吉井城ホール2010レポート(ネタばれあり編)

こちらは吉井城ホール2010のレポ、バレあり編です。いいですか、もう、バレるなんてもんじゃないぐらいバレてます。ここを渡ったら、君はもう戻れないある河を渡ったことになる、ってこのネタわかるの確実にうちの姉しかいない。いやネタはともかくこの先はそういう地帯です。

でもって、いやもうセトリ知ってるもん、みたいな方でも武道館見る予定(中継含む)なら回避が吉です。ネタバレって「何をやったか」ももちろんバレだけど、「どう思ったか」ってのもある意味強烈なバレだと思うんスよ。んでもってこの先は私の手垢がべったべたにつきまくってるんすよ。

そんな警告するぐらいなら書かなきゃいーじゃんと言われたらほんとすんません!と土下寝の勢いなんですけど、書いてから武道館見たかったんス。城ホールは城ホールで書いておきたかったんス。これもヲタの厄介さ、ああ厄介厄介とお目こぼし頂ければ幸いなのス!ではでは、いざ、いざ!

かなり陽気な(クリスマスっぽい?)80’sを感じさせる曲をSEに、暗転、するかと思ったらしない。なんと明転(一層灯りを強めることで暗転と同様の効果)してメンバー登場。ギターを持って、いっぱつめはアシッドウーマン!照明も真っ赤!しかし吉井ちゃんがbridgeで言っていた4行の歌詞というのはどこなんざんしょか。って聞いてる間はそんなことも頭を過ぎったりしましたがまあ何しろこれで聞くの2回目だしどこが違うかなんてわからんちんのとっちめちん!赤いマシュマロはありましたよ(だからなんだよ)。

続いてPHOENIX、おおここらあたりは善哉のセトリでもありますね。しかしアルバムの1曲目はアルバム発ツアー以外ではあまりやらないというイエローモンキージンクスをこのPHOENIXは完全に打ち破ってますねー。大好き、大好きです。しかしこの時はまだ上のモニタがONになっていなかったので私の大好きなブレイクのときのニヤリ笑い(見えてないけど絶対やってくれてるはず、信頼のニヤリ笑いブランド吉井和哉だけに)や、「たいようにーーーー」のショーストッパーさながらのブレスのあとのどやがお(信頼のどやがおブランド)(もういい)を拝謁できず残念至極でございます。

続いてのイントロ、ん?聞き慣れない、いやむしろ聞き慣れてる、えっ25、6がもう出ちゃうの?と思ったんですがあとでお友達と話したらみんな同じことが浮かんだみたいで笑いました。紛らわしいっつーんじゃ!(笑)

そのモバイルでもグラムだ血だデップだジョニーだと煽ってらしたリバティーン、いやもうイントロの勘違い多発地帯から考えても往年のファンはかなり食いつくと思われるます。他の新曲ともちょっと佇まいが違いますよね。「どこかの王様の話 どこかの王国の話」ひー私の好きな歌詞展開だわあん(ぽわわ)

3曲あけでMC。「知らない曲ばっかりでごめんね!」うひゃひゃひゃ。いやでも、これやっぱりこの年末公演、大阪と武道館でかなり反応違うなーって思います。武道館がどろソースなら城ホールはウスターっつーのか、普段のホールやライブハウスではそうでもないけど年末の武道館の怨念つーかなんつーかそういう空気と、城ホールのクリスマス前!ハッピー!わくわく!みたいな空気の違いと言いますか。だからねえ、今完全に話が脱線してますけど去年の公演て大阪のほうの雰囲気が良かったのは観客の空気とセトリとか吉井さんのモードとかがマッチしてたからなのかなと思わないでもない。いやこれこのMCのときに思った訳ではないですけど、今回は多分にそれを感じる場面がこのあとにもありました。

新曲旧曲おりまぜてお届けしたいとおもいます、と言ったとき「新曲9曲!?」と文字変換して一人アタフタしたのとか内緒の方向で。しかもそのあと、カバーあり、コントあり、っつったあいつ。

なんだかちょっと懐かしささえ感じる、39108から久しぶりの人それぞれのマイウェイ。ヘヴンリー、ウォーキングマンと続いてこれは今日は結構重め路線で責めるのか?みたいな。 吉井、声の調子が悪いという訳ではないんだけど、何回か喉が開ききってないのかなっていうか、抜けがわるい感じのときがあったんですけど、それをこうわざとハスキーに、しゃがれた感じで歌ってていいよいいよこういうアプローチいいよと興奮。

次にアコギを持って現れて、聞こえてきたのがあのイントロ。BLOWN UP CHILDRENも久々かな。おお、しかし、私はこの曲が大好きだが、ブロナップはあまりにもDHMTで見たジョシュのドラムが好きすぎた!かもしれない!しかし今日はほんとに重め、じっくり聴かせる路線だなあと改めて。

続いて20GO。前回はピカチュウという飛び道具が文字通り飛び出しましたが今回はなんでしょうか、まさか2回同じ手使いませんよね、と思ったらある意味ピカチュウ以上の飛び道具が現れた。

マラカスです。

いいですか?吉井が、マラカスです。2本です。2本だけどそれを両手に1本ずつ持つようなそんな吉井ちゃんじゃありません。そんな子に育てた覚えはありません。もちろん片手で2本持つのです!しかも!この!マラカスの!持ち方が!

エロい!

あれっマラカスちゃんてこんな子だったっけ、と夏休み明けに派手になって登校してくる同級生を見る思いです。もうちがうものにしか見えない。しかも、2本持ったまま左右持ちかえるんですが、わざと自分の手のひとさしゆびをカメラに見せつけるかのようなあれ、どうなのあれ。ほんとこの人小道具使わせたら天下一品だわ。

ハミングバードからDo The Flipping。あれじゃないか、もしかしたら佳史さんがフリッピン叩くの初めてじゃないか。これがまーーーーめちゃくちゃ良かった!すげー合う!!間奏のソロももちろんですけど、後半のフィルインがとにかくバシバシ決まってて、吉井ちゃんの咆哮も相俟ってもう血糖値が、違った血圧があがりまくりました。 もっかい聴きたい!っていうか聴けるのか武道館で!うれちー!

次がギターを買いにだったんですけど、おーこれやっちゃいますかと。もともと私は吉井ちゃんのソロ曲の中でも10本の指に入るほど好き曲なので(というかもともとカップリング好き体質)、こうしてお披露目され続けていくのは嬉しいねい。善哉の時と同じ黒のテレキャス使用で、歌詞もテレキャスに。「買ったばかりのこれを弾く」でギターを抱きながら歌ったのがすごくよかったな。

でもってそのあとのMCでまたもや「知らない曲ばっかりでごめんね!」観客から知ってる!という声があったのか「知ってる?あっそう?」←嬉しそう

今年もジョンレノンスーパーライブに参加させてもらって、ヨーコさんの洗礼を受けてきました(笑)そこでまたジョンの曲を僕なりの歌詞で歌わせてもらって…今日はみなさんにも聴いてもらえればと思います。

Across the Universeをやったよ、とジョン祭りのレポで読んで、たぶん年末やってくれるよねーと期待していたのでうれしかったっす。英語詞を訳したものではもちろんなく、YER BLUES以上に吉井モードの歌詞でした(モニタに歌詞が表示されてた)。吉井にとっての「Nothing's gonna change my world」を歌ったというか。歌詞の中で父さんも出て行った、母さんも出て行った、僕ももう出て行ったと歌われたこと、あと印象的だった歌詞。

目に見えるものしか信じられないの?

ポストに入らない手紙の方が多いのに

最後はjai guru de va,omの歌詞をシンガロングさせてたんだけど、最後のギターの音が鳴った瞬間照明が赤に変わり、吉井がマイクスタンドに手をかけて、まさにかつてのあの姿のままFour Seasonsになだれ込んだのだった。この流れは鳥肌ものだったなあ。

Four Seasonsが始まったときに思い出すことはひとつで、そのドラムのアレンジがフジファブリックの手によるカバーに基づいたものであることからも吉井が何を考えてこの曲を選曲したのか、答えはきっとひとつなんだろうとおもう。明日だなあ、ってことも思ったし、去年のこの場所ではそんなことを考えてもいなかったのだなとも思った。吉井は最後、両手をまっすぐにひろげて、上空をしっかりとみつめて、何か話しかけていた。何を言っていたかはわからなかったけど、彼はとてもやさしい表情をしていた。

曲前のMCで、来年は約40本のツアーをやります!春にはアルバムも出ます!先週危うく中止になりかけたけど(笑)←えええええーーー!って言われたいだけなんじゃないか疑惑

善哉でも披露したおじぎ草からTALI、なんとなくここまでくるとライブも終盤かなという気がしてくる。あのさ、これほんと恨み言じゃないけど、吉井ちゃんがモバイルで25,6のときの曲をやるみたいな、しかも「昔の曲が違って聞こえる」みたいな流れで言うもんだから、当たり前だけどそれを意識しちゃうんだよ(笑)ここまで出なかったら本編で出ないだろう、じゃあアンコールかなあとかさ。すいませんねだってTHE YELLOW MONKEY大好きなんだからしゃーないよねこれは。ていうか開演前に姉に「その昔の曲ってのはイエローモンキーの曲なん?」と聞かれて当たり前だいべらぼうめ、と言ったはいいものの「まさかの未発表曲パターンか!?」とか考えて完全に迷走してました。ま、こと黄色い猿のことにかけちゃ俺はいつだって道を見失ってるぜ!(かっこつけて言わないでください)

昨年のアンコいっぱつめで私の心をかっさらったBELIEVEが今年も。39108は1曲目とラストが出ましたねえ。そしてノーパン。黒のフライングVでしたっけ?違ったような気も…(武道館で要確認)。ノーパンのとき、天上から何か降りてきてる?と思ったらなんと縦4列のムービングライトを吊したバトンがそのまま降りてきた!でもって例のあのギターいっぱつ、の前まで上に残ったかすかーなあかりのスポットライトだけで演奏するという、まあ、ほとんど、闇夜のカラスです!(言いたいだけ)いやそれは大袈裟ですが、ともかく暗い暗い。しかしライトの動きを見ても、みんなこれはあの一点に向けての助走だとわかっているので逆にテンションがあがるっていうね。それにしてもノーパンはほんとにかっこいい。ストロボフラッシュもここぞとばかり(しかもライトの距離が近いから明度が高い)光りまくってました。ポケモンショックに気をつけてね(笑)

本編ラストはビルマニア。イントロでいったん上手のほうに行きかけたので、えっブレイクの前に叫ばないの、と思ったんですけど吉井ちゃんあれ忘れてただろう!動きが中途半端だったぞ!(どんなダメだし)すっかりライブの定番ですなあ、ビルマニアも。

ここで本編終了でした。うーむそうかと。1曲1曲はすごく楽しいんだけど、あのー吉井のライブの真骨頂っていうか、興奮の天丼っていうか、天井知らずにテンションが持ってかれる、というような流れにしてなかったんですよ、吉井さんが。つーことはアンコールなのかなあ、それともそういう爆発感も今年はないのかなあとか考えてました。

アンコール、衣装は変わらず。メンバー紹介します、といってドラムの佳史さんから。トライセラ…をまず噛む。噛んだことがくやしかったのか、吉井ちゃんあろうことか

「来年トライセラトップスを脱退します!」

おまえええええ冗談でも言っていいことと悪いことがあるわいいいいい!!!(張り手)

佳史さんの違うよ違うよジェスチャー見ても冗談ってわかるけど(当たり前だけど)あまりにもデリカシーないお!そのあと、うちのバンドもクビです!とか、えっ?来年もやりたいの?とかトライセラも頑張って(←これを小さい声で言うとかなんなのか)とか言ってたけどほんま吉井ちゃん、あれはアカンでー!

そうだ、鶴谷さんを紹介するとき「リバティーン」では慣れない太鼓も叩きました、リハーサルのほとんどがこの太鼓に費やされたと言っても過言ではありませんって言われてました(笑)

最近ね、僕ぐらいの年になるとまわりの友人も親がどんどん亡くなったりして。それで、自分の両親のこととか、ちょっと思い浮かべながら聴いてもらえたらとおもう。嫌いでもいいから。嫌いな人もいるだろうけど、嫌いでもいいから。25歳のころに作ったバラードです。大阪でやるのははじめてです。

このMCで真っ先に思い浮かべたのは人生の終わりだった。でもあれは25歳の頃の曲じゃあない。そして思い出した、吉井がかつてインタビューで話した、祖母のことを歌った曲、父のことを歌った曲、そして母のことを歌った曲。

シルクスカーフに帽子のマダム。

イントロで、私は思わず顔を伏せてしまったのだけど、まさか、ほんとうにまさかシルクスカーフとは、予想だにしていなかった。自分にとっても意味のある曲をやるんだろう、とモバイルのQ&Aでのニュアンスでもそうだったから、いろいろ考えてはいたけれど、でもシルクとは思っていなかった。もちろんそこにいるのはマリーさんではなかったが、吉井はギターを(ES335だったように思う)持って、この圧倒的なロックバラードを歌っていた。かつて声に色を滲ませた部分も、この日の吉井はとてもまっすぐにうたっていた。それがなんとなく寂しい気もしたり、それが月日というもんだという気もしたりした。間奏のギターソロは吉井が弾いた。メカラ7のときと同じように。後半はジュリアンが引き取ったが、巧拙ではなく歌の精神がこもっていたのは吉井のソロのほうだった。太ももにあるだろう、大きな傷跡が、のところでブレイク。ごめんね、さよならのリフレインのとき、モニターにギターを弾く吉井の手が映った。いや正確には、吉井はギターを弾いていなかった。ネックを握り、フレーズを弾こうとしてはいたが、歌にそのすべての神経が注がれているかのように、彼の手は宙をきっていた。なぜだかそれを見て胸がいっぱいになって、涙があふれた。一度だけ、ちがう、さよならと歌っていたような気がする。

こんな超弩級の歌がきてしまって、はーもう完全に持ってかれました、いやちょっとなかなか切り替えできませんよこれは…と思っていたら、吉井はアコギにもちかえて、じゃかじゃかじゃーん。と一節弾いてみせた。なんという、なんという、デジャヴ感。このとき、嘘やろ!と声に出して言ってしまったことを反省していますが後悔はしていない。いやだてそりゃ言うよ。言うでしょ。拍手が返ってこないことがご不満だったのか一度袖に引っ込もうとする吉井。観客の拍手が巻き起こってもう一度ジャカジャカジャーン。モニタ越しに見た吉井の顔たるや、そして

「やっぱりこれをやらないと、年は越せないよね~~!」

ぎゃああああああって言いましたわたし。うるさかったですかすいません。でもゆるしてくれ。始まったのはもちろん、おそそブギウギに決まっている!地名を大阪に変えて歌いたかったと思われるが、まーしょっちゅう間違えて「東京」つっちゃってました。しょうがない、それはしょうがない。吉井が歌ったあとメンバーを見渡して、まず尻穴の毛が立ったのが、失礼白羽の矢が立ったのがバーニー。バーニー、しかしまああれだ、かつてないgdgdさだった。何の歌なのかわかりゃしないよ!挙げ句吉井に「マイク直していけ!」えっ三国さんどこどこ

次がジュリアンだったんでどーすんのかと思ったら普通にうまい(笑)しかし「こんな格好良く終われません!」ということで呼ばれたのは芸達者吉田佳史。サングラスかけて「井上ようすぃふみです~」しかも歌詞に絶妙に「リバーサイドホテル」盛り込んでくるし「あそこグチョグチョズキズキ」とか歌っててなんだこの人と思いました。最後はもう一度吉井で、大阪、大阪と繰り返しながら客のレスポンスを首で煽る煽る。もうこのときから飛び上がってたかな私。モニタに吉井の顔が映って、そんで吉井、もうぜったいわかってるだろって顔、これを待ってるんだろって顔して、ほんとうにあのときの私の興奮ったらなかった。センキュー愛してます、アバンギャルドで行こうよ!もう昇天!

しかし、HEEFESTのときはちゃんと歌えてた気がするのに、かなり歌詞がgdgdだった気がします(笑)途中でSolid Gold Easy Actionの歌詞が出てくるのも、二番の前に吉井が下手側のバーニーのマイクスタンドに移ってバーニーを中央に追いやるのも、ああなんだかどこかで見た光景で、何と言われてもいいけどわたしはやっぱりTHE YELLOW MONKEYのことが好きすぎるよなあと思いました。間奏のスキーもお約束だよね。アウトロが思いの外短かったような気もしたけど、気のせいかもしれない。そのあと間髪入れずにFINAL COUNTDOWN。やっぱりソロのなかでこういう爆発力のある曲、というとファナカンになりますよね。このときだっけなあ、両サイドの花道端っこまでいったの。来年もいい年にしよう、そんな風に言ってた気がする。いやもう、なんだかぼーっとして記憶があやふやだ、実際。

最後にギターを持ったので、ああそうだ、新曲をやってないよと思い、なんだかこの流れも、かつてのメカラウロコを思い出さずにはいられなかった。シングルを出します、LOVE&PEACEという曲です、大きなタイトルだけど、そんなに構えた歌じゃなくて、身近なことを歌った歌です。今日は最後にこの曲を、世界で初披露します。聴いてください。

手帳に書いてあるという歌詞は、開演前には見なかった。会場に行く前に本屋でbridgeを読んでいて、渋谷さんの絶賛ぶりを見ていて、一体どんなもんじゃいという気持ちもあった。でもわたし、この曲好きです。すごくすごくすごく好きです。こういう曲をシングルで出すってすばらしいなと思った。さわやかに聞こえるようで、切なさが遠くで鳴っているような曲だと思いました。歌詞もすばらしい。発売されるのが楽しみです。

アンコールの構成は、ひとによって疑問符をつける人もいると思うし、それももっともな話だと思う(シングルのヒット曲をやるのとは意味合いが違いますよね、特にアバンギャルドは)けど、しかし私は猫がフリスキーに飛びつくがごとくそれを美味しくいただいてしまったし、きっとこれからもそう…なんじゃないかなとおもうのだ。楽曲を楽しんでいるのか、思い出を楽しんでいるだけなのか、それは自分でもわからないけれど、でもいいじゃんどっちだって、とも思うのだ。人生に楽しいことなんかそんなに転がっているわけじゃないんだ、日常はいつだって冷徹で残酷だ、だから楽しめることは楽しむよ、意味なんてどうでもいいって思ってしまう。それは私が歳をとったからかもしれないけれど。

大阪ではじめて、と言ったのは城ホールで、って意味かなあ?昔のホールのセトリとか見ると大阪でももちろんやってますよね。

これは武道館でオーディエンスの反応がどうなるのかわからないけれど、確実に観客は入れ替わっているんだなと思いました。アバンギャルドのときほどそれを感じたことはなかった。でもそれはいいことだよね。吉井和哉というアーティストがこれだけの時間をかけてファンを育ててきたってことだもんね。

それにしても、吉井のバランス本能というか、本編に爆発的な曲を畳みかける構成にしなかったのも、当然アンコールを含めてのバランス感覚なんだと思うんですよね。その「観客を楽しませる」ことにかけての習性というのかな、昔の曲をやる以上はベストな位置に配置する、意地を張って楽曲を沈ませたりしないのはほんとにすごいし、そういうとこ掛け値なしに尊敬する。なかなかできないことだよなって思います。

これを書いている時点で武道館まであと少しですが、12月28日、日本武道館という場所の持つ力が、そしてそこに集う観客の力がこのセットリストにどんな化学変化をもたらすのか、今から楽しみでしょうがありません。