悲しきASIAN BOY #9

アバンギャルドのアウトロの中、吉井がマイクスタンドから乱暴にマイクをもぎ取って叫ぶ。「暁にー!」THE YELLOW MONKEYファンにとってもっとも幸福な瞬間のひとつ。

武道館は会場の関係でイエッサー!の特効が下からドカンじゃなくて上でパアン!の火花型なんですよね。個人的には横アリぐらい遠慮会釈なく下からドッカーーン!っていくやつの方が好み。でもそれを差し引いても武道館の、日の丸の下でのASIANは格別です。なんなんだろうなこの特別感。ほんとにこの曲がもっとも似合う場所だし、もっというなら武道館にもっとも似合う曲だとすら思うよ(大きく出た)。

一糸乱れぬワイパーを繰り出す観客もすごいけれど、最初から全体的に皆まるで真冬の盆踊り(©フラカン)かのごとく「同じアホなら踊らにゃ損損」的な、あたまおかしい感じ(全力の褒め)が会場を満たしているのがすごく好きです。

特効やワイパーだけでなく、間奏の吉井の匍匐前進やアウトロでエマとヒーセが揃って中央に出てくるところとか、「それを見るのが楽しみ」というある種のお約束がこの曲にはたくさんありますよね。それだけこの曲がこのバンドにとって長い間とっておきのキラーチューンで在り続けたからなんだろうなあとおもいます。