吉井和哉@EMI ROCKS レポート

EMIの50周年イベント「EMI ROCKS@さいたまスーパーアリーナ」に行ってきました。しかし今年はワーナーは40周年だわコロムビアは100周年(!)だわ、レコード会社のメモリアルイヤーラッシュなのね。

たくさんのアーティストが出てらっしゃるし、8時間という長丁場でペース配分しつつの参加でしたが、フェスとはまた違う雰囲気で面白かったです。終了後にその日のライブ音源を高速プレスでCD化なんてことができるのは同じレコ社ならではですよねえ。

参加アーティストの「and MORE」が前日になっても消えていなかったので、これはシークレットあるのかなーあるんなら誰だろ、とEMI所属アーティストをちらちら見ながら話したりしてたんですが、ROCKSのしばりを考えると布袋さん?CHABOさん?それとも永ちゃん?という説と、じつはRADWIMPSがあやしいのではないかなどなどと予想しながら会場に向かっていたのどす。

中盤の「会場限定告知ビデオ」というやつが始まって、EMIのスタジオ「TERRA」が6月末日をもって営業を終了したことが告げられ、その次に

RADWIMPS野田洋次郎

という文字が出て来たときの観客のざわめき(とかすかな悲鳴)がさざなみのように伝わっていくさまはすごかった。そんで私と友人は、そうかRADがやっぱりシークレットなんだねこれは、とふむふむと画面を見ていたのです。野田くんはEMIのアーティストに呼びかけた。うちらはずっとTERRAで音源をつくってきた、すごく残念なのです、なにか最後にこのスタジオを記念した曲を作れないだろうか。

その呼びかけに真っ先に応えたのは吉井和哉だった ←画面のメッセージ

真っ先に応えたのは吉井和哉だった

真っ先に応え

真っ(もういい)

キョエーーーー

よよよよよしいちゃんのなまえがまままままさかここここんなととととところでででででてくるなんておおおおおもってもみず。しかもまっさきとか、そういうたんご、えーよしいちゃんが・・・でももばいるでそういうさぎょうほうこくっぽいことしてたよね…(6月8日のやつってこれのことだよね?)「相手が天才だから」つっててえーん吉井ちゃん天才て誰のことよーんとか思ってたん。野田くんやったかーそうかー野田くんやったんかー!

そんで大木くんとかフジファブリックとかテナーのホリエくんとかとかとか、その主旨に賛同したアーティストが集まって「EMI(えみ)」って曲が生まれたとのこと。レコーディングの風景がねえ、流れたのは流れたんだけどすげえ早くて一瞬でうおうお今んとこもう一回ー!とか言ってるまに終わってしまった。studioTERRA最後の日、野田くんの作ったTERRAに捧げるフォトブックとCDがくばられて、TERRAのスピーカーから最後に流れた曲が、この「EMI」だったそうです。ユニット名は「寺子屋」!なるほど!だ、だじゃれかい!

もうモバイルでも告知されているけど11月10日から配信開始とのこと!です!

さて、ライブの話に戻りますが、っていうかライブの話なんかここまでいっこもしてませんが、そうそう、で結局シークレットは布袋さんだったのでわたしのお友達の予想はある意味どんぴしゃりだった。しかもドラムが達也さん!なんという大御馳走。そして9mmのあとにRADの野田くんも出て来て、ふたりでアコースティック「有心論」をさらりと聴かせてくれたりもしたのでした。

さて、この日の出演順は当日発表だったため、早めに会場入りしているひとのtweetでオーダーを知ったわけなんですけど、

吉井ちゃんトリ

という文字を見たときには目が泳ぎました(リアルで)。いや私もう、ここはてっきり事変がトリだと信じて疑ってなかったですもん!どーすんの!事変終わってみんな帰っちゃったらどーすんの!(ってもうちょっと自分の好きなアーティストを信じたらんかい)

ふははは、だからさ、事変のあとでうっわーってアリーナに動きがあって(いやまあ他のアーティストのときもあったんですよ、でもそれって動きがないよりいいことじゃね?って気もしないでもない。みんながべったり最前にはりつくような時代は終わったんだなーと)、あー結構動いたな、でも思ったより残ってたし、いったん出た人がまた戻ってきたりみたいな動きも後方にはあったので、あっよかった結構のこってくれたなーって思ってみたりなんだり。

そんで1曲目なんなのかなーなんてぽやーって考えてたところに客電おちて、メンバー登場して、聞こえてきたイントロがあれだったじゃないですか。うはははは。笑った、笑ったし、やー私は結局この人のこういうところが好きでたまらんのだな、とも思った。左のあごから首のラインにかけて「EMI」の文字が入っていてカメラがそれをよく抜いてくれてました。セクシー。吉井の首筋は、正義!

アシッドウーマン、ヘヴンリー、おじぎ草あたりまでは、私もまわりの反応を気にしすぎちゃった(ビョーキですね)ところもあったんだけど、善哉でもキレキレだった「TALI」がこの日もやっぱりすばらしかったです。CDに収録されたのもTALIだったけど、至極妥当なチョイスだと思いました。最後の「積もうね 積もうね」のフレーズとかすげーぐっときたなあ。

途中のMCで吉井が「お客さんが残ってくれていて、よかったです!」って言ったんだけど、こういう発言って時と場合によってはもー、まったそういうコトを言って、とか思うときもあるんだけどさ、このときはなんつーか、すげえきゅんとしたっていうか、そうだよなやっぱ気にするよな、とも思ったし、そういうこと気にしちゃう吉井ちゃんだよな、とも思ったし、でもぜんぜん大丈夫だぜそれでもこうやってトリを引き受けたYOUはいつだって最高にかっこいいぜ、とも思ったし、なんつーか愛しさと切なさと心強さとって感じだった、ってどんな感じだそれは。

TALIで一気にエンジンがかかった感があったので、次のPHOENIXのパフォーマンスはほんと、カッコイイ吉井詰め合わせみたいでどこ見ても楽しかったっす。最初の叫びのところ、「さいたま飛ぶぞーーー!」ヒーかっこいい。ほんとあの人のくちをゆがめた嗤いの最高さたるやだよ。いつだって俺の邪悪笑顔心のベストテン第1位だよ。「太陽にぃ~」のところ、ショーストッパーさながらのブレスの長さを見せつけて、観客の拍手を巻き起こさせてからマイクを離したときのあのどやがお!見ましたか奥さん!

最後の曲はビルマニア。これはたくさんのひとがそう思ってるんじゃないかなあという気もしないでもないけど、ほんと、あと1曲欲しかった!個人的な希望を言えばWEEKENDERがきてほしかったです(善哉のときすっげえよかったから)。いつもイントロのブレイク前になんか言うけど、このときは「うおおおおおお!」っていう雄叫びで、それがまためちゃくちゃかっこよかった。絶対に私がガン見する「愛する世界に」のところの佳史さんのフィル、バーニーがばっと振り返って佳史さん指さししたんだよねー!あれ燃えた。ああいうの大好き!

アンコールあるかなって思ったけど、モニタに今日の会場の様子が流れたのでそれに見入る形になって、結局そのまま終演でした。最後に「SEE YOU NEXT YEAR」の文字。えっ来年もやるんですか(笑)

この日はもちろん吉井ちゃんだけじゃなくて、たくさんのアーティストのパフォーマンスを見させていただきました。9mmの滝くんのギターが大好きなんで、がっつり聴けて嬉しかったな。ほんとどれだけ暴れ馬になってても、ぴたっとリフを聞かせるところはマジすげえなって思うし、またそのリフがいちいちかっこいい!テナーはやっぱりどうしてもひなっちに目がいってしまうんですけど、ホリエさんの鍵盤プレイも拝めて満足満足だし、ACIDMANはフェスでもタイミングを逃しっぱなしだったのでこういう機会があって渡りに船って感じでした。赤橙、ALMA、ある証明と続いた終盤がめちゃくちゃよかった!事変もね、ワンマンなんてそうそう行くチャンスが巡ってこないし、フェスにもあまりお出にならないから、マジEMIさまさまでした。林檎ちゃんのカリスマぶりはほんとにすごい。林檎ちゃんのパフォーマンスを見ていておもうけど、ほんと彼女は「劇的」ってことをものすごくよくわかってる。そこは好き嫌いが分かれるところでもあるかもしれないけど、カッコイイのは間違いないよねえ。モニタの映像も、多分事変の時は専属のスタッフに変わっていたと思います。そのあたりの統率力というか、提示する世界観の圧倒的なコントロール力というか、いやあすげえなあと感心しながら見入ってました。

話は変わるようで変わらないんですけど、民生と吉井の対談で、なぜか食べ物にたとえてそれぞれの音楽人生を振り返る的なアンケートがあって、そのときに民生が自分の音楽人生をラーメンにたとえてたじゃないですか。それでね、こういうイベントってまあ言うなればラーメンショーみたいなところもあるような気もしないでもないんです。なかなか足を運べない名店がこの日だけ一堂に会する的な。そんで気軽にいろんな味を楽しめる的な。

それでこの日はね、それぞれの名店が、店(ワンマン)に足を運ばないと味わえないとっておきの味をね、私たちに披露してくれたとおもうんだ。そんでもって、ほんとに凄いラーメンがいっぱいあった。ふえーこんな隠し味が!とか、ここまで具材に凝るか!とかさ。いやほんと喩えが卑近で申し訳ないんだけど、それでね、この日吉井さんのパフォーマンスを見ていてね、なんとなく吉井はもう「すごいラーメン」じゃなくて「うまいラーメン」を出しにかかってるのかなって思ったりしたんですよね。凄いパフォーマンス、テクニック的にも、音の数としても、楽曲のクオリティとしても、吉井さんよりも凄いパフォーマンスをいっぱい見れたとおもう。でも、吉井さんのパフォーマンスと、そしてシークレットで出てくれた布袋さんのパフォーマンスには、サービス精神と、ある意味それとは裏腹の、頑固たる矜持みたいなものを感じたし、あーわたしはそういうものにどうしてもぐっときてしまうんだなあともおもいました。曽我部さんが以前日記で書いていてくれたことをちょっと思い出したり。

最初に「フェスとはまた違う雰囲気」って書いたけど、その理由がどのへんにあるかは自分でもよくわからないんですが、同志感、というのと裏腹のライバル感、っていうのも端々に感じたところがありそれもまた刺激的だったなと。祝祭というよりも戦闘モードがあった気がするし、そういうところで名だたるバンドのパフォーマンスが見れたのはラッキーでした。今後こういうイベントが各社で増えてくるかもね。同じレコ社っていうのは結構強みもあるもんねえ。

そうそう、今回のステージセットを床ごと移動させるあの技術はすげえ!ほんとにインターバル短かったし、時間通りに終演したのもあの秘密兵器のおかげってところがあったんじゃないでしょうか。おかげで退屈しなかった!

というわけで満腹満足な1日だったわけですが、気になるのは配布されたパンフ(無料。えらい)のアーティストコメントでの吉井さん。

「移籍前最後のロックイベント(笑)

EMIを色で例えたら濃い水色。

みずみずしい音楽が流れる色。

ロックとジャズの宝庫。

生涯EMI!

かも」

ねぇ 移籍前なの生涯なの どっちが好きなの?ってあややになってる場合じゃないわーい!ほんとにどこまでもお騒がせさん(はあと)(とか言ってていいのか!)