東京スカパラダイスオーケストラ@平城遷都1300年祭「大極殿音絵巻」 レポート

平城遷都1300年祭の一環で行われた東京スカパラダイスオーケストラの「大極殿音絵巻」公演に行ってきたのす!フェスで拝見したことはあってもがっつりスカパラのライブを見るのは初!やーんどきどきー!会場は復元された大極殿がそびえ立つ真ん前の広場で、MCでメンバーの皆さんもたびたびふれられていましたが見晴らしの良さハンパない。

まーこの夏あたりからこっちひょんなきっかけでずぶずぶと足をとられ、ここからここまで全部下さいな、の大人買いもかくやな怒濤の勢いでDVDを集めまくり、そして見まくり見まくり見まくりした挙げ句の初ライブだったので、登場の「I SPY」が聞こえてきたときには「ほ、ほんものやぁぁぁ!」とひとりで興奮(早いよ)。

黄色でくるかな?と思ったんですけど、スーツは黒をお召しでした。1曲目、Like Jazz On Fireが始まって一斉に観客がうねり出す。でもそれがいつもの見慣れた感じじゃなくて、よりリズムに乗ったうねりなのが新鮮!次の5 days of TEQUILAでさらに加熱、わたしゃ早々に上着を脱ぎました。いやーライブハウス以外でこんな早々に戦闘モードになるのっていつぶりだろうか。

お席は若干遠目だったのでみなさんのお顔の表情とかはよくわからなかったんですけど、でもひときわ大きい谷中さんのアクションや加藤さんの煽り(加藤さんが手で煽るときの動きがすげー好きなんですわたし)、北原さんやNARGOさんが歌うときにトランペットとトロンボーンのマイクにむかって歌うとことか、GAMOさんがくるっと踵を返すときのキレとか、どこを見ていても楽しいしどこを見ていてもかっこいいってすごいなって思いましたホント。その、何度も何度もライブ映像を繰り返し見ていて思ったのは、スカパラのステージにはケレンとかハッタリとか、そんな言葉で言い表したくなる何かがあって、何かって何さって言われると困るんですけど、この自分たちの格好良さ、音楽の格好良さに最大限尽くす感じが私のツボにドカドカとケリを入れてるのかなあと。

谷中さんのMC、いきなり「平城遷都300年」とか言うので「みじかいわっ!」と5000人全員が裏拳でツッこむ幻影をみたような気持ちになりましたが、ヨーロッパツアーから帰ってきて日本でやる初めてのライブ、今自分たちがいる場所は遙か昔海の向こうの文化が最初に辿り着いたところだと思うと不思議な気持ちになる、みたいな話をされてました。そして恒例の「戦うように楽しんでくれよー!」にまたしても「ほ、ほんものやあああ!」な気持ちになる俺。

まだまだヒヨっ子のヒの字の点すら書けないようなファンですので知らない曲もあったのですが、ヨーロッパツアーのセットを中心にくんだということでわりとライブでお目にかかる機会の多い曲中心だったのかな、とか思ったり。メドレーでのリンゴ追分がめっちゃカッコよかったな~。SKA MEのNARGOさんのピアニカも「ほんものやああ!」ふたたび(っていうかみたび)だったし、ヘイ!って飛び上がるのとかできんのがちょうちょう嬉しかったです。そしてルパン!いやあ!もう!あのイントロ聞こえてきて大興奮ですよこちとら!なんなんだあの格好良さは。トランペットのソロのところでみんなが拳を突き上げるんだけど、北原さんがいつもやってる、拳を胸の内側からクロスして振り上げる、敬礼っぽいあの動きが大大大好きで、まあ真似してやってしまったよね。あとあのハンドクラップ1曲で若干筋肉痛に襲われた気がしたんだけどそれは気のせいじゃなくて年のせいだよね。

筋肉痛と言えばっていうか、なんとなくだけどライブの最中に思ったのが上半身で踊るロック、下半身で踊るスカ、ってこと。足と腰でどれだけ乗れるのか、っていうのが普段私が行ってるライブよりもキモになるのかなあって気がしたり。

そうだ、花ふぶき聴けたの嬉しかったんだよなー!ホーン隊がひとりずつこちらを向いてフレーズを演奏するとこが最高だとおもうんだ。さっき書いた「格好良さへの奉仕」っていうかね、べつに普通に立ったままで演奏してもいいわけでしょ?でもそうじゃなくて、格好良く見せること、印象的に見せること、そうしながらも音の格好良さに最大限尽くすっていう姿勢が貫かれてるのがほんとにたまんないものがありますよね。

途中でNARGOさんのMCがあって、多分そのあとの新曲がNARGOさん作だからなんだろうと思うんだけど、会場のことについてふれて「こんな風通しのいいところでやるのは初めて」(確かにだだっぴろいことこの上ないw)「ほんとにすごいところにいるなあと思う、昔の人がここに都を作ったっていうのも頷ける」「四方四神に囲まれていて、すごいパワースポットに今みなさんいるんですよ、きっと帰る頃にはみんな元気になっているにちがいない!」と。小沢健二くんが「ひふみよ」のサイトでツアーメンバーについて書いてたけど、NARGOさんにはどこかスピリチュアルなものを感じる、といってたのがわかる気がするなあと思いました。私そういう方面とんと疎いですけど、やっぱNARGOさんて不思議なパワーのある人だなって思いますもん。

このあとにやったその新曲の「水琴窟」は、個人的にはこの日のハイライトのひとつでもありました。素晴らしかったなあ。曲の表情がどんどんかわっていく展開も好みだし、音がどんどん重なり合って螺旋階段をのぼっていくような(おりていくような)感覚になりました。でもってこの曲に限ったことではないけれど沖さんの鍵盤が素晴らしいの!どの曲でも絶妙の存在感でめろんめろんになりましたよ私は。

しかしその「水琴窟」をあとで説明しようとした谷中さんの「知ってる?水琴窟」「(リアクションのない観客に)反応薄いなあ!w」「あれだよ、ほら、お金持ちの家にあるやつ」どんだけざっくりな説明なんや!とまたしても5000人の裏拳の幻影が見えそうになりましたが茂木さんも立ち上がっていたのできっと代表でツッこんでくれたんだと思います。

加藤さんが中央に進み出てギターフレーズをかき鳴らすWhite Light(大好き)、Pride Of Lions(名曲!)、そして愛の讃歌へとなだれ込む構成もお見事!ほんとに最後の最後まで踊りくるいました、くるい踊りをしました。加藤さん、はけるときもすっごいニコニコしてめっちゃ手をいっぱい振ってくれてきゅんきゅんしちゃったい。

アンコールではそれぞれのメンバー紹介。いやもうみんなキャラ立ちまくりの個性立ちまくりだからいちいち面白いのなんのって。まず谷中さんからして「三日月が見えてた」「まるで空がウィンクしてるみたい」(フゥ~!の声も飛ぶさそりゃ)でもそのあとに「もう片方の目はつぶってんのかな」というあたり谷中さんの天然ぶりを見たと思いました。ヨーロッパツアーから帰ってきたばかりだから「もうみんな親戚に見えるよ」という加藤さん、さっきの谷中さんのウィンク発言を受けて「うしろの踏切のランプもウィンクに見えるよ」という茂木さん、しかも重ねて

「きっと、電車を待ってるんだぜ…!」←真矢みきばりの重々しさ

川上さんは川上さんで、この平城遷都の歴史にふれた含蓄あるトーク・・・と思ったら会場の一部がざわわざわわ。「え?何?」「花火?」「どこ?」の言葉にどこじゃどこじゃとステージそっちのけで後ろを振り返りまくる観客。ステージからは見えたみたいで、谷中さんですかね、大森さんですかね、「うわ~なんか得した感じだね!しかも向こうの花火だしね!こっちのお金じゃないっていうね!」爆笑。そして話の腰を折られてしまった川上さんは「もういいもん!」とちょっと拗ねてみせるプレイなども(プレイ?)ご披露されたのでありましたw

沖さんはといえば、奈良のこと大好き、昔この場所に遊びに来て、そのときすごくささやかなかわいい花があったので名前を見ると紫式部って書いてあった、でもあまりにも淡い思い出なので、夢だったのかな?と思って今日同じ処に行ったらちゃんとその花があった!という、えっなんなのこの癒しの時間、もう私沖さんの娘になる、と年齢も顧みずに不遜な欲望が頭をもたげました本当に申し訳ありません。大森さんは物販Tシャツをお召しになってらっしゃったんですけど「もう売り切れちゃったみたい」「でも通販があるからね!」とすばらしい営業トーク。そうそう、さっきのNARGOさんの「四方四神」の補足説明もしてくださってました。ホーン隊はわりとさらっとご挨拶、という感じだったんですが、北原さんの「もう1300年がんばりま~す」という挨拶には満場の拍手が湧き起こっておりましたよん。

ほんと、誰かのMCではないけれど、1300年で一番盛り上がった、かもしれない夜、最後のParadise Blueが終わったあとハケるメンバーを見送って(加藤さんのぶんぶんお手振りの可愛らしさは異常)、やー来月から始まるツアー楽しみだなーとまずそれを思いました。私が見るのは名古屋の予定なのでまだまだ先ですけど、ミニアルバムも楽しみだし、年末のDVDも楽しみだ。好きなものがふえるってすばらしいな。

どこかのMCで、谷中さんが「今日初めてスカパラ見る人もいるんじゃない?」みたいな話を振って、ハイハイ私初心者です!なにか初心者の皆にコメントかなって思ったら、「初めてきたひと、どう?スカパラのお客さんって凄くパワフルだろう?僕らもいつもパワーをもらってます」ってなんかちょっと自慢げに仰られたのが、うわーこんな風に言ってもらえたらうれしいだろうな、ファン冥利につきるよな、って思うような愛のある言い方でぐっときました。惚れてまうやろー!