ありがとうYOSHII LOVINSON

吉井和哉「10th Anniversary YOSHII LOVINSON SUPER LIVE」行ってきました。さいたまスーパーアリーナ、たぶん3度目なんですけど来る度にハコのサイズ感が違うので軽く戸惑う(笑)ほんといろんなところが自由自在なんだなあ。

生中継もされていたし、実際のステージの詳細については私がなんか言うどころの話ではないという気もするので、もはやレポではなくて「行ってきました」という報告のようなものですがいちおう自分の気が済むように書いて残しておきます。

途中のMCでも言っていましたが、2001年にはじめて「ひとり」でステージに立ったのがこの場所、という話。私その日、観に来てないんですよねー。なんで見に来なかったかっていうとその日、つまり2001年10月9日ですが、その日が第三舞台の休止公演大阪千秋楽だったからです。そこから12年経って、吉井和哉はこの会場でソロでワンマンをやるようになり、第三舞台は10年の休止の後に2012年に解散する、と。動いていないようですごい速さで動いているよ時の流れってやつは。

登場のSEからしてat the Black Holeで、そして1曲目がアレンジバッキバキに決めた20GOで、まさにYOSHII LOVINSONスーパーライブなんだなあ…と思わせる幕開け。ステージでは特効の炎まであがっていて、なんだか不思議なオープニングでした。それが一面赤の照明をバックに吉井和哉と今回のバンドメンバーが浮かび上がりPHOENIXが始まった瞬間、いままでが壮大な序曲だったかのように会場が爆発したみたいな感じになったのが印象的でした。

それにしても、ほぼステージ幅と同じ特大のモニターを設置して、特効もバンバン使って、あと照明もここぞとばかりに派手に組んでいて、この人のこういう、ステージの上でケチケチしない、みたいなところは私が大好きなところのひとつだなあとしみじみ。アリーナもホールも好きだけど、アリーナで出来ないアーティストになりたくない、とかつて語ったことがあるけれど、ほんと吉井ちゃん大きいハコ似合う。大きいハコの似合う吉井ちゃん大好き。

今回はあの特大モニターの仕事師っぷりと照明の豪華絢爛ぶりに助演賞をあげたいくらい、ほんといい仕事してました。PHOENIXで6人全員が分割であのモニターにばんっ!と映ったときの華やかさカッコよさったらなかったもの。しかも黄金バッドのときは正面の3つのモニタがジョシュのスネアとハイハットとバスドラのペダルに固定されて1曲通して動かないっていう、黄金バッドはジョシュを見ろ!っていう強い意思を感じないではいられませんしそれをやりきっちゃうのがまたすごい!ほんとすばらしいよ。おかげさまでジョシュを堪能させていただきましたよ。

at the Black HoleとWHITE ROOMからたっぷり選曲してくれていて、個人的に「今日聴けなかったらもう当分機会はないな」と思っていたSpirit's Comingを聴くことができてなんとなく満願成就!みたいな気持ちになりました。最初のツアーでやったっきりで、しかも2daysの片方でしか出なかったので、聞きもらしていたのよねー。

やってくれるかなーと期待していた曲はほぼ聴けたと思うんですが、その中の1曲、SADE JOPLINにはブチあがりました。やっとSADEきた…!という意味でもブチあがりましたし(フーツアーのSADEのすごさを忘れられない私だ)、このときのモニタのすばらしさにもブチあがりました。あのー6人全員をソロショットで抜いてるんですけど、微妙に寄りで押さえていて、全員顔が見切れているんですよ。んもー、顔が見えない写真を心の底から愛する私ですから、この御馳走かと思うような6人のショットに「これ!これを!6枚組のポスターで売ってくれ!」と悶えました、悶えまくりました。あとそれだけ手元にカメラが寄ってるのに歌の間ほとんどギターを弾かない吉井さんにも悶えました。ああ~しかしSADE素晴らしいですよね。なんでもっとやってくれないのか!ぶーぶー!

RAINBOWも久しぶりでしたね~。小さいミラーボールが4つ?5つ?べっかー!と光って、そこからさらに虹色に展開してすごかった。NATURALLYも今日はやってくれるんじゃないかなーと期待していた曲で、実際に聴いたらやっぱりあのアルバムに収められているような、らしくない優しさと頼りなさに満ちた歌声ではなくて、堂々たる、朗々たる吉井さんがそこにいたわけですけど、でもそれを寂しいとは思わなかった。ただあの頃、このどこかありきたり、とでも言えるような歌詞の、だからこそその優しさに慰められていた頃もあったんだよなあ、と懐かしく思い出したりしました。

そういえばSWEET CANDY RAINの前にPVの台詞が入ってましたね。スイキャンもだけどFALLIN’ FALLIN’やFOR ME NOWとかもっとセトリ入れていこうぜーって思うよなあ。もっと、といえばMUDDY!これもブチあがりました。いや、期待はしてたんだけどさ!私はいつ何時でもMUDDY待ちです。もう嬉しさのあまり跳びはねすぎて足が攣りました。どれがおれのはか、でメンバー紹介になったんだけど(ジョシュの時の長く続く拍手すごかったね!)、吉井が流行語大賞の季節ですね、つって、今年の候補は、と言ったときに会場全体の(もう大賞決まったのに)(さては吉井ちゃん大賞が4つって知らないな…)といううすぼんやりした反応笑いました。笑いました。そしてじぇじぇじぇからバーニーのバババ、に行くまでの中途半端さ愛してる、愛してるよ。もうなんでもいいよ(なげやりか)

煩悩コントロールがきたときに、あーこの会場すげえ照明映えするから点描の方も聴きたかったナーと思っていたらあとで出てきて思わず快哉。期待通りど派手なレーザーばんばん飛んで、また間奏のジョシュのドラムの追い立てぶりもすさまじくて、いやー堪能した。光も音も堪能したよ。

SADEのアウトロや、恋の花、ノーパンみたいな、ライブならではの演奏が堪能できる楽曲を選んできてたのはこのメンバーだからってこともあったんでしょうか。でもあれだよね、前にジョシュが来てくれたDHMTのときはほんとにジョシュの存在感が猛烈すぎて、吉井も後ろから重戦車に追い立てられてるみたいだったけど、今回はちゃんとあの場を御していたものなあ。とはいえ、アンコールのルビーはジョシュが猛烈すぎて吉井殆ど覚えてない!つーかルビーって、ルビーってあんな…あんな曲になるの!?ぐらいの衝撃…すげーなーすげーよー

終わったあとの感想をツイッタとかで見てても、照明すごかったなーっていうのがすごく目に着いたけど、ほんとたまアリって照明映えするんだなーって思いました。もちろんめちゃくちゃ派手に組んでるというのもあるけど、線で見せる照明も面で見せる照明もどっちもすんげえよかったので、見ていて楽しいことこのうえなかったです。モニタもほんとにありがたかったし、それ以上にライブを見事に演出してくれてたなー。あのビルマニアのときの48分割の凄み!って何を数えてるんだ私は。

アンコールのラストがトブヨウニで、ファナカンやスティルアライヴが出なかったなーという驚きもありつつ、「なくしてしまったものならかえってくることある」というこの曲でYOSHII LOVINSONに「ありがとう」というのもそれはそれで美しい光景のような気もしました。

黄金バッドのあとに「ヨシイロビンソンです」という挨拶を兼ねた短いMCがあったほかは、ほとんどMCを挟まずに最後まで一気で、でもその数少ないMCのなかでちゃんとジュリアンの話をするところが吉井ほんとおまええらい、おまえのそういうところがおいちゃんは大好きだぞ!と思いました。ああいうとこ見習いたい。ああいうとこ、吉井の人間性というか、人としての品があるところだよなあとおもう。

本編のラストがWHAT TIMEで、そういえばフーツアーではこのロビンソン最後の曲から吉井和哉最初の曲、BEAUTIFULへのバトンだったなあ、なんてことを思い出したり。走馬燈ではないけれど、やっぱり過去のあんなことこんなことが頭を過ぎることもたくさんありました。たとえばCALL MEの「おれでよけりゃ」の時のライト、スポット2本で吉井だけを照らして、それが大きく広がっていくのがAT THE WHITE ROOMのツアー、つまり最初のツアーでやったときの照明と同じ動きで、そういうのが頭に思い浮かんでしまうというのがまあ、積んできたものでもあるんだろうなあと。っていうかね、自分でも意外だったというか、1stと2ndの曲はイントロでぱっとタイトルが思い浮かぶんですよちゃんと。でもソロキャリア後半になるにつれ、曲はもちろんわかるけどタイトルとの連動に時間がかかる。で、なんでかなーって思ったけど、やっぱりあの頃飢えてたんですよね。それが吉井になのか、イエローモンキーの残骸になのかはわかんないけど、その飢えが私に何度も歌詞カードをめくらせたし、何度も再生ボタンを押させたんだろうなあ。

なので、そういう飢えて貪っていた時代の曲をたくさん聴けて、この夜は幸せでした。

あの炎さながらに、いろんなものが昇華したようなライブでした。このさらに10年後も、こういう幸せな夜を持つことができますように、と祈りつつ。


<セットリスト>

SE. AT THE BLACK HOLE
01. 20 GO
03. 黄金バッド
04. JUST A LITTLE DAY
05. WANTED AND SHEEP
06. RAINBOW
07. CALL ME
08. SADE JOPLIN
09. FALLIN' FALLIN'
10. SPIRIT'S COMING (GET OUT I LOVE ROLLING STONES)
11. NATURALLY
12. 欲望
13. 煩悩コントロール
14. 恋の花
15. SWEET CANDY RAIN
16. TALI
17. FOR ME NOW
18. MUDDY WATER
19. 点描のしくみ
20. ビルマニア
21. WHAT TIME
<アンコール>
22. BLOW UP CHILDREN
23. ノーパン
24. ルビー
25. ALL BY LOVE
26. トブヨウニ