JAPAN JAM 2010 5/16 レポート

行ってきました、日の本の国、富士の山のその麓まで。みなさんすでにお気づきかと思いますが私はたいへん自分に甘いので、出発地にもっとも近いツアーバスである静岡をチョイスいたしまして、なので出発も8時半っていう・・・あれ、これ前泊する必要なかったんじゃみたいな・・・(だって募集のときには朝7時集合って書いてあったんだもん・笑)しかしバス乗り場の目の前のホテルで、会場では多分ろくに飯も食えないだろう!ということで朝ご飯もがっつりいただきましたし、ゆっくり寝たし、どこまで自分を甘やかしとるんじゃ!っていうね。

会場に着いたのは予定の10時ちょい過ぎぐらいかな。ipodをシャッフルにして聴いてたんだけどなかなか空気を読んだ選曲でよーしよしと勝手に漲ったり、そうかと思えばどうでもいい妄想で緊張してみたりと退屈しませんでした(笑)富士川SAのあたりで富士山がきれいに見えたんですが、これは午後は雲で隠れるかなーとも思った。いちおう3年間静岡に住んでましたんで、5月に富士山が日中綺麗に見えるなんてよほど好条件重ならないと無理だよっつー(笑)

ゲート入って、twitterで先着してる皆様が「サーキットをバスが走ってる!」って書いてたんだけど、ホントにまさにあのメインスタンドの真ん前をバスが通るのだよ!ひえー!これF1好きとかたまらんのじゃないか・・・だって絶対素人が走れない場所じゃないですか。シャトルバス降り場から会場まではそれほど遠くなかったんだけど、ここでモビリタとリベルタの距離を目で見て思った「5分は無理」。しかしこれもtwitter情報で「終演時間が30分延びてる」とあったのでインターバルを長めに調整してくれたのかなと。結果的にはおかげでほんと助かりました。5分だったら絶対無理だった!(いろんなことが!)

とりあえず最初はサンボ@モビリタってことでモビリタにシートを敷こう・・・と思ってたんですが、会場内に設置してあるタイムテーブルを見て、私はとんでもない思い違いをしていたことに気がつきましたのです。あのー、エリアマップ見てもらってもわかるけどリベルタとモビリタだと全体のサイズはモビリタの方がでかいんですよ。ステージそのもののサイズは変わらないんだけど、モビリタは後ろがながいわけ。だから、私は吉井がトリ=大きい方のステージ、って思い込んでいたのす!だからモビリタにシートを敷いてそこを基地にしてうろうろして、最後吉井を見たら荷物をそのまま持っていけばいいやって思ってたの!でもよく考えて、二つのステージを8つのアクトが交互にやってごらんなさいよ、モビ→リベ→って繰り返したらどうやったって最後はリベルタにきまっとるじゃないか!!どんだけアホだおまい!!あろうことか最初そのタイムテーブル見て「あれ、印刷ミス?」とまで思ったからね。ミスじゃNEEE!むしろMISSなのはYOUの頭!

まあ別に荷物と言ってもリュックひとつだからそんな、リベルタにリュック置く場所もないとかないよね・・・いやそんなまさか・・・えー今から先にリベルタ行った方がいいのかな。でもそうしたらサンボ間に合わないっていうか渋谷さんの朝礼間に合わないかも(そこか)・・・といろいろ考えあぐねた挙げ句最終的にはもういいやどうだって、となんの解決策も見いださないままとりあえずシートは畳んでスペースのあるところでサンボマスターの開演を待つ。

その前に!恒例、渋谷社長の朝礼。RIJFに何回か行ってるけど初めてちゃんと聞いたわ・・・すいませんいつもギリ行動で・・・晴れてよかったといいながらなぜか突然吉井の名前を出す社長。「究極の雨男吉井和哉vs究極の晴れ男渋谷陽一の対決とも言われてます」「何しろ相手は過去第1回フジロックフェスと第1回のRIJFで土砂降りの雨を降らせた男です」なんという傷口に塩ww「しかし私も9年間RIJFに雨を降らせていない」「近年の対決では昨年のRIJF、快晴で私の圧勝かと思われましたが吉井が登場するやいなや一天俄に掻き曇り」あー・・・それは・・・否定しないww「しかし最後には虹まで出したという!」おおお、と盛り上がる客。やさしいね、やさしさライセンスだね「しかしもちろん吉井くんも雨が降って欲しいと思ってる訳ではもちろんなくて、今朝は『最高のお天気。晴れると良いですね』ってメールくれました♪」ってなんだ結局メール自慢かYO!

今回、交代制のスケジュールを組んでいるので頑張れば全部見られる、だけど昨日インターバルが短くて間に合わないという声があったので今日は10分にインターバルを延ばしました!「なんか思ったよりこのフェス参加者の平均年齢が高いみたいです!」「なのでタイムテーブルをシルバーシフトしました(笑)」それを聞いた観客全員の心のツッコミ「お前が言うな」(笑)

アーティストも皆とても気合いが入ってます。この日のためにたくさんの時間を割いてやってきてくれます、でもそれを盛り上げてフェスを成功に導くのは皆さんたちです!そしてサンボマスターをコール!いよいよスタート!

サンボマスター ゲスト:ゴダイゴ

出囃子のMONKEY MAGICにのって登場。いきなりボーカル山口さんがさっきの渋谷さんの挨拶に噛みつく噛みつく(笑)ロックに年齢なんて関係ねーんだよ、60だって70だっていいんだよ、だいたいあの人もう還暦じゃねーか(そうだそうだ・笑)、といういつもの畳みかけるように言葉を重ねてそのまま曲タイトルになだれ込む。「歌声よおこれ」。サンボのライブ見たの、多分06年のフェス以来だけどその時より今日の方が断然よかったなあ。煽り方もすごくうまいしほんとトップバッターとして最高のオープニングにしてくれたんじゃないでしょうか。とりわけ、きわめてシリアスな語りかけから始まった「ラブソング」は、「愛し合ってるかい」という言葉もあってじっと聞き入ってしまった。

そのぬくもりに用がある」の途中でJAPAN JAMこんなもんじゃないでしょお!こんなもんじゃあの人達呼べないでしょお!と煽られて「ゴダイゴ!」コール。うひゃー、まさか自分がゴダイゴコールやってるとか人生何が起こるかわかりません。曲を途切らずにお三方がそのまま登場し、なんと途中からタケカワさんが「そのぬくもりに用がある」のボーカルをとって沸きに沸く観客!終わった後、山口さんが「いやーこれうまくいきましたね!」って言ってて笑った。やってるほうもドキドキものだったりするんだろうなあ。MONKEY MAGICはちゃんと銅鑼までありで、ドラムの木内さんが銅鑼を叩いた後ドラムセットまで走っていっていた(笑)俺たちは君たちの美しい名前が知りたい、美しい名前が知りたいの、という山口さんの語り、ふと振り返ってタケカワさんに「美しい名前と言えばぴったりな曲が・・・」タケカワさん笑いながら「ビューティフル・ネーム?」名曲ktkr。ほんとに、山口さんも終わった後「泣きそう」って言ってたけど、ステージにいる6人がめっちゃ楽しそうでした。最後は「僭越ながら僕たちの曲でしめさせていただいていいですか」もちろん曲は「世界はそれを愛と呼ぶんだぜ」!!

曲を聴きながら次のバインへの移動のために後ろにさがると、音がこだましてなんかすごい事になってた。多重放送みたいな。さっきすごく人が並んでたスタンプのところががらっがらだったので、移動がてら左からだーっと全部一気に押したりました。わーい♪

最初見たときは「遠っ!」と思ったモビリタ→リベルタの距離ですが、歩いてみるとそうでもない。でも、5分は無理(笑)着いたらバインはまだ始まってませんでした。今のうちに!とトイレを慌ただしくすませて、お茶を購入。しかし、リベルタにもう人がいっぱいだったらどうしよう・・・とか思ってたけどまったくの杞憂であり、ガラガラでした。シートもふつーに敷けて基地確保。これほんと、運営側からすれば頭の痛い問題かもしれないけど、今回のこのJAPAN JAMがここまで快適だった理由のひとつは人が少ないってことだと思うよ実際。

GRAPEVINE ゲスト:長田進

曲名が一致しないので具体的にあの曲!って言えないのがもどかしいんですけど、田中さんのいっぱつめの挨拶「昼間っから濃いやつやるけど」に集約される、濃い~~~~いステージでした。いやもう顰蹙承知で言いますが田中さんの白シャツ!白シャツが!もうどこを取っても私にとって完璧の着こなしだったのであり神様ありがとう、私に(田中さんの)白シャツをくれて、と歌まで歌いかねないシマツ。最初は袖をとめてらしたんですけど、最初に左を、次に右をはずされてゆるくたくしあげる感じとかえーもう正直私の脳内妄想を読まれたかと思いました霊峰富士に。ありがとう富士山。出のときのぱりっとした感じがだんだん爛れていく感じとかさ・・・萌えるよね・・・(その辺でやめときなさい)その完璧の着こなしの白シャツで繰り広げられる長田さんとの超絶ギターセッション・・・ぽわわわ。また田中さんがときどきちょっと口の端をあげるわっるい笑い方するんですわ!正直御馳走様っすわ!

でもってあの、RO69のクイックレポートの最初の写真あるじゃないですか、あれ、ベースの金戸さんが黒のシャツでしょ?この2人が向かい合って煽り合って、しかも音の洪水がどしゃめしゃと降ってくる、なにこの目にも耳にも美味しい風景は的な。

しかしバインはほんと、夏のRIJFのときも思ったけど、なんつーか一切の媚びがないのな。それはほんと清々しいまでにそう思うし、でもってそれが「お高くとまってる」感じにならないのがすごい。いやこの音を聞かされたら参りましたつーしかないっしょっていう。

これも最後のFLYを聞きながら会場を出る。次の開演時間は決まっているので、全部聞いても間に合ったかもしれないんだが、とにかくここらあたりで何か食わないと!ということで通りすがりに(またか)フードエリアで焼きそばを買い、そのままモビリタまで歩いていってると、なんとちょうどソカバンが始まってしまった!ぎゃー!でも手には焼きそばが・・・!

曽我部恵一バンド ゲスト:有馬和樹、松本素生

というわけで、曽我部さんに「はじまるよー」と言われながらとにかく焼きそば食べないと!ということでモビリタの上手に設置されたベンチで焼きそばをものすごい勢いで完食。ああ、でも、キラキラ!で踊れなかった・・・ざむねん。

去年の夏フェスで見て、まさにそのあまりの「キラキラ」ぶりにすっかりうたれてしまったわけですが、最近はustで「曽我部恵一show」を見るのを結構楽しみにしてる私なのでありんす。

ライブを見るのはもちろんそれ以来なんだけど、なんつーのかなあ、単純に「楽しい!!」って感覚を一番味わったのはソカバンだったかもしんない。有馬さんゲストの「FESTIVAL EXPRESS」や、素生さんゲストの「グラフティー」(名曲!!)もめっちゃめちゃ楽しかったし、曽我部さんもMCで言っていたけど、ほんとうにいつも下北沢の小さなライブハウスでセッションしたり、レコード聞いてるうちに大のおっさん2人が添い寝しちゃったりっていうゲストとの緊密さがすごく伝わってきたし、「テレフォン・ラブ」では袖から有馬さんも素生さんも走り出してきちゃうし、一緒にt/e/l/e/p/h/o/n/e、リンリンテレフォンラブ♪って煽っちゃうし、またこの曽我部さんの「ハイ次テレフォンの綴り!」「英語でテレフォンの綴りだよ!」「難しいからちょっとがんばれ!」「わかんなかったら適当にリンリン言っとけ!」っていう合いの手がいちいちツボだしっていう。この「ハイ次は女子だけで!」とか「次は男子がんばれ!」とか言われて、(渋谷さん曰く年齢層の若干高い)みんなが一生懸命テレフォンの綴りをコールしているこの姿が美しくなくてなにが美しいのかって思いますよほんとに。

大好きな「永い夜」「青春狂走曲」も聞けて大満足、そろそろYO-KINGに移動しなきゃかな・・・と思っていると始まったのが「魔法のバスに乗って」。ところが歌い出してすぐに曽我部さんが「ごめんごめん!」とストップ(歌詞を間違えたのかな?)。えー!(笑)なんか曽我部さんちょっとテレてたなあ~。それで、「素生くんも一緒にやんない?」と言いだし、「そういうの全然ありでしょ?」ありですありです、むしろそれが趣旨では!みたいな。ということで素生さんも急遽参加しての「魔法のバスに乗って」。コレ聞いたら移動しよう、と思ってうしろにいたんだけど、終わった後もまだ続く様子がありあり。うわーんと思ったけどYO-KINGも気になるしー!ってことで離脱。あのあと2曲あったのね・・・。計13曲!すごい!

YO-KING ゲスト:サンボマスターDUKEアイプチ、ハマ・オカモト金澤ダイスケ

リベルタでシートにいらした吉井ファンのお友達に声をかけていただいて、後方からまったり。ひとりですたすたと登場したYO-KING、おもむろに「まず僕の声をお楽しみください」。それで歌い出したのが童謡の「さっちゃん」。ちょwwなんてフリーダムなんスかこのひとwwそのあとはアコギとブルースハープで2曲。あっもしかしてだんだん楽器が増えていくとかいうことなんかな?と思ってると4曲目で「バンドのみなさん出ておいで~」。

YO-KINGがベースのハマ・オカモトさんを「ひとりぴんから兄弟」(うまい!クイックレポの写真見て!)、金澤さんを「アシンメトリー」(髪型がアシンメトリーだから・笑)と名付けていて、さらにぴんから兄弟もよく見るとアシンメトリーなんだよ!って嬉しそうに仰ってました(笑)で、「アシンメトリーに挟まれながらがんばりたいと思います」いやしかしベースの子はほんと19歳とか・・・どんな落ち着きだよ・・・ぜんぜん10代に見えません、佇まいもプレイも。

heyみんな元気かい聞けて嬉しかったな-。大阪の年末のフェスのとき、pillowsとかぶって見られなかったんだけど、ステージでさわおさんが「今heyみんな元気かいやってたよ」って教えてくれたっていう(笑)あと「遠い匂い」の金澤さんのキーボードがすっごいハマってて、なんか曲の佇まいが違って聞こえた!

さてここからセッションですよ!ってもうそんな時間ないですけど!と思っていたら、シルエットでバレバレだったサンボマスターが登場!YO-KING MASTER CABIN ATTENDENTです!キャビンアテント・・・ってアテントってなんだよ!おむつだよ!ってこの人の自由さを誰か止めてえええ(嘘)ね!頭文字を取ったら何になるかわかるよね!といって始まる曲はもちろん「ヤングマン」!爆笑。サビでオーディエンスが一斉に「YMCA」のアクションをするさまは壮観そのものだった!サンボの山口さんも歌の途中なのにおもわず「すげえ」。途中の「Y!M!C!A!」を一文字づつやらせるところで、YO-KINGが「あまりに観客がノってくれないので」拗ねる、という演出があったのだが、ノッてくれないも何もノリノリだっつーの(笑)でも山口さんの「早稲田出身の先輩が悲しんでるぞこのやろう!」とか「嫁さん大好き」とかいう余計な茶々が面白かったです(笑)曲が終わった後に「あの演出いらなかった!」「みんな最初から最高だったぜえ!」と言ってました。続いて真心の「空にまいあがれ」がきてわー、そういえばRIJFのときこの曲でほんとに空が晴れたなあ!とか思いだしたり。最後はYO-KINGと山口さんがふたりでステージに残って「なんか漫才師みたい」と冗談を言いながら、GREAT ADVENTURE FAMILYをアカペラで聞かせてくれてました。

エレファントカシマシ ゲスト:Chara金原千恵子、笠原あやの

YO-KINGのラストを聞きながら出たんだけど、それでもモビリタに到着と同時にエレカシスタートでした。ギリギリだああ。しかも聞こえてくるのがまさかの「俺の道」!ええええ!しかも次が「達者であれよ」って、えっここホントにフェス会場ですかみたいな。最初はジャケット着てたけど、2曲目で脱いでしかもインだったシャツを「そない乱暴にせんでも」みたいな感じでアウトにしてた(笑)成ちゃんの帽子を早くも奪ってて、しかもそれを返さずに石くんの頭に載せるという所業!しばらく石くんがかぶってました。悲しみの果てでの歓声はお馴染みだけど、「一番新しい曲を」って宮本が言ったときの観客の反応が思った以上に大きくて、お、新曲結構浸透してるのかなーって嬉しかったり。

ここから緊張の(いや出演者もそうだろうがエレカシの場合こっちも緊張する)セッションタイム。金原さんたちストリングスチームとは武道館でやっているので幾分安心感はあったんですが、宮本は思った以上にテンパっていた!なんかMCでも途中ほんととっちらかって何言ってるかよくわかんなくなってたら、本人が「言ってることわかります?」って(笑)とかなんとか言いながらも、リッスンはびしっと決めてくれて満足。この山の中で聞く弦の音っていうのは新鮮だったなあ。でも風でね、やっぱり音が流れるし、弦楽器みたいな繊細な音だとよけい顕著で、あー金原さんのバイオリンもっとかっくいいのに!と思ったりも。

で、とうとう次がゲストボーカルのchara!ああ、女人禁制とまで言われたエレカシのステージにcharaが!なんかすごいものを見ている気分!と思ったのだが、なによりすごいものを見た!と思ったのは

宮本が

ステージの上で

他人に気を遣っている

ってええこれどうだ!すごい、もう、なんだ、一生懸命ゲストをもてなそうとしている姿に私はもう首がかゆくなりました(宮本がかわいすぎて)。charaが「晴れてよかったね」と言ったら「それはcharaが出て来たからですよ!」ってこんな言葉が宮本の口から(泡)よく受けてくれました、って宮本がcharaに言ってて、ああ、それはホントそう・・・と(笑)でもって1曲目が「Swallowtail Butterfly ~あいのうた」っすよ、っていやそれは想像ついたけど、宮本がなんとcharaと同じキーで歌ってたの!すごい!

charaはすごくね、かっこいいんですよ、リーダーシップを発揮してくれててね、とリハでのエピソードを披露する宮本。次の曲のドラムの音をね、トミに「そこはね、雨の音だから!」ってぴしっと言ってて、ね・・・参考になりました、って(笑)ちっくしょーかわいいな←病気 で次の歌はcharaのエレガンスっていう新しいアルバムに入ってる曲と、ぼくらの「それを愛と呼ぶとしよう」という曲を合体させてね、女の子と男の子の気持ちの掛け合いみたいになってますので、charaの歌詞にも要注目です、って思わず我が耳を疑いましたが、それ愛つった今!?みたいな。これライブでやるの初めてじゃないですか宮本さん!しかも曲を編曲させてだと!

長いし、耳慣れない曲だけどすごくいい曲なんで、と宮本は言っていたけど、それ以上に緊張して(私が)、でもってほんっとこれは今までになかったエレカシだわ・・・としばし茫然と見守っておりました。ふたりの歌のピッチが常に完璧に合う、っていうわけじゃなくて探りながらだったところもスリリングだった一因だと思う。charaが歌詞にかけて「宮本さんも愛の角、お持ち?」って言ったときのあの宮本の反応、はーもう!はーもう!御馳走様でした!絵に描いたような含羞御馳走様でした!

終わった後、「本番がいちばんうまくいってよかった」と宮本は言ってました。

次の曲、蔦谷さんの鍵盤から始まって、一瞬なんだろう、と思ったら「風に吹かれて」。わかりやすい歌だし安心して見られた。宮本の歌詞って男くさいといわれがちだけど、こうして女性が歌っても違和感のない曲もあるよな・・・と本当に風に吹かれながら聞き入りました。

ゲストがはけて「俺たちの明日」。これが出るということはもう終盤かなと思った私が甘うございました。さらに間髪入れずに「今宵の月のように」。悲しみ今宵風に吹かれて、って大サービスだな今日・・・と思っていたら再びストリングスチーム召還!それで「笑顔の未来へ」。クイックレポのセットリスト見てもらえると一目瞭然なんですけど、ストリングスチームは1曲ごとに出て捌けて、ってのを繰り返してるんですよ。次がFLYERでこれはストリングスなし。

えーこれで終わりなのかな(でも時間はもう十分経ってた)と思ったら再びcharaを呼んで、「charaはいやがったんだけど、すごく男くさい曲なんで、でも一緒にやりたいって無理にお願いしてやってもらうことになりました、でも(charaが)すごい声で歌うんですよ!」といってコール&レスポンス。久しぶりに聞いた!確かに男くさいかもしれないけど、でもcharaのシャウトかっくいかったです。宮本の「ご承知のこととは思いますが」のとこもめっちゃかっこよかった。

charaも出て来たしさすがに最後か、つーかZAZENもう始まってるよー!と思い後ろに下がり始めたのだが、これで終わる宮本じゃなかった。最後はね、やはりこの場所だけに「待つ男」。ああ、そうかなとは思ったんだよ!「富士に太陽ちゃんとある!」

計14曲。二日間通じて、最長じゃないでしょうか。ほんっと、この日の宮本、この日のエレカシは今まで見たことないエレカシだった!と同時にね、やっぱエレカシエレカシだなとも思いました。だってね、セッティングのこととか考えたら笑顔の未来へでストリングスにもう一度出てもらう(しかもコール&レスポンスでも出てもらう)とか、charaゲストだしやっぱり最後はゲストとどかーん!みたいになるじゃないですか。ステージの上で宮本はそれはそれはもう、こんなデレた宮本初めて見たわい!みたいなかわゆさ爆発でしたが、でも最後を「待つ男」で締めるという自分の美学は動かさない。

宮本は途中でね、「生きててよかった」つってたよ。「自分が一番楽しかったかもしれない」とも。こういうこと、ホントはずっとやりたいって思ってたのかなあ。それがここで実現したんだとしたらほんっと宮本よかったね!って思います。

ZAZEN BOYS ゲスト:山下洋輔 坂田明

エレカシが押しに押したので頭の2曲を見逃しました。痛恨。しかしまあ、しょうがない。ZAZEN見るのは初めて、っていうか向井さんを見るのが初めてです。Asobiはライブの映像でみたことがあって、聞いたことある、と思ったものの、しかし曲の展開まで覚えているわけでもなく。うーんしかし、向井さん実際見ると色気がビシバシくるひとだなあ。

後半、ついに御大2人の登場!なんつーか、一瞬ステージ全体に緊張感が漲ったよ。とくに何か挨拶をするわけでもなく、おもむろにセッションに入る。

いやもう、お前、このすごさがわかってないだろと言われれば、正直わかってないと思う。でもわかってないのに目が離せない。よくさ、音が分解されるとかいう比喩表現あるじゃないですか。それを目の当たりにした感じ。あっ、あれって比喩じゃなくて直喩なんだ、みたいな。あまりのことに口まで持って行っていたチャイが曲が終わるまでそのままだったよ。

「往年の山下洋輔バンドに思いを馳せて、今日のためにつくりました」という「Nakameguro」。今日のために、ってすごいな、ZAZENがこのセッションにかける意気込みが否が応にも伝わってくる。向井さんの言葉の選び方がまた独特。詩人みたいだ。個人的には(クイックレポの曲名によれば)次のCOLD BEATがもっとも興奮した。中盤のストップ・ゴーの緊張感たるや!多分誰もが言うことだろうと思うけど、「JAM SESSION」というこのフェスのテーマをもっとも体現してたのはZAZENだっただろうと思います。二度と見れない、確かに。それは「このメンバーが揃うことが二度と見れない」んじゃない、同じ曲は決して、二度とあり得ない、現れ得ない、というセッションというものそのものだったから。

長い時間では決してなかったけど、もんのすごい密度の濃いものを見た!という感じ。なんという振り幅の大きいフェスなのか!

奥田民生 ゲスト:東京スカパラダイスオーケストラ

これも開始ジャストで到着。うへえ。さすがに疲労を感じるものの、ここまでくればあとは本命2つなのだから頑張れ俺!と自分で自分に声援。ステージにはひと股仕様の椅子が置かれており、いつものようにラフなカッコの奥田民生さん、気楽な感じでご登場。さむ~い、みたいなジェスチャーをされてましたけど、正直今リベルタから駆けつけた私は暑いです!(笑)いつものアコギを手にして、ステージから右前方を指して「どうせだったらあっちでやりたかったよねえ」。あっち、というのはFSWのまさにメインスタンドのことですね。車好きの民生ならさもあらん。「ここ(モビリタ)ってさ・・・まだ正確には富士スピードウェイじゃないんじゃないの(笑)」ほんとにいろんなこと言うひとだなあ(笑)

まずは僕がひとりで、前座的な感じで・・・と言ってましたが、前座て(笑)ひと股ではまず「荒野を行く」、続いて「久しぶりにやるな~」と「野ばら」。きゃああああ!うれしい!野ばら大好き!!しかもその次が「コーヒー」とか!ちょっと!民生ありがとう!!コーヒーの歌詞大好きなんだよな・・・「もう30だからということで」は「40」に変えて歌ってたと思います。(クイックレポを見ると45だったようです!)(正直!)

ひと股3曲が終わった後、じゃあそろそろ人増やしましょうか、とスカパラから4人が参加。「ホーンズだと思っただろう~」と嬉しげな民生。ここでスカ・バージョンの「イージュー★ライダー」!うっひー、確かにこれ普段のイージューと全然感覚違うわ!おもろい!しかし、民生のソロのバンド形式ってなんかすげー久しぶりな気がすんだけど、これが久しぶりってのもすごい、だって今までずっとこれ見てたのに!人生って不思議!

よーしじゃあこれもYO-KINGと同じでだんだん楽器が増えてくパターンですね!心得た!と思ったら、イージュー終わりであっさり去っていく民生。あ、じゃあスカパラの演奏・・・と思ったら4人もはけてく。なんで!?観客思わず「えー!」そりゃ言うよ。言わせてくださいよ。思わず起こった手拍子(だってまだアンコールじゃないやん)に応えて出て来てくれたのがスカパラフルメンバー!モニターに映った谷中さんのあまりといえばあまりの兄貴っぷりに思わず「谷中兄さん・・・!」と呼んでしまいそうになった、ら、隣の人が「兄貴すぎる・・・!」と言っていたので思わず笑ってしまった。

谷中さん、「僕ら今日、ゲストですから!人数多いけど、ゲストですから!」と「ゲスト」を強調し、じゃあここでスカパラでしばし寒さを吹っ飛ばしてください!とスカパラオンステージ!ぎゃーなにこれ一粒で何度美味しいの。だってこのあとセッションで民生出てくるんでしょ、ということは3回も味が変わるってことですかおいおい、と興奮する間もなく、この時間に俺たちが出て観客を踊らせないわけない、というスカパラ怒濤の畳みかけ。あの、暑い!暑いよ!ウィンドブレーカーすら要らないよコレ!

そこにもってきて聞こえてくるあのイントロ!!!きえええええ(もう奇声)(心の中で)や、このイントロ始まって民生がおもむろに袖から出てくるっていうやつがもう憧れで憧れで何度動画を見たことかっていう。で、このインターバルがあったってことはアレじゃない、お着替えじゃない、民生スーツじゃない!思わず「スーツかな・・・!」と口に出して言ったらさっきの隣の人が「スーツですよね・・・!」つって思わず顔見合わせて笑ったり。そして案の定民生がスーツでご登場、思わず2人で固い握手、みたいな(笑)通じ合ってたね、私たちあのとき(笑)

曲はもちろん「美しく燃える森」。名曲、しかもこの暮れていく森の中というシュチュエーションにドンズバ、なんか幸せすぎて泣けてきた。民生がマイクスタンドからマイクをとって、最初スタンドを持ってたんだけど、それをぱっと離してさあ、ああ、なんか仕草がいちいちツボる・・・!でも、曲が終わって民生が「・・・なんで俺だけちょっと古いスーツなのよお!」先生ちゃんご不満です!谷中さんめっちゃ嬉しそうに「僕ら新調しましたから!」民生「なんでよ!(笑)だって、ゲストなのに新調って!だって・・・色的には上着だけ替えりゃよかったって話じゃん、俺だって~」なおも言い募ろうとしつつ「ま、この話は楽屋で(笑)」あーたしかにな-、グレイのスーツもお似合いだったけど、スカパラがお召しになってた黒の方も見たかったかも・・・!

次は谷中さんから「スカの名曲を、民生さんのギターをフューチャーして」とのご紹介。「インストで、歌はないけど、ギターに注目して!」とのこと。まったこれが・・・・スーツ姿で白のレスポール民生スペシャルを唸らせる姿のカッコイイことったら・・・さっきスーツのことでぼやいていた人と同一人物とは思えません(だが、そこがいい・笑)

続いて何かな、何かな、と思ったら!ら!ジャングルブギ!きた!!どうしよーーーもーーーこれほんと私何回つべの再生回数増やしたかわかりません!あーもうコレ歌ってる時の民生のセクシーさハンパない!そりゃあんたは女豹だよ!(違うけど!)まったこのときのホーンズの皆様の格好良さね・・・やべえこんなに好みのおっさんばっかり集中砲火のように浴びて立ってられるのか最後まで俺みたいな。最後のシャウトも最高!!

この時点でもう相当満足してて、でも流星とバラードはやるだろう、と、でじゃあこれが最後かな~とそろそろと後ろへ下がり始める。PAテント近くで見て、さあじゃあ吉井に行くか!と思ったら、最後じゃない、これが。しかしこれは、次はさすがに吉井なんだしもう行かないと間に合わないかもだし・・・(注:なぜそう思ったかっていうとですね、今となっては笑えるんですけどね、やっぱりこの日すごく吉井ファンが多かったんですよ、物販とかスタンプの列だけでなく、とにかくタオルやTシャツの着用率が高かったの。だからね、最悪「入場規制」がかかったらどうしようかなって・・・ま、あれだ、結論から言うと、規制かかるほど全体の観客数が多くなかったって話だ!)と逡巡していたら、始まったのがなんと「愛の讃歌」。

うわー。

と私が思ったのもむべなるかな(だと思いませんか皆さん)。これは、あれだ、と私はとても都合よく解釈した。民生が送り出してくれてるんだこれで。吉井に行ってこい!って言ってくれてるんだ!って。だから、そのスカバージョンの「愛の讃歌」を聞きながら、ちょっとづつ、ちょっとづつ後ろに下がって、でももうめちゃめちゃカッコイイんだよ、当たり前だけど。もう空いてるスペースに突進して踊りまくりたいぐらいカッコイイの。でもそこをぐっとこらえて、曲が終わった瞬間に踵を返してリベルタに向かった。だから、民生やスカパラの皆さんがハケるところは見てない。振り返るな振り返ると終わり、じゃないけど、とにかくもうあんな急いで「歩いた」ことないぜ!ってぐらいのスピードで歩きました。競歩だよあれじゃ。それで思ったけどね、リベルタ←モビリタの距離「5分」ってのは競歩選手のそれです。結論出ました。

吉井和哉 ゲスト:菅原卓郎、菊地英昭生形真一日向秀和松田晋二渡辺大知、澤竜次、フジファブリック

多分定時の19時ちょうどにリベルタの入り口についたぐらいだったんじゃないだろうか・・・もう、息が上がってっていうか暑い!汗だくなんだよ!なんでだよ!しかしまああれです、もう立錐の余地もないとかだったらどうしよう!って思ったけど、立錐どころかでしたね。最初はもうすっげ後ろでも聞ければいいやん的なあれだったんですが、フツーに結構見やすい位置まで行けました。なんだったんだあの競歩は。で、多分ラストだし、民生終わりの人も間に合うようにっていう配慮なのか、5分ほど押した。おかげでぜえぜえはあはあだった息がちょっと落ち着きました。

モニタにNEXT ARTISTの文字が出て、客が一層前に押し寄せたためスペースが空いて、あれ、いいのかなこんな近いのにこんなに快適で・・・みたいな感じになりつつ登場を待つ。で、多分多くの人がそう思ってたと思うんだけど、とっぱちはソロ曲だと誰もが思ってたわけですよ、と思うのよ。なのに!吉井が出て来てセンターに行かず下手のマイクへ、でもって出て来たのが9mm卓郎くんキターーーー!!いきなり!いきなりかい!曲はもちろん「TVのシンガー」!!うわーうわー卓郎くん黒スーツネクタイ帽子ってキメキメじゃないっすか、しかしそれもさりながら上手ではエマがもう最初っからエマ様節全開だし、でもって下手ではギタリスト吉井が!ギタリスト吉井が!大事なことなので2回言いました!それでTVのシンガーと言えばあの間奏前の「ギター!」じゃないですか、異論は認めない、卓郎くんどっち、どっちを指すの、または指さないの、とドキドキして見ていたら彼、どっちも指さなかった。指さないどころか、マイクスタンド持って、帽子斜めにかぶって、ニヤって笑って、

「ギター」

って囁きやがったよあいつー!どんだけ!どんだけ男前!新しい!新しいよこのパターン!

それでまたこのギターソロのエマ様たるや。どんだけ開脚したら気が済むんですかあなたみたいな、もう斜めに構えてガンガンに弾き倒してて、でも油断しないで下手では吉井が!っていう。もう目が、目が追いつかないいいいい(失神)(いや失神してる場合じゃない)それであの、間奏のギターのブレイクのとこあるじゃない?ごめんなさいね私説明下手で。そん時に吉井が、ギター弾きながら後ろに頭をガッと反らせるんだけど、2回連続で頭を後ろに引く感じ。わかります?これ伝わってる?いいや伝わってなくても、とにかくそのライトをバックに逆光で首を反らせた吉井が浮かび上がる美しさったらないって話です!

なんかもう1曲で息も絶え絶えな感ありありですが、卓郎くんが紹介もされずあっさり去ってしまい、ええ!?と思ったら吉井がセンターに(そして下手にバーニーが)。でもって一発目「ビルマニア」!わー最初から飛ばしますね兄貴! MCで「晴れましたね!」(晴れたね-!の観客の声に「禿げたね!?」うんもういい)「こんなへんぴなところにようこそ(笑)」「良い天気になって、しかも昨日より暖かい!」(あーやぱそうだよね)「初めてこういうフェスのトリを勤めさせていただきます」(・・・CDJは入らないのかな・・・とちょっと思ったけど・笑)「トリにふさわしいかどうかわからないけど、最後まで楽しんでいってください!」

衣装とかはね、クイックレポを見てもらえば一目瞭然なんで割愛するけど、ほんと・・・格好良かったです。すっげえバカみたいなこと今から言うけど、ホントうちの子、世界一カッコイイ、って思った、私。もう何回もそう思ってんじゃないのかって言われたらそうなんですけど。でも格好良かったんです。サングラス外して、がっつりメイクしてるのがわかって、でもただそれだけじゃなくて、気合いが入ってた。この日の吉井は。

あとどうでもいいことなんですがエマのギターストラップがJODI HEAD風に見えたんだけど、あのクイックレポでやってるやつ。JODI HEADと言えば私の中では民生さんなんですけど、でもって吉井もまねっこ(?)してつけはじめたみたいな。いや、前からつけてるのかもしれないけど、なんか昨日おおっ!?と思ったのでちょっとメモ。

ARABAKIでも披露したYER BLUES、始まった瞬間の「死にたい」で、後ろの男の子がふははっみたいな感じで最初笑ったんだけど、それは最初だけで、曲が終わったとき友達同士で「エー何これめちゃカッコイイじゃん」「うん・・・」と話してるのが聞こえて、思わず振り返って「だろ!?」と言いたくなりました(もちろんやめました・笑)このYER BLUES だけでなく、そのあともウォーキングマン、シュレッダー、ONE DAY、極めつけはノーパンと、吉井はあえてヘビーな選曲で挑んできた。食いつきやすいアッパーな曲はまったくと言っていいほどやらなかった。ウォーキングマンのギターで、エマと向かい合って呼吸を合わせるとこ、よかったなあ。エマがさー、ほんと昔のまんまで、ワウを踏みながらわおわお言っちゃうあたりとか、もうなんかきゅんとしたよ。シュレッダー、たくさんたくさん聴いた曲だけど、いつも「ただ深く愛しただけ」のとこでぎゅっとなる。ONE DAYでオーディエンスの拳がだんだん掲げられていくのを見れたのもよかった。メンバー紹介する前に、吉井がギターをフライングVに変えて、うわっ、ってことはノーパンか、みたいな。あの、他の人にどう思われてるとかわからないけどさ、でも「今の吉井和哉はこうです」っていうのを見せることができるライブになってたんじゃないかなって思う。あの、肝心の「入道雲ウッドベース」でギターを歪ませるところで一瞬スカした!?と思って焦ったけど、多分私の勘違い。「できればどっちにも振られたくない」でフライングVをめちゃめちゃにかき鳴らして、かき鳴らすあまりネックが握れなかったりしたんだけど、それすらも格好良かったんだよなあ。

それで私の得意な妄想話をするけど、これもしこのあとにTHE YELLOW MONKEYセッションがなかったら、吉井はこの選曲にしただろうか?って思った。今の吉井和哉はこれだよって提示する気持ちもあったと思うんだけど、でもフェスという場でこのノーパンまでで完結、っていうのは、今の吉井はもうやらないんじゃないかと思う。ちゃんとお土産を渡そうとしたんじゃないかなあ。でも、それはちゃんと、あとにあるでしょ?っていう部分もあったのかなナンテ思ったりしました。「さんじとおまつ」の時に、「盛り上がる曲はあとでやるから」と言いながら濃い曲を連打したのを思い出したり。それで、対決するんじゃなくて、どっちがっていうんじゃなくて、そういう共存の仕方もあるのかなーって。うん、妄想だけどね!(笑)

最後はフライングVを高々と掲げて、ピースサインをして、今回はエフェクターはちゃんと自分で切って、ソロパートが終了。汗だくだったなあ、でもって、その汗でまたメイクが良い感じに崩れて、あーもう最高っす、吉井さん最高っすみたいな。そしてステージに残ったのはエマと吉井だけ。続いて怒濤のセッション・タイムに。

最初にドラムの松田君を呼ぼうとして、袖に姿が見えなかったのか、あれ?まちがってる?と不安げな吉井(笑)間違ってませんでした。まずバックホーンから松田晋二!続いてストレイテナー、Nothing's Carved In Stone(カンペガン見)から日向秀和!(ひなっちー!の声に吉井も真似して「ひなっちー!」)あと、生形さん紹介するとき、Nothing's Carved In Stoneの名前だけじゃなくてエルレの名前も言った気がする。黒猫チェルシー渡辺大知、澤竜次!渡辺さん(っていうか、くんっていうか)なんと学生服!!ぎゃー!もう、吉井完全お父さん!渡辺くん指して「卒業しました!」ああ、なんという、これが若さか・・・!(いきなりのクアトロ大尉禁止)

セッションパート1曲目は、黒猫チェルシーが出てるんだからもちろんこれです「パール」!!うひー早いパールが大好物ですよ私ゃ!しかし、これギタリストが3人揃ってぎゃんぎゃんやるもんだからもう誰がリフで誰がソロなんか全然わからん(笑)いや!もういい!なんでもいい!もうみんなはちゃめちゃにやったれい!最初渡辺くんが歌って、二番が吉井だったんだけど、その吉井ボーカルが入った瞬間のひなっちの顔を私は見逃さなかったね。めっちゃめっちゃいい顔して笑ってたよひなっち!ぎゃーもうテンションあがるじゃねえかこのヤローー!

ひやー跳んだ跳んだ、と思いつつ、黒猫チェルシーのお二人が袖にはけて、さあ次はなんだ、と思ったら吉井が「次は凄いぞ」。え?「次も凄いぞ」え?うん、もう凄いのはわかってますが何か?と思ったら吉井がずっと下手の袖を見てる。誰か出てくるの?え?このイントロは・・・あれですよね?ん?なに?ちょっと・・・・?

あの聞き慣れたイントロ、吉井は袖を見てる、え、もう、始まるけど、例の台詞がくるけど・・・

「おねえさあああん!」

下手から民生が、さっきのひと股のときと同じカッコして、ポケットに手つっこんで出て来た瞬間、多分私、通報されるレベルだったと思うよ。あんなに高く連続で跳んだことない!ってぐらい跳んだよ。民生!吉井!民生!吉井!え、これ、もう、夢?「出て来ちゃえばいいのに~」つってて、でも全然冗談で、だって・・・出てくれないと思ってたよなんでだかわかんないけど!もー嬉しいし嬉しすぎて泣けるしどうしていいかわかんない、私この時ほど後ろで見ててよかったって思ったことない、だってぶんぶん振り回してたもん手を!二人とも、なんかちょっと照れてた!それがまた可愛かったんだけど、民生はでもあれだなあ、ちゃんと歌詞が頭に入ってたところみると、突然、っていうんじゃなくて、前から出てね、って言われてたのかな。いつも通り飄々と歌ってて、ふたり、がっつりマイクシェアとかすればいいじゃん!って思ったけど、そういうことしないからいいのかなとも思ったり、いやもう二人が並んで歌ってるその姿だけでほんとに幸福だったよ。2番になったら民生もなんとなく遊びの余地を見いだしたのか、所々で「おねえさーん!」を連呼(爆)「知らない遊びをしよう(おねーさーん!)」「頭に乗せてよ(おねーさーん!)」みたいな。楽しいって、誰がってもうほかの人のこととかどうでもいいわ、俺が今世界で一番楽しいわ!っていう。そうそう、Dメロのところ、お互いがハモろうとして同じ旋律歌っちゃったりしたのもほほえまーだったな~。今思えばエマとかひなっちとか松田くんとかどんな表情してたのかなって思うけど、ごめんもう目が2つしかない以上限界です!お願い!誰かこの映像を!我に!我にくだされええええ

民生は結局もう、歌うだけ歌って(そして「おねえさーん!」言うだけ言って)あっさりとはけていかれました。ちょっと茫然自失だった。でもって、次に呼ばれた(吉井曰く「探偵物語」。YO-KINGといいあだ名大王か)のが9mm卓郎くん!もうほんと・・・なにこの豪華さ・・・わかってはいたことだけど・・・そして曲はもちろん、Nothing's Carved In Stoneがカバーしてくれた「バラ色の日々」!歌う前に吉井が、昔、このロッキンオンが主催するフェスで演って、大雨を降らせた曲をやりたいと思います」って言ってた。パールもそうじゃんね、二つとも「雨」って単語出てくるよね、ってまたそういうことをニコニコと思い出せるなんて幸福なことだなあ。いつも観客にコーラスさせて、「ビューティフォー!」っていうとこ、「富士――!」って叫んでた。つーか卓郎くんもほんと背が高い。吉井と二人並んでスタンドマイクで(クイックレポの2枚目の写真ね)絵になるったらないよもう。HEEFESTのとき卓郎くんあくまで滝君の代打ギタリストに徹してたから、今日は歌が聴けてうれしかったなあ。っていうか、9mmってふだん卓郎くんギター持たない曲もあるの?すげーマイクスタンド使いが堂に入ってた。

この時点で8時ジャストぐらい・・・だったかな。最後に吉井がマツ!ひなっち!うぶちゃん!エマ!とそれぞれを愛称で紹介して、吉井もいったんここではけた。モニタも消えて、あ、じゃあフジファブはアンコールで出てくるんだなって思った。アンコールというか、とうぜんセットチェンジをしなくてはいけないので、アンコールの拍手がなんとなく中途半端な感じになってしまったかな・・・みんな手を叩いてはいたけど、明らかに「準備中」なのにせかすのも、みたいな。

それでも、それほど長い時間待った感じではなかった。今までのセットリスト反芻して、えーと10曲?か?と思ってるとライトがついて、吉井、エマ、佳史さん、そしてフジファブリックのメンバーが出て来た。吉井が、「紹介します、フジファブリックです!」と言って、オーディエンスが拍手で応えたのだけど、その拍手は終わらなかった。ずっと続いた。誰も何も言わず、ずっと手を叩き続けた。そしてその拍手の中で、「FOUR SEASONS」が始まった。

この日会場に向かうツアーバスの中で、ipodをシャッフルにして聞いていたら、ちょうど由比の海岸のところでフジファブリックがカバーしてくれたFOUR SEASONSが流れてきて、これを今日はきっと聞けるだろう、と思っていた。ここまで演奏されたTHE YELLOW MONKEYのナンバーは、すべて、THE YELLOW MONKEYのアレンジだった。だけどこのFOUR SEASONSはフジファブリックが作ってくれたアレンジの方だった。キーボードとドラムのリズムが違う、だけど、違和感はなくて、新鮮さだけがあった。ふとアップになったモニタの吉井を見た。マイクスタンドにかかった手に力が入っているのがわかった。吉井の気迫はすさまじかった。こんな吉井を見たのは久しぶりだった。その時、聞き慣れない歌詞が耳に飛び込んできた。「アンコールはある 彼は死んでない」。一瞬涙があふれそうになったが、必死でこらえた。なぜか、私が泣いちゃいかん、すくなくとも、今はまだ、と思った。

MCで、吉井はもういちどフジファブリックです、と紹介し、こう続けた。本当はボーカルの子がいるんだけど、今日はちょっとワケあって来てません。それで、彼らはね、ボーカルの子が帰ってくるのを待って、がんばって活動を続けていこうとしてるんで、応援してください。私の視界からいちばん近いところにいたのはギターの山内さんで、その吉井の言葉にこれ以上ないぐらい深々と、観客にむかって頭をさげていた。吉井の、今日ワケあって来てません、という言葉を聞いて、ああ、JAPANのインタビューで民生がそう言っていた、突然すぎて悲しみがわからない、だから7月のイベントも、「今日たまたまいない」って思ってやろうと思う、と。袖で聞いている民生のことも一瞬あたまを過ぎったけれど、吉井の言葉はまだ続いた。それで、その今日来れないボーカルの子も富士山を見ながら育ったらしくて、僕も静岡出身で、富士山を見ながら育ったので・・・そういう縁のある二人が、今日ここでこうして演奏できるのはとても嬉しいです。奇しくも、このフェスのタイトルにぴったりな曲があるので、今日はそれを演奏して、さよならにしましょう。

大袈裟な歓声こそ飛ばなかったが、誰もが「JAM」が演奏されるとわかっていたのではないかと思う。イントロのハイハット、キーボード、吉井は出だしを歌わず、いきなり観客にマイクを向けた。私は一生懸命歌ったが、観客の声がどの程度形になって届いていたのかはわからない。金澤さんのキーボードも、加藤さんのベースも、山内さんのギターも、これ以上ないぐらい優しく聞こえた。ギターソロを、エマと山内さんは向かい合って弾いた。エマが山内さんを見る目がめちゃめちゃ優しくて、二人の音も優しくて、その光景は本当に忘れられない。吉井はJAMを歌うとき、とくに後期は常に、二番の「GOOD NIGHT 数えきれぬ」からの歌を観客に託していた。今日もそうするだろうと思った。でもいつもEVERYBODYと呼ぶ声は、今日は志村君の名前を呼んだ、志村、うたえ、と。いつもの癖で声を出しかけていた私は、なぜかその声を出せなくなった。今はだって、志村くんが歌ってるんだから、邪魔しちゃいけない、という気持ちになったんだと思う。その時に、こらえていた涙が一気にあふれ出して、ステージの視界が一瞬でぼやけた。ちゃんと見なきゃ、と思うけど、どうにもならなかった。慌ててモニタを見ると、そこには吉井和哉がいた。こんなJAMを聞くのはいつ以来だろう。苦しくて、切なくて、けれどそれだけじゃない、僕たちと君たちのロックンロール。あんなふうに全身全霊をかけてこの曲を歌う吉井和哉を、私は本当に久しぶりに見た。

いつも、JAMの最後が、ARE  YOU DREAMERのリフレインがあるか、どうか、すごく気にしているのに、この日の演奏がどう終わったのか、私は覚えていない。モニタにアップになった吉井の顔のあとの記憶は、最後に吉井が、フジファブリックのメンバーひとりひとりの名前を呼んだときだ。金澤ダイスケ加藤慎一山内総一郎志村正彦!吉井はひとりひとりとハグをし、耳元で「ありがとう」と声をかけていた。私は必死で手を叩いて見送った。みんな、すごくいい顔をしてたと思う。RIJF恒例の客出しであるHERE COMES THE SUNが流れるまで少し間があったが、モニタが消え、ステージのライトが消えて、全ては終わった。

最後の最後に、とてつもなく重量級のものをくらってしまって、終演後もなんだかそのことが頭にこびりついてしまったが、バスの中で、そういえば結局、2日目は暖かくてフリースの出番もなかったなあと思い、またうそみたいに何もかも恵まれたフェスだったなとしみじみしました。吉井がMCで、「来年もまたやると言ってるんで、多分(笑)」と言っていたけれど、もちろん今回のように気候に恵まれるかどうかはわかりませんが、私の行かなかった1日目も含め、なかなかに充実したフェスだったのではないかなあと思います。もちろん、コレは人が倍に増えてもこの快適さを保てるかどうかはわからないけど。

全部のアーティストを見る、という目標は一応達成されたのかな。インターバルを10分にしていただけなかったら、間に合わなかったものがたくさんあると思います。渋谷さんの素早い決断に感謝。いろんな夢がいっぱい叶った1日でした。でも大丈夫、まだ、まだ、まだ、まだ、夢はあるからね(笑)人間の欲望は果てしない。スタッフワークのすばらしさにも、さすがのホスピタリティだなあと感心する部分がたくさんありました。やはり、伊達に10年野外イベントを運営してない(笑)お見それしました。また何か思い出したことがあったら、追加するかも。本当に喉元まで音楽に浸かりきった、幸福な1日でした。どうもありがとう!