吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011 ~born-again~@日本武道館レポート

毎年この吉井武道館の感想の時に書いてるような気もするんですけど、武道館は生中継をご覧になっていた方も多いと思いますし、レポもたくさん上がっていると思うので、なんつーか感想メモみたいなかんじです。ちなみに放送された分はまだ見れてません!ひーん。

登場の時のSE、THE APPLESではあると思うんですけどそのものでもないような。逆回しなんでしょうか。この日は久しぶりにアリーナで見ていたんですけど、やっぱり吉井には武道館が似合うなあなんて思いました。国旗と、ぐるっと囲んだ客席と、あの空気。

無音dBでスタンドプレイの新技がね!と城ホール見た後お友達にしつっこく言っていたんですが、今日もやってくれたね!つーかあのパワーライトが(って言ってますけど正式名称知りませんwあのブロック型の照明のことね)「毎日が悶々と」でマイクスタンド吹っ飛ばす瞬間に一気にきらめくのがめちゃくちゃアガった!!

大阪ではVSの時に革ジャンをもう脱いでたんですけど、この日はなかなか脱がなかったっすね。心中「絶対FINEで脱ぐつもりだろうおまい」とか思っていたことは内緒ですw

MCで「新曲もたくさん…あ、たくさんでもないか…」と素直に言いなおすあたりかわゆすでした。あと「昔の曲も、今の吉井和哉のバージョンでやれているとおもうので」とも言っていたような。「born againツアーの最終日、いや、この春から続くFlowers & Powerlight ツアーの最終日です!」そして「今年の汚れ、今年のうちにーーー!」うおおおおお!!

煩悩コンロトール、2回目にして突然自分のツボにはいってきた感が!あのサビに行く前の余白とかすげえかっこいい。あとこの時ストロボライトだったですよね確か。ほんとストロボライトと赤い照明がまじ世界一似合う吉井(言わせておいてください)。ここからFINE×3へつながるのが全然違和感ないのがすごいよなあ。そしてやっぱりFINEでジャケットを脱いだ!本日も城ホールと同じ青!そしていきなりのボタン3つ開け奥義炸裂!

私個人的には、FINE FINE FINEとBURNってのはとにかく菊地英二というひとのあの独特のリズムがもっとも活かされている曲だと思っていて、FINEはもうこれはアニー曲といっても過言ではないというほどに彼のドラムを愛しているのですが、しかし大阪城ホールでもこの武道館でも、あーこのリズムじゃない、と思うことがほとんどなかったんですよねえ。あまりにも吉井のパフォーマンスがすごすぎるのでそれに気を取られているだけなのか、佳史さんのドラムがアニーに寄せてきているのか、それとも「それが気にならない」ようにアレンジされているのか。

今回セトリに組み込まれたバンド時代の3曲のなかで、たぶん私が一番執着してるのってFINE なんだよなあ…なんて、あの圧倒的な、圧倒的すぎる吉井のパフォーマンスを見ながら改めて思いました(RED LIGHTは執着というよりも憧れ感が強い)。しかしまあ寸分違わぬ、と言いたくなるようなあの動き。すごいね。本能ですよねあれはもう。この日の低めのSTRIKEもちょうかっこよかったな…!

そしてここから母いすゞ。あのイントロの動きはやっぱりお米ですよね(最後「おひつのごはん」の歌詞のときに同じ動きをしていたので)。この曲はほんとかっこいい、なんつーんだ、そんじょそこらのやつには到底手に届かないかっこよさがある。途中で「長女もいない」って歌ってたのもよかった。下から見上げる形で見ていたので、あの「父ジャンとは」のあと、吉井が首つりのジェスチャーをして右手を高く上げ、そこに白いムービングライトがざああっと降りてきて吉井がシルエットになる光景はまるで一幅の絵のようでした。

HATEのときだったかなあ、ちょっと声が苦しそうになったところがあって思わずが、がんばれ…!と手に汗握りましたけど、そういうときでも無理矢理声を出そうとするというよりは、声の出し方できちんとコントロールしてましたよね。もともとすごく好きな曲だし、こうしてツアーのメニューに入れてくれたのうれしかったです。パワーライトがまるで燃え上がる炎のようにも、きらめいている星のようにも見えて印象的でした。

クランベリーのあのブレイクのときのニヤリ顔、もう本人も客席が喜んでるのわかっててやってますよね(笑)歓声あがったもんね、モニタにも映ってないのに。みんなもう「ここ絶対いい顔」って把握しての阿吽の呼吸的な。でもって、とっても甘い味するよって2回歌ってました。大事なことだから2回言いました的な。どんだけ甘いんだよ!(笑)

クランベリーのアウトロ、やっぱり「みんな みんな 花のように」って言ってたなあ。あーもうそれにしてもこのドラマ性というか、吉井の動きひとつひとつが美しすぎて震える。ステージに座り込んでるときも、モニタにもたれかかって「熱い夜が欲しいんだろ」とささやくように歌うときも。今日はあのクククっという嗤いがよく聞えてギャってなった。あれ大好きなんだ…そしてこの日は上手側だったので左利きの少女のときの手がちゃんと見えたよーー!ぎゃおーーー!!

RED LIGHTの最後、吉井が「少女は 娼婦の」って歌うところはもうバンド時代からすいません吉井しか目に入りません!ポイントなんだけど、城ホールで見たお友達が「最後のとこのウブちょうかっこいいよ」というので、最後の瞬間がんばってウブを見てみた!肘をあげてアップで最後の音を弾くとこマジちょうかっけええっす!

そのあと吉井が後ろを向いてなんとなくボタンを留めなおしてる風だったんですけど(それだけだったのかな?なんか「いろんなことが起こります!」とも言ってた気が)また外すために留めなおすんですねわかります。次のALL BY LOVE、個人的にはこの日のライブの白眉といっていいほどによかった!!特に間奏の、ウブが前に出てきて佳史さんのドラムが重なって、吉井がステップ踏んであの武道館の客電とパワーライトが一斉に全点灯したところはすばらしかった~~~!!すでにクライマックスですかというほどの高揚感。あー年末だな、武道館だなって感じだったなあ。

そのままあのギターのリフが鳴って嘆くなり我が夜のFantasyに。いやーその前のALL BY LOVEでスイッチがはいっちゃったというのもあるんだけど、なんつーんだ、吉井を目で追う!という気持ちよりも「自分が気持ちよけりゃそれでいい!」みたいな状態に突入しつつあり、文字通りくるいおどりをしておりました。あのライライラーイ、のときの手の動きとかはやっぱり追っかけちゃうんだけどさ!レインボーカラーの照明がステージを照らしたり客席を照らしたりですげー幻想的だったです。このあたり連続でウブのギター聞かせどころだったよね…!

そのまま次の曲になだれ込むわけですが、吉井が「今日限りの再結成!」やっぱり!来るんじゃないかと思ってたけど!やっぱり!!!「来年こそ夢を正夢にしようぜ!!スペシャルゲスト!ダチョウ倶楽部―――!!」武道館今日イチの大歓声!!!

しかしマサユメを嘆くなりとビルマニアの間という、本編のキモの部分に据えているだけにダチョウさんたちもたいへんだったんじゃないかとおもう…!もう客席は興奮状態MAXですしねえ。しかし上手下手中央でヤー!をやってくれて、吉井の股間ムッシュムラムラまでやってくれてましたww

竜兵さんがねえ、すごく緊張されていて、しかも声がガラガラで(風邪でしょうか)、なんだかはらはらしてしまったけど、あの竜兵さんが歌うところ、吉井が上手の花道で客に背中を向けていて、かわりに歌ってあげてたっぽかった。こっちむいたときのはにかみ顔ちょうキュートだった。吉井のやさしさライセンスないぜハンパ。

しかしJAPANのインタビューで山崎さんがマサユメとバスツアーだけがセトリのなかでよくわかんないみたいなことを仰ってましたが、えー!と思いました。なぜ。バスツアーちょう楽しいしマサユメめっさ盛り上がるやん。この日はダチョウ倶楽部さんがきてくれたってのもあるけど、そうでなくてもめっさ盛り上がるよ!楽しいよ!

そして嵐のように現れて嵐のように去っていくダチョウ倶楽部さんたち。なぜならそのままビルマニアのイントロが始まるからです!ほんとにわざわざありがとうございました(深々と礼)ライブのあとの打ち上げ写真も含めて楽しませていただきました~~!

大阪城ホールのときもそうだったんだけど、今年はほんとうにいろいろあった、それはまだこれからも続いていく、というMCからのLOVE & PEACEは、それでもここが武道館という場所であるからこその切実さがどこかにあったように思う。この曲を歌っている彼を見ていると泣く、というのとはまた違う感情がどこか湧き上がってくるような気がします。熱い塊が自分の中をかけめぐっているような。大きい歌になったし、なってしまったという側面もあるのかもしれないけれど、それだけの器がこの曲に備わっていたということなんだと思います。この1年間の私を支えてくれた曲でもありました。本当にどうもありがとう。

アンコールの拍手の時、アリーナですごくがんばってくれてる男の子がいましたよね!やーでも男の子のファンほんと増えた!と思う! アンコールでの吉井のシャツは城ホールのときとおんなじかな。

「春のツアーで中止となってしまった箇所を回るのと、年末恒例になっている武道館と大阪城ホールを組み込ませてもらってこうしてひとつのツアーとしてやらせてもらってるんだけど、このborn againツアー、今日で終わるのはほんとにもったいない!」と言っていて、思わずぶんぶんと首を縦に振ってしまいましたが、自分でもったいないって言うあたりさすが吉井だしいやでもホントもったいない。もっといろんなところで見たかったって思うし、この勢いでツアーがもっともっと成長するところを見たかったって思っちゃいますよね。裏吉井和哉的なメニュー(シングルが2曲しかない)というのは城ホールでも言ってたけど、あとはカップリングとかアルバムの7曲目に入ってそうな曲ばっかりですってのはその絶妙な例えに笑ってしまいました。ちなみにRED LIGHTはそのものずばりで7曲目ですね(笑)

ばらばらになっていた自分のパーツがそろった、ようやく心臓がはめ込まれた気がする、来年また音源制作にとりかかりたいです、「変な曲いっぱいつくるからな!」

アンコールも城ホールと変わらずのセトリ。MUSICはやっぱり「どんな時も傷にしみ込む吉井和哉があってよかったな」って歌っていて、これ城ホールのときも思ったけど、あー吉井がこんなふうに自分で言えるようになったんだなってことにちょっと感無量だったんですよね。

そしてもはや年末武道館恒例と言っていいFINAL COUNTDOWN。吉井があの両手を交互にあげるのを一緒にやってくれてて、あー楽しい、でも終っちゃう、でも楽しい、って感じになる。うしろのモニタに5分割でメンバーが映るところすげーカッコよかった。メンバー紹介はわりとあっさりめだったけど、うぶに「来年もよろしくお願いします!」つってたのでまたうぶきてくれるのかしらん(キラーン)。バーニーには「飲むか!朝まで!」つってたよね。そしてまた「日本一鎧兜が似合うギタリスト」つってたよね。三本の矢と三歩歩いての話もしてましたよね。おまえはバーニーさん大好きだなほんと!

そうそう、今日もボーカルの斉藤和義です!つって「愛なき時代に~」つって歌ったあげく「強くなりたい 強くなりたい」で「強くなろうぜー!」なんという人のふんどしで相撲!と思いましたマル

最後、FLOWERを歌い終わったときの吉井の顔、すごくよかった。吉井さんにとっても、それこそ有意義な1年だったんだろうなと思うし、なんというか本当に万感の思いのこもった顔で、見ているわたしにもぐっとこみあげるものがありましたです。

はけていくとき、吉井がステージのぎりぎり前まで出てきて、上を見上げて国旗を指さして、あって、やるかな、やるかな、って私はどきどきしながら見つめてしまったんだけど、最後にきれいな敬礼をして彼は去って行きました。あー。もう。

ツアーの最終日、としてまっとうした武道館、という感じのライブだったかなと思います。全体的な調子としては城ホールの時のほうがいろんな意味でイケイケだった気もしますが、でも吉井も自分で言っていたけれど、この年の瀬の28日、武道館という場所が醸し出す空気はやっぱり独特ですよね。ライブだけではなく、この日は友人たちと集まって、吉井をネタにああでもないこうでもないと盛り上がって、ライブを堪能して、それでまさに今年の汚れ、今年のうちにじゃないけど、年を越せるなって気がします。

この日は九段下に泊っていたので、翌朝帰るときに朝の光の下の武道館をもう一度遠くから見たのですが、なんというかある種やっぱり神々しい、トレビの泉じゃないけれど、コインをなげて「ここにまた戻ってこられますように」と祈りたくなる何かがありました。でも、今年ほど、その当たり前にあることのありがたさを実感させられた年はなかったかもしれないですね。

明日のCDJが終われば今のところ吉井さんのライブの予定というのはないわけで、思えば去年の城ホールのときから、丸々1年間「この先のライブ」というものが約束された状態が続いていたんだなと改めて思いました。さびしいよね、これが今まではいつもの形だったんだけど、次が決まってないということの寂しさに慣れるのにしばらく時間がかかりそうです。逆にいえば、この色んな意味できびしかった年に、吉井がずっと「次の約束」をくれていたことのありがたさが身にしみたということでもあります。ツアーにイベントに、ほんとにいっぱい吉井さんのライブを見られた年でした。いい1年でした、いい1年にしてくれたこと、心から吉井さんに感謝します。