30周年が来たりて笛を吹く #21「悲しきASIAN BOY」2019.12.28ナゴヤドーム

撮りたてほやほや未公開!昨年末にナゴヤドームで行われた30th Anniversary DOME TOURより、オーラスの「悲しきASIAN BOY」がご登場です。いやーこの企画が始まった時にさ、折角未公開映像出していく場所があるんだから、ドームのライヴ映像をすぐその場で公開とかしたらいいじゃんって思ってたんですよ。だってさ、観客の心理として、「そのライブの映像を一番欲しているとき」ってライヴを見た直後じゃない?と思っていたら!これだもの。仕事できるね!公式!

 

さて楽曲はもはや何を語ることがあるというのだろう、文字通りTHE YELLOW MONKEYにおけるライヴのド定番、私にとってのTHE SONG OF THE YELLOW MONKEYである。本当に、実際に数を数えたわけではないけれども彼らのライヴでもっとも演奏された曲ではないかと思うし、本編ラストだったり、オーラスだったり、ともかく「最高潮!」というときに演奏されることがほとんどなのも、この楽曲のすごいところ。

 

長年にわたってライヴ経験値を積んでいる楽曲なので、いわゆるライヴでの「お約束」が多い。観客側からするとサビのワイパーとラストのコールぐらいだが、「THE YELLOW MONKEY」の電飾に始まり、冒頭の特効、イエッサー!での敬礼、吉井の拳を振り上げる動き、「牙を立てる」で吉井が胸をかきむしるところ、匍匐前進、貴様と俺とは同期の桜、ラス前でのエマとヒーセがセンターで寄り添うところ…と、文字通り枚挙に暇がない。これが武道館になると「日本国旗に敬礼を」が冒頭に差し挟まれたり、「暁に目を向けて」と歌ったりするし、ドームでこの曲といえば…紙吹雪でしょう!ということで、この日も盛大にきらきらと銀テ金テが降りそそいでいる。

 

ちなみに、この日は珍しく、ASIANでのお約束中のお約束の「介錯」をやっていない。夢よ飛び散れ花となれ、のあと、首を落として、それを高く掲げるのも、この楽曲のお約束のひとつ。

 

この日のラストの曲なので、50オーバーのメンバー全員が約3時間のライヴをやったところだというのに、エマやヒーセの前を文字通り失踪する吉井だったり、最後にドラムをぶっ叩くアニーだったり、もちろんエマもヒーセもゴリゴリに元気でピカピカに輝いている。本当に客前であればあるほど輝くひとたちだよなあとおもう。

 

これは完全なる蛇足ですけれど、バンドが解散している間、吉井和哉は自身のソロ活動のなかでバンド時代の楽曲をやる機会が少なからずあったが、この悲しきASIAN BOYはその中には入らなかった。再集結初日の代々木でのライヴで、ついにこの曲を聴けたときの「本当に帰ってきた」という胸をつらぬくような感慨を、今でも鮮明に思い出します。