メカラウロコ・27に行ってきたのよ

2016年1月8日に再集結が発表された瞬間から、まず頭によぎったことのひとつと言ってもいいのが「12月28日の武道館」でした。その日に武道館でやることについてはまったく疑っていなかった(吉井が前年の12月28日に、『来年は(12月28日は)何曜日?火曜日?水曜日?何曜日でもいいから来てね~!』と言っていたので何かがあることはわかっていた)んですが、果たして、チケットが取れるのか?それはこの1年過熱するチケット戦争を目の当たりにしていてますます募る気持ちでした。おかげさまで、友人の強運のご相伴にあずかることができ、武道館に行くことが出来ました。もう、人さまのお力にすがって生きて参りましたの、というブランチの心持ちもかくや、です(欲望という名の電車ネタ)。

 

あの、いちばん感極まったのは会場に入った瞬間かもしれないですね。あの国旗、楽団(さすがにメカラウロコ楽団ではなくて徳澤青弦ストリングスの皆さん)、パッヘルベルのカノン…。メカラウロコに来た…!という実感、とうとうこの日本武道館に、国旗の下にTHE YELLOW MONKEYが帰ってきた、という実感で、なんか文字通り胸がいっぱいになりました。

 

1曲目の予想はいろいろ考えたんですけど、7を踏襲するならMORALITYだよなあとか、ROMANTISTでどーん!と始まるのもありだよなあとか、でもROMANTIST始まりは吉井ソロで割と最近やったしなあとか、いろいろ考えていたらあの、時計仕掛けのオレンジの第九が!ってここからROMANTISTやった時ありましたよね!?エッもしかしてアレックスのコートきちゃう!?とか頭をぐるぐるしましたが、聴こえてきたのは「月光」。ぎゃーんMORALITY!やっぱり7路線か!

 

MORALITYということはもちろんあのお姉さんたちが出てくるわけですが、よく見えなかったけどボンデージ風の衣装で顔が隠れてて、さすがに胸はアレだけど7のスリップ着てるやつよりは格段にエロくてよかったです。吉井ちゃん孔雀の羽持ってたよね?途中でおねえさんの胸に差してるのもエロくてよかったなー。でもって、これ、このままいくとギターじゃーーん!とかき鳴らして「メカラー!ウロコー!」て叫んでからのDORASTICだけど…?ってなってたらほんとにそのまま「セブーン!」が「トゥエンティセブーン!」でDORASTICだった!

 

言うまでもないですけど、ほんとメカラ7の映像をんもうしぬほど繰り返し見たので、なんか「見える…未来が見えるぞ…!」って感じで、不思議な感覚を味わいました。DORASTICのコーラスのエマとヒーセがまたかわいいんだよね~!

 

メカラのセットリストでいくと次は「俺たちも、すっげー元気。LOVERS ON BACKSTREET」だけどどうなのどうなの、と思ってたらなんとー!!!FAIRY LANDでしたーーー!!お友達の「これやってくれ頼む!」の第1位だったのでふたりでギャーーーーつって抱き合った!!!吉井ちゃんがまたあの美しい手でげっだーん!をやってくれるのが嬉しかった…!この日はほんと、そういうファンがああそうそう、それそれ!と思うアクションの数々を惜しみなくやってくれていたような気がします。

 

最初のMCに続いてSECOND CRY、そしてFINE FINE FINEとここもメカラ7のセトリの流れ。SECOND CRY、吉井曰く「ジャガーになる曲」。あの、曲の最後の「お前に魂を売ってやる/お前にすべてを売ってやる/お前に薬を射ってやる」が正しいけど、「すべて」と「薬」が逆になったのでアッ!っと思った。いや間違えた!っていうんじゃなく、吉井さんこれメカラ7の時も逆に歌ってるんだよ~~。FINE FINE FINEであの首吊りの木もやってくれてた!あと、ちょっとテンポ遅め…?と思ってたらエマがささっとアニーのとこに近寄った後、ちょっとテンポアップした気がしたんだけど気のせいかしら。でもって、じゃあ次はA HEN?それとも麗奈?と思っていたら…VERMILLION!!!やった!!!マジか!!!なんか、吉井がホールでやった曲でメカラでやんない曲もある、とか言ってたからVERMILLIONとか外れそう…って勝手に心配してた!FINEの曲終わりでサッとジャケット脱いで、あの紫のシャツでこの曲て、もう完全に確信犯…あの美しい手のぶらぶら…最高かよ!いやマジで、あの「僕の爪を切るな」で吉井が叫んでぐっとのけぞったところ、ヒーーーーつったもん。ヒーーーーつって、そのままなぜか腹を押えていた私だ。なんだろう、吉井がそのあとのMCで「エマの八重歯を二回見ると双子を妊娠する」とか言ってましたけど、おまえの手指もそれぐらいのアレだからな!?みたいなことなんでしょうか。

 

そこからの聖なる、FOUR SEASONS、SHOCK HEARTSと今度はホールツアーの流れ。再集結して、これでアリーナ、ホール、単発のライヴとあらゆる形態を1年間でやってきたわけですけど、個人的にセットリストの組み方がすごく慎重というか、ちゃんと練られたものを出そうというのが共通してあるよなあと思いました。やっぱり1曲1曲ちゃんとモノにして、それからステージに出したいというか。FOUR SEASONSのあのスタンドプレイ、ホールでは見られなかったので嬉しいです、嬉しいです。でもスタンドを倒して手を放す、というよりは立ってるスタンドなぎ倒す!みたいな勢いがあってちょっと面白かった。死ねばそれで終わり、の手のジェスチャーもそのままやってたな~。

 

ここで長めのMCがあって、もう、吉井のソワソワぶりがひどいし話の持っていき方はグダグダだしで、面白いやらおかしいやら(結局、面白い)。九段下って単語を先に言っちゃダメだよ!「なんでみんなそんな勘がいいんだ!」つってたけど、よくなくてもわかるわ!個人的にはそれよりも「腸は第二の脳だって言いますからね…こんなことを言うロッカーになるとは思っていませんでした」ってやつにしこたま笑いました。まったくだよ!

あと、20年前はね、最初に出てきた瞬間それはもう割れんばかりの黄色い歓声だったわけですが…すっかり…茶色くなって!とか言い出して、あっこれ民生にも言われたことあるな!とか咄嗟に思いました。でもこういう「愛あるおディスり」ははまる人とそうでない人がいるので吉井ちゃん、用法用量は正しくお使いくださいだよ!

 

しかしそのグダグダぶりから「気を付けてくださいね、左利きの少女には」って単語ぶちこんできてRED LIGHTだもん。はーあいつずっちーな!当該歌詞のところ、あの、私の大好きなあれ、左利きの少女の夜を買うのところ、ちゃんと手が背中に回ってて、ああ~~~アップで見たい!見せてくれ!と身もだえしました。続いてセルリア。もう、これも、やらないわけないよね!RED LIGHTきたら、やらないわけないよね!ですよ。やらないわけないよねー!って声に出たもん!

 

その次のMCで、吉井がギター持ってて、あれっこのギター…ってことは…と思っていたら、113本回ったツアー、って話になったあと「俺はこの曲を武道館でやったことないって思ってたんだけど、2回もやったことあるんだね」とか言い出して文字通りのけぞりました。マジかよ…っていうかセトリ組むときにそういう話したんだろうけど、吉井が「パンチドランカーって武道館でやったことないよねー」とか言い出した時のスタッフ及びメンバーの顔が見たい私だよ。「やったこと…あるよ?」ってこいつ何言ってんだ?みたいなテンションで誰かツッこんでてください(過去への要望)。そしてその様子を映画で見せてください(未来への願望)。吉井ちゃん!あの年はね!武道館3daysだったのよ!2日間パンチのツアーで、28日だけメカラだったのよ!それでほぼセトリ全替えだったんだから大したもんだよユーたち!(結局褒める)。

 

しかし、この曲をこうしてまた聴ける、とは。もうなんか、やっぱり胸がいっぱいになります。しかもそれを吉井が「俺たちのチャンピオンベルトのような曲」と言ってくれるとは…!って、この話、長崎の時も書いたね!書いたけど、また書きたい!何度でも書きたい!

 

そしてきましたSWEET&SWEET!やった!ホールの大分で出たという話は小耳に挟んでおりました!ギターは君の手を縛り、で吉井がぐっと腕を前に出して縛られるジェスチャーやってくれたのぎゃーんってなった。まあ私もあれ喜んでやっちゃいますけど。それもこれもTRUE MINDの映像のせいだけど。そのままアウトロから太陽が燃えているにつながるのもホールの流れと同じ。この、メカラ7、SLS、7、SLSとツートンカラーの縞模様の波のようなセトリの構成。過去と現在を行ったり来たりしているような不思議な気持ちになったりして。

 

太陽が燃えているも、SUCKも、武道館で聴くとまた格別の良さのあるスケールの大きな曲だなあとしみじみ思いました。SUCKは全部盛りしちゃうと尺取るから一番シンプルな形でしたけど、あのスネア二発から吉井のマイクスタンドぶん回し、エマのぎゅいんぎゅいんくるギター、そしてハンドクラップ、盛り上がらないわけないですよ。ユアラーイフ、からFATHERへの入り、やっぱりTRUE MINDに入ってる映像を思い出さないではいられないんだけど、間奏のとき吉井が後ろにさがって、なんか指輪をはめているような素振りをしたのでなになに?って目を凝らしたけど当然見えません!あとでサイトでねたばらししてくれてたね。その指輪をつけたまま、あの間奏のところでぐるぐるまわって、倒れて、「耳を当てたまま目を閉じる」…んもう大好きな流れじゃんかよ~!(泣)

 

そのあとのMCで、この武道館に帰ってこられたことの感謝を口にしていたんだけど、「ここでこの曲をやれるということのありがたさ」って言ってて、えーっなんだろう、と思ったらフリージアの少年でした。少年じゃないけどねなんて茶化していたけど、でもやっぱり特別な1曲なんだなあ。わたしも大好きだ…あの、最後のリフレイン、マイクから遠ざかるところもそのまんまだった。最後、もしも貴方が今夜僕に、と反転するところもめちゃくちゃ好き。でもって、この余韻のままステージを去ったので、フリージアが本編ラスト…!斬新!ってなりました。

ストリングスの方々がいらしていたので、私の「やってくれ頼む」ベスト1であるところのTHIS ISが来るならアンコールいっぱつめだろうな…などと思っていたらステージに戻ってきた吉井ちゃんが「…座ってアンコールしてただろう!」はっはっは、これも民生に言われたことあるわあ(吉井ちゃんもどこかのツアーで言ってたネ)。

 

メンバー紹介、アニーが挨拶するときに腋を隠すしぐさに「昭和だな」とか言ってたんですけど「お前もな…」と思った私です。エマの投げキス大サービスも笑いました。似合う、似合うよエマはこういうのが!吉井ちゃん、うれしくてたのしくて仕方ないのか、なんかほよほよしていて面白かった。エマと急にお尻をくっつけたがったのは何だったんだ(笑)ヒーセに問題児と言われていたけど、ほんと自由奔放すぎて面白かったです。

 

7を踏襲する路線だったから、ほぼ確信はしていたし、吉井が「前夜雨」なんてタイトルで更新してたりしたので、やるよな、やる、やるはずだ、やるにちがいない!と思っていたけど、本当に始まったらやっぱり格別でした。メカラ8のドームのときに、THIS ISは聴きたいなって思ってて、でも聴けなくて、そこからずっとのどにひっかかった小骨のように聴けなかった後悔が付きまとっていた曲でした。きらきらの、エマと吉井の曲。最後にエマが寄り添うところ、本当に大好き!

 

でもって、おそらく誰もが予想するセットリストナンバー1だったんじゃないでしょうか、「真珠色の革命時代」。だってね、まさにメカラウロコを象徴するような楽曲だものね。間奏で吉井がエアギターでエマの指を追うところ、美しかったなあ。この曲が、吉井和哉どん底であった時代に、いつかここから抜け出そうという思いを込めて作られたのだと思うと、この記念すべき日にこの場所で鳴らされるこの曲、というものに特別の感慨を抱いてしまう。曲のアウトロのときに、ストリングスのところまで登っていく吉井を見て、あーあれだ!って思ったし、吉井の指揮からのSubjectiveへの流れも本当に好きすぎる。あそこでさ、弾いてるひとの隣で当て振りしちゃうところとか、もちろん変身!ポーズも、本当にメカラ7を見ているようで、すごく不思議な気持ちになりました。

 

砂の塔が続いたので、新曲でおしまい…なのかな…とか思ったけどまあそんなわけなかったです。吉井がアコギ持って出てきて、お友達と「だよね」「だよね」と頷き合う。もうあれしかない。吉井がギターをじゃーんとストローク。あれしかない!ご丁寧におそその説明してたのおかしかったなー。ひとりひとりに歌わせるつもりだったけど時間がない、なのでまとめて歌えーつって3人に託したのはいいんだけど、けど、アニーが、歌に、入れない(爆笑)もうさ!エマがすごい顔でめっちゃ「いま!いま!」ってゆってるのに「え?え?」てなるの面白すぎたわ!吉井が「本当にドラマーなんでしょうか!」って言ってて笑いました。アニーかわいかったよ(笑)アコギ弾きながら吉井が顎で客を煽るの本当めちゃくちゃかっこいいし、この曲であそこまで客をぶち上げさせる吉井たまんないよね!でもって「センキュー愛しています、アバンギャルドで行こうよ!」

 

昔読んだインタビューで、吉井がこのアバンギャルドのことを「この曲をやるとメンバーが愛おしくなる気持ちに近いような感じになる」って言っていたのを思い出したりして、やっぱりこれをやらないと、年は越せないよね~!だし、今年の汚れ今年のうちに!だし、武道館、年末、THE YELLOW MONKEYとくればアバンギャルド!ってぐらい、このバンドを象徴する楽曲だよなあと。

 

そしてそのままあかつきにーーーー!!!でASIANへ。このとき、暁に、果てるまで、日本国旗に敬礼を、って言ってくれたのめちゃくちゃうれしかった、うれしすぎてそのあと「暁に目を向けて」って歌ったかどうかを覚えてない!歌ってくれたと思うんだけど!いつもは「暁に背を向けて」なので、武道館で国旗を見ながらこう歌うのが大好きなんだよ…!それにしても、ほんとに吉井はそういうところで絶対はずさない…!降りてきた電飾をどお?って感じで示して、電飾に触れてあっちぃ!みたいになってるのもかわいかったし、花道で匍匐前進したらすごいスピードで急降下していたのも面白かったなー。

 

それにしても、ASIANの強さ!私にとってのSONG OF THE YELLOW MONKEYだし、この武道館でもっとも聞きたかった曲でした。この曲だけは4人にとっといてくれと祈っていた時もあった。その願いがかなって、しかもまたこの武道館であのイエッサー!ができる喜び。満願成就でした。本当に。最後、みんなで写真を撮っていたけど、有賀さんとミッチが両方揃っていたのも、うれしかったです。

 

最後、暗転して、客電がつかないので、なになに、と思ったら映画の特報第2弾。その中で、ホールライヴあとの楽屋でスタッフが「東京ドーム楽しみですね」って言ってカットアウトするという。ドーム!って!言った!と隣のお友達の肩をつかんで揺さぶるわたし。というのも、そのお友達がずーーっと、リベンジっていうなら、ドームをやらなきゃじゃん!と言っていたからなの。ほんとにそうなった!っていうかこの1年、ほんとにそうなった!って何回言ったんや!

 

この翌日、2017年の12月28日の武道館は30周年のBUCK-TICKが使うことが判明したわけですけど、いやでもBUCK-TICKさんでよかったです。思い返せば1997年の12月28日はテレビ局の企画に持ってかれたんだったわね…(笑)そのあとは改修でしばらく使えなかったりするかもだけど、またいつか武道館でもきっとやるだろうし、その間は12月28日にまたどこかで別のことをやったりするかもだし、帰ってきたからといって安心させないというか、何するかわからないのもこのバンドらしいかなという気はします。

 

思えば2006年12月28日、ちょうど10年前に、吉井和哉はここで「きめた!12月28日は毎年おれがここでやる、ここを吉井武道館にする!」と高らかに宣言したのであった。翌年にはTHE YELLOW MONKEYのデビュー15周年に触れ、俺だけでもここでやり続けられたら、と言い、でもやっているうちにいろんな使い方ができるかもしれないしね!と彼は言っていた。そしてバラ色の日々を歌う前に、高らかに「THE YELLOW MONKEYも一緒に!」と叫んだのだった。

 

この10年、吉井和哉が12月28日の武道館を守り続けていてくれた(うち1年は福岡)ことは、私にはすごく大きなことだった。でももう、あのバンドが帰ってきてくれたので、そこにTHE YELLOW MONKEYがいれば、私はそこにいくだけなのだ。押部啓子さんがメカラBOXのブックレットで言っていた、「メカラに対する引きずるような残像」がようやく姿を消した気がします。この夜に起こったいろんなことを、またいつか遠く思い出す日が来るのかな。その時は、ああ、楽しかったねって、思い出せるといいな、そう思います。

 

 

セットリスト 1.MORALITY SLAVE 2.DRASTIC HOLIDAY 3.FAIRY LAND~電気じかけのナルシス 4.SECOND CRY 5.FINE FINE FINE 6.VERMILION HANDS 7.聖なる海とサンシャイン 8.Four Seasons 9.SHOCK HEARTS 10.RED LIGHT 11.セルリアの丘 12.パンチドランカー 13.Sweet & Sweet 14.太陽が燃えている 15.SUCK OF LIFE 16.Father 17.フリージアの少年 アンコール 1.This is For You 2.真珠色の革命時代(Pearl Light Of Revolution) 3.Subjective Late Show 4.砂の塔 5.アバンギャルドで行こうよ 6.悲しきASIAN BOY