毎日がブランニューデイ。君がいつもそばにいるから、毎日が新しい。なんてかわいらしくて、いい歌なんだろう。それを歌うCHABOさんも最高にキュートだ。

最後の雨上がりの夜空にの大セッションは、ステージを後にしながら背中で聞いた。吉井くんも出て来たということはあとで知った。でもどっちにしろステージが見える位置にいなかったからなあ、と思い、でもセッションの参加者ではないのに、ステージにあがることができたなんて吉井ちゃんすごいなって思って、きっと嬉しかったろうなあと思うとそれだけでなんだかほっこりしました。

二日間歩き通し、立ちっぱなし、さすがにホテルに辿り着いたときにはもう、足が死亡遊戯!って感じでしたマジで。いや頑張った、俺たち頑張ったよ。こういうことはね、もういつまでもできるわけじゃないんだから今のうちに・・・って私去年のRIJFの時にもそんなこと言ってた気がしますがそれは気にしないテイでおながい。フェス全体の感想もまとめようと思っていたんですがもう今宵はこれまでにいたしとうござりまするー!というわけで(いやもう充分長すぎるわ)とりあえずARABAKI ROCK FES.のレポ、のようなものでした。最後まで読んで下さった方サンクス!!!