生まれ変わってもまた会おう

同じ場所でまた会おう。

 

FM802のBINGTANG GARDENという番組に4人がゲストで出て、「9999」リリースを記念して9つのクイズを出し、それぞれの回答が一致するかしないかでシンクロ率を確認しましょうみたいな企画をやってくださってて、んまーものの見事に全9問、かすりもしねえよ!って感じでひとつも全員一致の回答がなくて、まあその全員一致がひとつもないってところがTHE YELLOW MONKEYらしいよねっていう。みんな好き勝手話してて最高に笑えて楽しかったし、ツアーも始まり9999のプロモーションもなんとなくここらで打ち止め、って感じですが、DJの深町絵里さんはこのバンドにひとかたならぬ思いがおありのようで、でも番組中「自分語り」は一切なさらずに時には鋭いツッコミもあって、こういう番組によばれるのも4人の縁だし運だよな~と思いましたし、日曜日の夜をゲラゲラわらってすごせて最高に楽しかったです。

 

きょうのラジオの中でアニーは「メンバーの中で生まれ変わるなら誰がいい?」って質問に「自分」って答えてて、その理由が「ライヴのこと考えたら他の楽器できないなって思っちゃう。うしろから前の3人を見ているのがすきだから生まれ変わってもあそこがいい。」ってことだったんだけど、この後ろから3人を見ているのが好き、みたいな話は以前もしていて、私の中ですごく印象深いのが、普段(ライブ中の)メンバーの顔は見てないけど、ときどき吉井が気合の入った顔のまま振り向くことがあって、その時はドキッとする、こんな顔をして歌ってるんだなとおもう、って話をしていたことがあったんですよね。今日のラジオでそのアニーの発言をちょっと思い出したりして。

 

で、わざわざブログを書き始めたのはそのラジオのことってよりも、そのラジオの中の発言がすごくアニーらしいなって思ったのと、実は(実はってこともないか)アニーはインタビューとかでむちゃくちゃいいことを言ってくれるんですよねってことが書きたかった。

 

先月発売された「音楽と人」の中のアニーのインタビューで心に残ったところ。

俺、何の才能もないけど、人を見る目があったんだよね。(中略)その引きの強さと見る目でそこまでいけた。でもそれでしかなかったんですよ。THE YELLOW MONKEYが一回成功したことで夢が叶ってしまったし、その先のヴィジョンを何も考えていなかった。それがなくなるなんて、考えてもいなかったしね。

で、2013年にロビンからメールをもらうんだけど、その時は本当にやるかどうかまだわかんなかったんですよ。でもね、そのTHE YELLOW MONKEYでもう一回叩けるかもしれないって光が見えたときから悩みみたいのが吹っ切れたんだよね。それでわかったの、俺はドラマーでもバンドマンでもなく、THE YELLOW MONKEYのメンバーでありたかったんだなって。それが自分のなりたかったものなのかなって。

-「音楽と人」2019年5月号より引用

 

インタビュアーも思わず「いい話ですね」って言っちゃってたけど、ほんと、もちろん「今だから言える」「ここだから言える」話でもあり、でもアニーらしい(この素直さは本当に得難い)なって思うし、そのアニーが見た光は私にとっても光だったんだなーと思ったりします。

 

このインタビュー記事を読んでて思い出したのが、バンドが解散中の、そう、ちょうど10年前ですね。THE YELLOW MONKEYが結成20周年てことで、メカラBOXが出たり、トリビュートが発売されたりといった企画があった中で、ROCKIN'ON JAPANがすでに解散したバンドを表紙にするのは初!という企画で特集を組んでくれたときのことです。そのときにも4人全員に個別のインタビューがありました。インタビュアーは井上貴子さん。

 

私は必要以上に執念深く、しつこいファンだったので、バンドが解散してからも吉井さんをはじめメンバーが雑誌とかで語る内容には極力目を通していたし、その中には今でも諳んじるくらい心に残っているものがいくつもあります。いい言葉だけでなく、ときには傷つくこともあったけど、でもメンバーそれぞれにあのバンドに対して愛情があったことは十分に感じられるもので、それは執念深いファンにとってはありがたいことだったなと、今振り返って改めて思います。

 

なかでも、このときのJAPAN誌上でアニーが答えてくれた内容は、誰かに「こんなふうに言ってほしい」と思っていることをそのまま言ってもらえた、という気持ちがしたこと、文字通り「涙なくしては」見られないものだったことを思い出すし、こういう言葉があったから私はここまでこれたんだなあということを思わないではいられません。

 

いやだからこれ言っていいかどうかわかんないけど、俺、絶対死ねないんですよ。わかるでしょ?そのために生きているわけではないけども、それは俺の義務だし、俺はいつでもドラムを叩けなきゃいけないし。っていうのを勝手に自分に課してるだけかもしれないけど。やっぱりTHE YELLOW MONKEYっていうのは自分の背骨であって、そこで青春を通り越してきて、おかげでそれなりの生活もできて、うん。それがもう半分以上、自分であるからね。勝手に投げ出したり絶対できないし、投げ出したくもないし。だからもうちょっと、そういう意識でもよかったなと思う時期もありますよね。その時の自分はそう思っていたんだろうけども、『いや、もっとだよお前、もっと自覚したほうがいい。THE YELLOW MONKEYの再結成はないにしても、おまえのせいで可能性をゼロにするな』。っていう。それだけはみんな感じてるんじゃない?

-ROCKIN'ON JAPAN 2010年1月・2月合併号より引用

 

このときの雑誌では他の3人にもそれぞれ「バンドをもう一度という可能性」についての問いかけが形を変えてなされているけれど、このアニーの答えは、当たり前のようでいて、でも解散したバンドのメンバーが解散したバンドについて語る言葉としてはあまりにもまっすぐで、だからこそファンにとっては得難いものでした。

 

それだけ愛情深く、生まれ変わってもまたステージのうしろで、フロントの3人を見ていたい、そう言ってくれるひとをメンバーに持てているということは、本当にこのバンドの大きな大きな力のひとつだなあと改めて思わせてくれた今日のラジオでした。