SO YOUNG #9

Merry X’masはDVD化されたときの特典映像で入っていたのでここでは省略。ちなみにメカラ7単品ならびにDVDBOXに収録されているものと、メカラBOXの映像は編集が違います。なんとわざわざ再編集。すげえ。

さてメカラ9もとうとう最後。正直、この前のMerry X’masが終わってマリーさんが舞台を去ったあと、ふたたびメンバーが出てくるまでの記憶がいっさいありません。暗転したのか、アンコールの拍手を送ったのか、どれぐらい待ったのか、いやもうびっくりするぐらい覚えてない。それほどまでにマリーさんにしてやられていたということなんでしょうか。

吉井が「新曲を」と言って、さっきのことがあるから微妙にリアクションの悪い客席に「嘘ばっかりついてるから」って笑ったところから、記憶が鮮やかに刻まれていて、ほんとうに、もうニューヨークでとってきました、って言ったときのトーンとかまで、ぞっとするほど自分の中にしみこんでいるなあとDVDを見ながら思いました。

それまでギターを持ってなかったのに、間奏以降は吉井がギターを持っていることとか、最後にクラップを煽っていたりとか、新しい曲だから、当たり前だけれど演奏にこなれた感がなくて、でもそんなときでもやっぱりヒーセのベースが土台を支えてるよなあと改めて思ったり。

曲に入る前の「青春」というMCも含めて、これは「おわりのはじまり」を象徴するような楽曲になってしまったところがあるし、後出しのセンチメンタリズム全開でいえば、最後にギターをストロークするときの吉井は「やっと終わった」という顔をしているようにも見える。

でも実際のところ、あの日現場にいた私たちは、いや少なくともわたしはほんとうにのんきで、武道館の前で友人たちが出てくるのを待ちながら、みんなでそーやーーん!と叫んでみたり、そうやんそうやん!と茶化したりしてげらげらとすべてをなぎ倒すようにわらっていたのだった。だいたい、吉井が新曲のタイトルを言ったとき、そーやん?ってなんのこと?とすぐには変換できなかったもんですよ。

そんなもんです。人間はそんなにドラマチックに生きられない。いつだってその時は気がつかない。そしてずっとあとになって、それがどんな瞬間だったか、痛いほどわかるときがくる。

でもそれが、青春というものなのかもしれないですね。