YOSHII BEANS@日本武道館レポート

吉井さんサイトの会員限定ライブでごじゃーます。会員限定で武道館とは豪儀!豪儀!

ツアーとごっそりセトリを変えてくる宣言が事前にあったので、いったいどういう構成でくるのかな~、会員限定だし12月28日の原点に返って1st2nd大放出みたいになるのかな~とうっすら考えていましたが、まさかの一曲目に頭のネジも吹っ飛びました。原点に、帰りすぎやろー!あれ、第九?と思っているうちに客電が消え、第9のメロディが鳴り響く中暗闇に白いシャツが見えて、わー白だ!と思った瞬間にあのイントロだもの。もう、お友達と思わず抱き合ったよね…!なんつーか、私が96年1月12日の武道館の映像を見すぎているというのもあるんだろうけど、一瞬にしてタイムスリップしたような気持ちになりました。おまけにあいつ、ちゃーんとサングラスかけて出てくるし、ちゃーんと首をかき切ってみせてた。思わず、吉井!おまえ!嬉しい男すぎる!と場違いな拍手でそれを讃えた私だ。つーか、「終わらないために君のために」ってふっつーに歌ってるけどもともとの歌詞「僕のために」だからね?吉井ちゃんもあれだろう、もうCDで聴いてるよりあの武道館の映像のほうが頭に残ってるんだろう!そうに違いない!(勝手な決め付け)

かえすがえすもこれが会員限定で映像に残らないのがつらい…!白シャツのROMANTIST TASTEを後世に残しておきたかった!つーか自分が見たかった!また武道館であの振りができる日が来るなんてなあ!

I WANT YOU I NEED YOUと黄金バット、39108のなかでは割とやってる方の曲とはいえこれも久しぶり。I WANT YOU~で「おにぎり握るように愛してください」と歌ってたのと、「108つの欲望潰してきたけどまだまだ足りない」って歌ってたのが今のモードを象徴しているようで印象的。足りない、って潰し足りないってことなのかな、まだまだ煩悩が足りないってことなのかな。どっちも今歌詞を書いたらこんな風になりそうだな~という気がしました。

Next Innovation、リバティーンと割とあたらしめな曲な続いたので(といってもリバティーンはそう新しくもないのか)、古い曲祭りってわけでもないんだなーと思っていたところに待ってましたFallin’ Fallin!!やーこれ嬉しかった!これ歌うとき「名前なんてないぜないぜ吉井ロビンソン」って歌ってたな、と思ったらまさにその通り歌って、やおら誰もいない北側の客席のほうを向いて手を振り、元気かい?と言った。いいシーンだったなあ。そして、私も嬉しかったけどみんなもこの曲嬉しかったんだな~、めっちゃ盛り上がってる!と思ってたら、曲明けのMCで吉井自ら「あれだね、フォリフォリは意外と盛り上がるねw」うんうん!私もそう思ったお!「これからもっといっぱいやりますw」わーい!

フォリフォリに限らず1st2ndの曲は今やるとまた違った盛り上がりを見せる曲が多いと思うので今後も折を見てセトリに差し挟んでいってください(土下寝)

ここのところツアーでは最初のMCとラスト以外はあまりMCらしいMCをやってなかったので、会員限定らしく(?)結構フランクなMCがあったのもちょっと新鮮でしたね。しかし、今年の夏はいっぱい夏フェスにも出させてもらって…(いっぱい?か?)と話し始めたのに「あっ違った。夏フェスの話関係なかった」(てへぺろ)(してたかどうかは知りません)ここが吉本なら全員がズッコケてるねというようやgdgdトークどうもありがとうございました。しかもこのあとビタイチ夏フェスの話出てこなかった。なんなのよー!気になる木ー!

気を取り直して吉井ちゃんが話したかったのは自分にとっての歌謡曲を見つめなおした、みたいな話でした。今度のベスト盤にも収録されている「朝日楼」はどこかでこの日やる、みたいなことを言っていた気がしたのできっとそれをやるんだな、と思っていたら本日二度目のまさかまさかのイントロ。

夜明けのスキャットでした(どーん!)

ギエエエエ!なんつー!なんつー!いっやあ…これが聴けるとはまったく!思ってなかった!です!そして脳裏に浮かんでくるあのTVKで撮ったPV(もどき)。確かに冬のイメージよね…そして昔よりも一層歌いあげる吉井の声にうっとり。しかしウブもまさか自分が夜明けのスキャットのギターソロを弾くことになるとは夢に思っていなかったに違いない…かっこよかったよ!ウブ!

そしてここで出ました「朝日楼」。福岡おでんで聴いた人たちが皆絶賛されていたし、もちろんこれがハマらない吉井和哉など吉井和哉であって吉井和哉でない、ぐらいには思っていたので念願かなった嬉しさとともに、吉井の女唄の間違い無さ、ほんと揺るぎない、ということを改めて再確認。やっぱりこの人の中にはどこか女性性が根強くあるんだよなあ。

そしてこのアウトロから間髪いれずに始まった「シュレッダー」。この中盤の女唄の流れはまさにこの日のライブの白眉といっていいのではないでしょうか。間奏にはいるところでがっくりと膝をついた吉井は、そのまま両手でマイクを手に持ち歌い続けた。「神様に会ったらこんな風に言うんだ」、その歌詞もあってまるで祈りを捧げているように見えた。最後まで膝をついたまま、アウトロの間中ずっと頭を垂れている姿は、どこか少年のようにも見えた。

Don’t Look Back in Anger」。これ、07年の吉井武道館のときにもシュレッダーからのつながりでやってたんですね(自分のレポを見て思いだし)。これも今回ベストに収録されるということで、本当に誰に足を向けて寝たらいいんでしょうか。オリジナル詞のカバーに許諾をくださるなんてありがたい以外のなにものでもない。

このカバーをやってくれてた07年のライブのときにも、吉井が97年の10月はどうしてましたか、なんて話をした後でこの曲をやったりしていて、まあそれで赤子の手をひねるようにカンタンに泣かされていたもんだった。でもこの日はその97年の10月のことよりも、ぜんぜん違うことを考えていて、そして違うことを考えてはいてもやはり涙を抑えられなかった。君が大事にしているものほどこれからもさらに奪われていくだろう。でも生きていかなくちゃなあ…。

ここからは吉井さんお得意の畳みかけタイム。結局ツアーとかぶったのはVSからHEARTSまでの4曲だけで、やっぱりこういうタイミングが大事なシークエンスはある程度積み重ねてきた楽曲の方が気持ちいいんだなーと思いました。それにしてもロックンロールのメソッドはライブで聴くとほんっとかっこいい!フェイクもいれまくりでよかったわ~。曲終りで後ろにさがってタンバリンを自分でポンと上げて見せてからの点描のしくみ。やー吉井のタンバリンってほんと鬼に金棒…!そしてあのレーザーの照明は大きな会場であればあるほど映える!でもアウトロで終わりを間違えて、じゃん!って手を広げたらもう1小節残ってた、ってのは点描でしたよね確か。あれもうほんとバカかわいかったわ…w

本編ラストはHEARTSで、緑の草原(とか公園とか遊園地とかいろいろ仰ってましたが)に観覧車があって、その観覧車にだんだん雪がつもって動かなくなって、でもその雪がとけてだんだん回り始めたような気がします、と。この武道館の国旗の下で再生の歌を聴いてください、というようなことも言っていたかなあ。うろ覚えで申し訳ない。

全然関係ないけど私は実は観覧車の写真が大好きで、それも人の来ない、さびれた感じの観覧車の写真が好きなんです。tumblrでもよくrblogしたりお気に入りにしたりしてる。なぜかというのは自分でもよくわからないんですが、あの実質のない巨大さ、それがもう動いていないというところが、なんだか恐竜のような、滅んでいく廃墟のような、なんともいえない切なさを醸し出しているからなのかなあ。吉井ちゃんの心の中にあったのはこんな景色なのかな。なんちて。

アンコールでは黒いシャツにお着替え。えらいぞ吉井、私はおまえのシャツ姿が大好きだ!(聞いてない)で、モバイルでもバレバレにバレていた(バラしていた)ようにバッカはやるんだろうな~と思っていたので、鶴谷さんだけが出てきたときにあーバッカ?かな?と。それはそれで当たりだったんですけど、吉井和哉にもクリスマスソングがあって…しかしいかんせんクリスマスにライブがない!って去年青森でやったやん、とか思ったけどまあそれはそれとして、べつにクリスマスじゃなくてもやればいいじゃないかよう。クリスマス過ぎてるけどいいよね、いいよね、って誰に聞いているのですか(いいって言うにきまってるし!)

そんな満を持して感満載だったにも関わらず出だしでいきなりトチる吉井クオリティよ…どうした!緊張してんのか!っていうか最初のMCでもそうだけど、「サプライズが」と口走って「サプライズな曲が」と言いなおしたり、「満月だからちょっとおかしいんです」と言われるまでもなく全体的に吉井のMCがふわっふわだった。だからまあアンコールでなんかあるんだろうなーとは思ってたんですよね。ほんとそういうこと隠し事できないひとだよ。

吉井和哉は星の曲が多い、と自ら仰って、あまりやらないけどでもこの12月28日のタイミングにははまる、むしろここしかはまらないと思うので!と星のブルース。バッカもそうだけど自分の中でその歌の季節(歌の中の季節とはべつに)っていうのが吉井さんのなかにあるんだろうな~。

開演前のサウンドチェックのときに、アコギが出てきていたので「アコギだよ」「アコギだね」「どうする弾き語りだったら?」「なんというチャレンジスピリッツ」とか冗談で言っていたんですけど、心の中ではアレかもなとちょっと思っていましたエヘヘ。だから吉井がアコギをじゃーん、って弾いてリアクションが少ないとみるや重ねてじゃーん、キャーきたきたきた!そういえば途中で今年の汚れ今年のうちに!つってたもんね!予測はついていてもやっぱりうれしいブギウギのイントロ!

今回の犠牲者は淳吾くんと佳史さんだったんですが、淳吾くんもきれいにまとめてきてて吉井に「おまえは振られるってわかってて準備してきたな!やっぱり腹黒だ」と決めつけられてました(ひどいw)。そして芸達者佳史さんは「長渕剛さん」と紹介されナガブチのテイでおそそを歌わされるという…しかもそれをやり遂げるという!いやーもう笑ったわ…!あの「セイ!」でほんと腹筋死亡寸前。吉井も笑い転げて床に倒れこんでたんだけど(でもギターはちゃんと弾いてたね!えろい)(間違えた、えらい)、歌い終わった佳史さんも倒れこんでて、しかもふたりして床をごろごろ転げて近づいていったあげくなんか顔近付けてしゃべってましたね。なんだこの仲良しさんめ!いやあんまり近づけるからちゅーしたのかと思ったYO!

最初のROMANTISTもだけど、このアバンギャルドもやっぱりザ・武道館な感じのする曲だよなあ。吉井の言葉を借りれば年末の武道館に相応しい曲。私この日の席が南東の、ここまで後ろの席に来たのはイエローモンキーのメカラ9以来か、という席だったのですごく国旗が近かったんですよね。だからなんとなく、国旗と吉井ちゃん、みたいな感じで眺めているときが多くて、それもあってなんだか感慨深くなったりしたなあ。

そのあとのFINAL COUNT DOWNでお馴染みの客電一斉点灯になって、観客が両手を振り上げている姿を眺めて、まあこれは個人的なセンチメンタリズムにほかならないけど、来年の年末は武道館ではないし、吉井さんのワンマンをここで見るのはしばしお休み、ということになるかもしれんのだなあ、という感慨に浸ってしまった。この7年ぐらい、すくなくとも1日は絶対吉井さんを武道館で見ていたわけで、途中のMCで「3回も武道館をやらせてもらえて」と本人も言っていたけれど、なんというか、そういう「しばしお別れ」だからこそのザ・武道館な選曲であり演出だったのかな、なんて。

途中のMCで「人前でやったことのない新しい曲をやる」と言っていたので、そしてこの時点でそれがまだ出ていなかったので、ダブルはあるんだなって思ってたんですけど(スレたファン!)スタッフが慌ただしくセッティングを変えだしたのであーやっぱ誰か来るんだね、誰だー誰だーと悶々。つーか、吉井がすごく緊張しているように見えたので一体誰なんだよおおおお、とその緊張がこっちにも伝染した感じに…w

最後にやるのは血潮だろうなあというのはなんとなく予想していたのですが、スパニッシュギターがどうしてもぼくらだけではなかなか、ということで素晴らしいゲストをおよびしました、といって紹介されたのが沖仁さん!うわーお!私、夏ぐらいに放送されていた沖さんのNHKのドキュメンタリをたまたま見ていたんですが、そのときの番組がすっごく良かったんですよ…!すげーほんとにスペシャルなゲストだ、これは吉井も緊張するわ…!と思いました。つーか自分で「緊張するわー!」つってて笑いました。素直!

私は気がついてなかったんですけど、鶴谷さんもギター弾いてたんだってね!吉井もアコギ持ってたし、なんとギターが5本!すごい!というかこれ今後ライブでどうするんでしょうか!血潮の歌詞は来年の社員手帳に書いてあるので(吉井がどこかにあがってるって言ったけどもう知らん人おらんじゃろ…)すが、こういう曲になるとは想像していなかったな~!

今日の一曲目は一番古い歌、最後に一番新しい歌、と言われて、ああそうかー!なるほどなあ、と思ったけど、時系列の吉井和哉、という感じでもなかったですよね。ustで言っていたSADEをやらなかったので、それはちょっぴり寂しいですが、そこは次のツアーに期待しておきます。でもって、メンバー紹介でなんとなくウブちゃんが次のツアー参加しなさそうな雰囲気だったことに地味にショックを受けています…ウブたん…!

最初をROMANTISTにしたのは一番古い曲、というのもあるけど、やっぱり武道館にすごく似合う曲だからっていうのもあるんじゃないかなあ。変な話ですけれど、アンコールでの吉井さんの妙な緊張が伝染しちゃったというのか武道館といえば、な曲を、つまりASIANをやったりしたりして、ってことを考えたりしてました、お恥ずかしい。あのアバンギャルドのアウトロのあとに「あかつきにー!」って言い出したらどうしよう、いやどうもしないが、うーんうーん。すげえ一人上手。

最後に客席をバックにみんなで写真を撮って、そのあと吉井一人だけで写真をとって、そのあとに国旗を見上げて敬礼したのを見逃さなかったよ私は。前日に国旗の写真をモバイルでUPしてくれてたのも、吉井さんなりの感慨だったのかなあなんて勝手に思っています。アンコールのアバンギャルドあたりから、私は心の中で武道館にありがとうを言い続けていたというか、ステージを見るより武道館を見ているという気持ちが強かったかもしれない。武道館に限らず、私は劇場でもなんでもすごくハコに思い入れるたちで、それはいいことばかりではないとわかっているつもりなんですけど、まあそれが自分というものなのでしょうがないです。

でも、来年はないとわかっているからこその特別感というのは確かにあって、だからこそのライブだったなあと思いますし、それは私にとっても、恐らくは吉井さんにとっても気持ちのうえですごくメモリアルなものになったんじゃないかなあと思うんですよね。来年は来年でまた新たな一歩だからもちろん特別な思いがあるだろうし、そういうものを積み重ねていきたいのかな、吉井さんは、とぼんやり思ったりしました。そういう、常にとどまっていない、というのがやっぱり似合う人なんだなあって。

来年は年明け早々テレビも出るし映画もあるしベスト盤もあるし、がんがん表に出てくる1年になりそうですよね。いっぱいいっぱい新規開拓して、そして次に武道館でやるときにはもっと大きくなって帰ってくるにちがいない。そうしたらあの桜舞い散る九段下で、きっとまた会いましょう。