吉井和哉 Flowers & Powerlight Tour 2011 ~born-again~@大阪城ホールレポート

行ってきました、盆上げじゃないborn againツアー!!長年城ホールには通っていますが、BOX席に座るの初めてでした。いいよ!BOX!なにがいいって椅子がいい!みんな立ったりししなかったらどうしようというのが一番の心配のタネだったのですが普通にみんなぎゃんぎゃん騒いで踊っていたので無問題でした。

以下、がっつり曲までねたばれれん!!!

途中のMCで吉井が「ようやく本当のパワーライトをお見せできます」的なことを言っていたんだけど、あの照明マジですごい、あれホールでもライブハウスでも同じ照明だったんでしょうか、だったらどうやって組んだのだ!うおー!知りてえー!(←照明フェチ)

背面に横長のスクリーン、それぞれ左右にも小さいスクリーンがあって、三面鏡のような状態。SEの中メンバーが出てきて始まるのが「born」。スクリーンにネイティブアメリカンのような、天使のような羽をつけた男女が背中合わせに立っていて、強い白の光にメンバーがシルエットとなって浮かび上がる。なんという美しいオープニング。

第一声でぬおっと思ったんですけど、すごく深いよく響く声で歌っていて、吉井が歌っているのに吉井の声じゃないみたいな、そんな不思議な感覚がありました。スクリーンの映像は、そのスクリーンの白を照明代わりに使う点もふくめて、スピッツの「新月」のパフォーマンスを彷彿とさせましたね。ジャグリングやどこか土俗的なダンスがスローでとらえられているとてもインパクトのある映像でした。

続いて無音db。一曲目がどこか厳かといってもいい入り方だったので、ここでようやく点火というところではあるんですけど、まあ点火の仕方がハンパない。どんなロケットスタートなのかと。あのね、今でも自分の見たのはなんだったのか…って感じなんですけど、あいつ、マイクスタンドに体を預けて歌ってて、それでその一瞬後にその姿勢は動かさずにスタンドを足でなぎ払ったんですよ!!えーーーー!なにーーーー!!今の大外刈りプレイなにーーー!!どこの新技ーーーー!あまりのことにふぎゃっ!つって変な声出ちゃったけどそれもこれも吉井のせいだから許してほしい。マジあれだけで白飯三杯イケる。

黒い革ジャンをこのときはまだ着てたのだけど、次のVSで左右花道を駆け回りながら上着を脱ぐと、そこは雪国じゃないそこは青い天国だったのです。吉井の青シャツという名の天国。想像してみてください(イマジン)、あれほどまでに吉井にシャツを着ろと、インナーを着るなと、男なら素肌に直!とかいう話を散々していたわけですが、吉井が白シャツ五原則を、いや白じゃないけどまあシャツ五原則を備えているところを、こうもやすやすと見られるようになる日がくるとはあの頃の私は想像だにしていなかった(あの頃っていつだ)。しかもやつは革ジャンを脱ぐやいなや

「はいはいこれをこうすればいいんでしょ」

とばかりにやおら胸のボタンを一つ二つ開けて見せるプレイ。

しかも外した後のシャツの形がよりえろくなるようにわざと襟を整えて見せるプレイ。

どんな王様の遊びですか(鼻血を拭きながら)。

最初のMCで「めっちゃ会いたかったですぅ~」とエセ関西弁が早くも登場(笑)あと岸和田からきました、とかゆってましたね。なして、岸和田…(朝ドラ…?)

Next Innovation、煩悩コントロールと新しい曲を連続で。煩悩コントロール、はじめてちゃんと聴けましたけどゲームPVのバックで聴いたのとはかなり印象の違う感じ。えっらいドラマチックな曲だなあという印象でした。スタンドマイクで歌ってたと思うんだけど、すごく激しいアクションがあるわけではなくてもとてもセクシーな佇まいだったなあと思います。

ちなみに私、今回セトリを完全にバレた状態で見ていたので、何をやるかというのは知っていたんですね。知っていたけど、あのドラムのイントロが入って、吉井が獣のような唸り声をあげてFINE FINE FINE VERY FINEと歌いだすところ、もう完全ネジ飛びました。しかも真っ青なシャツを着た吉井が、歌い始める前に膝からゆっくりと頽れて、上体を起こして歌い始めるとかえっなんなの、これなんなの今いつなの、だってなにもかもが、なにもかもがあの頃の動きそのままで、固い頭のときに手のひらでぱんと頭を軽くはじいたり、あのくねくねダンス、首つりの木のジェスチャー、ハンティングのときのあの動き、まっすぐねじれた、で本当にまっすぐねじれてみせる当てぶり、カモンカモンカモン、プリーズ!!!で客を煽って見せるあの手、なにもかもが、なにもかもが私を芯から興奮させずにはおかないものばかりだった。

惜しむらくは、というか、これは単なるわがままなんですけど、FINEのときにもスクリーンを、ぜひ、使ってもらいたかった…!だってSTRIKEのとき、あいつ絶対最高の顔してるに決まってるんだも…!

そのまま母いすゞへ。まったくテンションの違う曲なのに、なんだか違和感がないのがすごい。最初吉井が手拍子をしているのだけど、ふつうに手をたたくんじゃなくて、左手をひらひらと泳がせるようなジェスチャーをしていたのが印象的だった。くるっと手首を回してパン、くるくるっと2回回してパン。そのときの照明が白いサスペンションで、吉井の白い手だけが浮かび上がってひらひらと泳ぐようでとてもきれいだった。なんだかお米をといでいるような動きにも見えたなあ。

私はとにかく母いすゞ超弩級の名曲だと思っていて、ただあまりにも音源の完成度が高いのでライブでは逆にどんなふうになるんだろう、と思っていたんですが、なんだかよくできた短編映画を見ているようでした。とくにすごいと思ったのが、間奏でマイクスタンドを櫂に見立てて船を漕ぐジェスチャーをしてみせたあたり。あの空間の演出力というか、一瞬で違う世界を創出させてみせる演出力っていうのはすごいものがありますよね、吉井和哉というひとは。

いすゞのあと、というのもあるかもしれなけど、ダビデがすごくあっさりとした曲に聞えた感じはあったかなー。音源を聴いたときにもおもいましたけど、ほんとロマンチックにもほどがある曲ですよね!さっきみたいな超どエロの顔するかと思いきやここまでロマンチストだったり、この振れ幅こそが吉井和哉吉井和哉たるゆえん。

HATE、なにげに久しぶりではないでしょうか。もともとものすごく好きな…というか、特別な曲で、どうしてもいろんなことが頭をよぎってしまいます。でもこの日は、この曲をよく聞いていたときとは違うことをやっぱり思い浮かべました。それはこのクリスマスに近い日にちのこともあるし、3月の震災のこともあるし。何度聴いても、この曲には、去りゆく人たちが残されたいとしいひとたちに抱く普遍の思いがあって、その思いの切実な響きが私の心を打ってやまないのだとおもいます。

クランベリー、ブレイクまではギターも持たず。そしてブレイク後が尋常じゃないスピードだった!速っ!と思わず声に出てしまったぐらい速かったね…!ライブでこういう速さを味わうのもなんだか久しぶりな感じ!あとマイクスタンドを後ろ手にトスしつつくるくる回ってたのってここだったかな、ってもう自分の説明下手に瀕死!なにいってんのかわかんないよねコレ!

そのクランベリーのアウトロのとき、吉井がそれにかぶせてマイクに向かってなにか言っていた。たぶん次の曲のイントロとなるあの曲、「みんな みんな」って歌ってたとおもうんだ。そしてあのギター。ふらついているような、でもキレのある足取りで歌われる「ジャガーの曲」。

私この日下手側から見ていたので、左利きの少女のところの左手が見えなくて、ああっ!そっちか!知ってたけど!!でも脳内で完全補完完了です!!みたいな心境になりましたね。ウーララの時の動きも、バイオリンのときも背中の羽のときも、ああこうなる、こうなる、と思っているものが目の前に次々に現れてくるこの感覚をなににたとえたらいいのか、気持ちいいことしか起こらない映画のようだった、ほんとに。Dメロに行く前にばったりとステージに倒れこんで、そのままはいずるようにモニタにもたれかかって「熱い夜がほしいんだろ」と歌いだしたときのあの壮絶とも言いたくなるような佇まいまで、なにもかもが完璧だった。そして最後の、吉井がマイクを通して荒く息をつきながら「少女は娼婦の」につながるところ。ああ、もう!

終ったあとで吉井が「すごい気持ちいい」って言ったけど、そりゃそうだろうよ、こんなにも思い通りに、自分が客席を掌握している感じが気持ち良くないわけないだろうよ!しかもこの日はスタンドの上までびっしり人が入っていたのだもの!

それにしても吉井は汗で化粧が崩れて髪型が乱れてからが本番です、というのが私と友人たちの間での定説なんですが、ほんとこういうときの吉井の美しさたるやですよ。このへんで青いシャツのボタンがさらに開けられていて、途中完全に左肩露出!鎖骨全見え!みたいなことになってなんちゅう誘惑の罠や!とふるえましたね!ぷるぷる。あとどうでもいいけど袖ボタンが常に外しの状態でしかもまくってなかったので、ときどきちょこんと指先だけ出てる時があって萌え袖ktkrとか思ってしまったすまなかった。今も反省していない。

しかしここまでまったく、曲間を空けなかったのもすごかった。どれだけ体力あるんだ。しかも声量も落ちるどころかどんどん調子があがる一方だし、調子がいいんだろうなあというのがもう、溢れ出てる感じでしたよね。そのままぴょんこぴょんこ跳ねながら、ここもほとんど曲間を空けずにみんな一緒に歌ってほしいなとか言いながら「つらいこともいっぱいあるけど一緒に頑張ろうって曲です」といってALL BY LOVE。大阪楽しんでーーー!!って歌ってたなあ。でもって、この曲の間奏のとこ、ウブのギターが入って佳史さんのドラムが重なっていくとこがもーめさめさかっこよかったの!!でもここ吉井のステップもちょう見所だからマジ目が足りねええ!!セットの後ろに配置されたブロック型のライトが全点灯して演奏も相俟ってものすごい高揚感がありました。あと吉井が両足そろえてぴょんって高く跳んだのとかもうやめてえええしぬううう(萌えで)って感じだった…!

バスツアーはライブのほうが断然楽しい曲ですねえ!すげーミラーボールがほしくなった…wバックの映像がそれこそずっと「バスツアー」っぽい、高速道路とかを走っている映像ですごくよかった、曲と相乗効果になってたなーと思います。

そしてなんと「嘆くなり我が夜のFANTASY」。あのイントロ。ギターのリフ。やっぱイエローモンキーの曲はどうやってもイントロで火が点いてしまうよね。なんだかドラムのアレンジが変わってたような気がしたけど、それが嫌じゃなくて今の「嘆くなり」になってるんだなあと思いました。思いましたっつーか、まあ踊りくるってたのでなんだかよくわかってなかったのかもしれません。あのライライライ、のときの左右に振る腕とかびろうど、のときの手つきとかを見てくるいおどりをせずにいられるかっていう。いやいられない。

みんなでもっと見ようぜーーー!マサユメをーーーー!!からマサユメ。いやー盛り上がってた!!オーディエンスの反応が抜群だった。まさかこの年になって自分がダチョウ倶楽部さんのギャグを全力で叫ぶことになるとは思いもしませんでした!しかもそれが楽しいっつーね(笑)いやしかし引きでみればこれだけの人が一斉にムッシュムラムラする画って…なんて不思議楽しい空間なんでしょう…(笑)

そして間髪いれずにビルマニアへ。ハンドマイクのまま、おおさかーーーーーー!!!って叫んでました。これもオーディエンスの反応がすごくよくて、ちゃんとこういう曲が待たれているっていうのは健全なことだよなあなんて思ったり。それで、吉井がマイクスタンドを高々と掲げてみんなに歌わせるところ、春のツアーではそのスタンドを後ろに放り投げるプレイがご披露されていたわけですが、この日はそのまま足の間をくぐらせるという新技に出てましたよ!なに!今日だけでいくつ新技披露してるの!マジこの子のポテンシャルハンパない…!

年末の忙しいときに、吉井和哉を生で見ようと集まってくれてありがとう、本当にありがとう、と何度か繰り返してたの、なんか気持ちが伝わる言い方でぐっときたなあ。で、去年よりたくさんチケットが売れた、斉藤和義のおかげだと思いますwつってました。出たせっちゃんwwもう~~~、この仲良しさんたちめ~~。それでたぶん、ちがうよ、とか、関係ないよ、とかいう声が飛んだのかな、吉井が「わかってるわっ!」ってツッこんだのがちょうかわゆかったです。

本編でMCらしいMCはほぼここだけで、シングルの少ない裏吉井和哉なメニューでお送りしています、新しい曲から、自分でももう二度とやることはないんだろうなと思っていた曲とかもやってみたり…でも自分でも、今すごくライブをやっていて楽しい、有意義なツアーです。

本編最後はLOVE&PEACE。そういえば、これを初めて聴いたのは去年のここだったのだ、と思い出し、その前のMCで吉井が震災のことを話したこともあって、なんだかずいぶん遠くへきたような気がするな、と思ったのだった。モニタに吉井の表情が大きく映し出されていて、いつものように、顔の真ん中にぎゅっと力をいれて歌っているその表情を見ていると、あーわたしは、このひとのこと、ほんとすきなんだなあ、なんていう今更なことを、でもすごく強く強く感じないではいられなかった。

アンコール。まだ照明が点いてないときに一人、袖から駈け出してきたひとがいて、あっ出てきた、と思ったのになかなか照明が点かず、点いたと思ったら開口一番

「なに座ってアンコールしてんだ!」

ご…ごめんなさいwwwつーかこのセリフつい3日前に別の人にも言われたwwwなんだ君ら!どっかで打ち合わせでもしてんのか!「そんなんしたらあかんやろー」「ほんならこっちも座ってやるでー」←またうまいんだこの大阪弁…腹立つぐらいに…w

まあ俺も来年芸歴20周年だから(芸歴…)、いろんなファンのひとがいますよ!座ってアンコールするのもいいでしょう!トイレが近い人もいるでしょう!!でも、平均年齢は30代がいいよね!で、えーーーーーのブーイング。平均!平均だから!と諭すも聞き入れてくれないファン。ほらーだからこういうこと言っちゃダメって言ったのにーとバーニーのせいにする吉井。なんだこの時間ww

しかも「えーと何言おうとしてたんだっけ、ここで言うことさっき言ったからわかんなくなっちゃった」さすがMCに定評のある男は一味違いますね(しつこい)

来年はデビュー20周年、またいろんな吉井和哉を聴いてもらえるんじゃないかとおもう。ソロでももうすぐ10年、10年やってほんとにいまパワフルにやれている、もっと磨きをかけていきたいとおもってます。変な曲いっぱいつくるぞーー!母いすゞがまともに思えるくらい、変な曲いっぱいつくってやるーーー!

やっとライブで初聴きの「星のブルース」!すごくよかったーー今までやらなかったのもったいないくらい。続いてMUSIC、これはもう安心感といっていいほど盤石のパフォーマンスなんですが、今日はまあよく煽ってくれてました。どんな時も傷にしみ込む吉井和哉があってよかったなって歌ってたよねえ。そういえば、音のない世界あるかな、に入る前の間奏を長くとってて、そこで両ギタリストがギターを変えてたんですけどあれはなんだったのだろう、ファナカンに入りやすいように?

ファナカンはほんと、それこそ去年も思ったけど、バンド時代の曲よりももはやファナカンのほうがなんなら盛り上がるっていう状況になりつつあって、それがさっき言っていたソロでも10年、ってことなんだろうなあと思ったりしました。メンバー紹介つきのファナカンで、ちょっとウブがミスったのをつかまえて「どうした」「まだまだウブだな」誰がうまいこと言えとw笑ったのがバーニーのときの、なんだかだんだん鎧が似合う風体になってきた、日本で一番鎧の似合うミュージシャン(そんなジャンルない)、なんなら3本ぐらい矢が刺さっててほしい、そこから3歩歩いてほしい、まさかべのくさのり!アッハッハもーなんやねんこのひと!

しかも自分のことはボーカルの斉藤和義です!と言い放ち、あろうことかあのバックの演奏のまま「やさしくなりたい」をちょっとせっちゃんを装って歌ってみせるとかなんなのか。に、似てないんだからね!(ほんとにな)

ラストはやはりFLOWER。ギターをもっていないということもあって、なんだかMステのときを思い出したな。年の瀬ということもあるし、やっぱりいろんなことがよぎりますよね。間奏の時ぱっと後ろを振り返って観客に背を向けていたのがなんだか印象的でした。最後はモニタの正面、左右と、それぞれの角度から撮られた吉井が映し出されていて、歌い終わったときの宙を見つめる目と、そのあとの満足げな顔がすごくよかったです。

最後は投げちゅーしながら帰っていきましたよ。

吉井さんもそうだったかもしれないけど、私もたぶん見終わった後相当満足げな顔をしていたんじゃないかと思います。とても楽しかった。途中なんども、結局のところこの吉井和哉がもたらす興奮というのはいったいなんなのか、そしてそれがどうしてこうも私を捉えて離さないのかとあの狂騒の中で思ったりもしましたが、それすらも押し流していくような怒涛の、圧巻ともいうべきステージングでしたし、そしてこういうアリーナクラスの会場だからこそ見せる彼のライブモンスターぶりがいかんなく発揮されていた2時間だったんじゃないでしょうか。

照明がほんとにこれはまさにパワーライトだわ、という仕事師ぶりで、モニタもナポリタンズ全員がバックに映ったときとか、すっごくテンションあがったし、なんならもっと使ってもいいぐらいだったのにー!なんてことも思いますが、モニタがなくても天井知らずに盛り上げてくれる男だもんね、ほんとに。

赤い吉井青い吉井、というか、陰と陽というか、なんだか春のツアーが太陽のようだったとしたら、まるで月のようなのがこの盆上げ、じゃないBORN AGAINなのかな。時に冷たく、時に優しい。

次は武道館ですね、39108以来のツアーファイナルとなる武道館。もう絶対すごいことになるにきまってる、なんて普段は「がっかりしないようにあまり期待しないでおこう!」とか予防線をはるチキンな私でもそう断言したくなるほど、この日の吉井は還元濃縮吉井和哉でした。へんな言い方だけど、ライブの途中で、ほんとにここまでいろいろいろいろいろいろあった、吉井もあっただろうけど、それを見ている私たちにもあった、でもこうしてここまで見てきてよかった、こんな日がまたくるなんて、となんだかそんな喜びをかみしめたりもしたのでした。12月28日。心の底の底から楽しみです。