THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE BUDOKAN SPECIALに行って…ないけど中継を見たのよ

30周年記念ライヴ、オーラスはやっぱりこの日この場所でしょう、12月28日、日本武道館!私はと言えばとうとう首の皮が繋がりませんでした!残念首の皮!今までありがとう首の皮!なので自宅からWOWOWの放送で拝見することとなりました!

 

現地に行っておりませんので、これはレポではなくて、いやいつもレポと言えるようなもの書いてませんけど、いつも以上にレポではない何かです。

 

WOWOWの中継は前説部分から音が聞こえていたんだけど、東京ドームのフリフラ回収率が99.47%だった、これは空席部分もふくめてほぼすべてのフリフラを回収できたということ、過去に例を見ない素晴らしい数値だったのでここでご紹介します、とお話があり、ひゃーまじめだねおれたち、と感心しました。そのあとのSEが愛の賛歌だったので、やっぱり武道館にはこれなんだなーとしみじみ。

 

全体的に1st、2ndからの楽曲が多くて、武道館で(そしてメカラで)わりと馴染みのあるjaguarの楽曲がASIANしか入らないという構成、ちょっと驚きました。いや横アリも代々木もjaguar抑えめだったじゃないですか。だってROCK STARすら入ってない。代々木で街の灯が入ったのはエマ曲だからだし、武道館はjaguarから多めにもってきたりするのかな?って考えたりしたんですけど、んもー今回ぜんぜん予想が当たらない。いや予想が当たったためしなどないわけですが。1年前のナゴヤドームが「ジャガーになる歌」で始まりシルクで終わる、という構成だったので、それ以上の構成を武道館で描くってことはないってことなのかなー。

 

一方でこれも初期曲中の初期曲、このバンドの始まりの歌とでもいうべきLOVERSは今回セトリに入らなかったわけだけど、その代わりこの第二期の始まりの曲でもあるSubjectiveが入ったのかなーとか。あと、最新アルバムの中から今回組まれたChanges far awayとロザーナってわりと再生の楽曲ってイメージがあって、誕生に替わって再生を思わせる歌を組んだのかな?なんて思ったり。ど頭をDAN DANで楽しく打ち上げて始まったのもよかった。

 

途中のMCで武道館を勝手に聖地と呼ばせてもらってますけど、最初にやったときは嬉しくて楽屋で髪の毛を切りすぎてね…と吉井が話した時に後ろのアニーがオフマイクであっはっはそうだったって言ってるのに爆笑し、そこに更に吉井が「今日も若干失敗してますけども…(メンバーをさして)いいですね皆さんいつも安定して」つったのにも爆笑しました。またエマが「みんな今笑えないからね」って言ったのが「これウケてないわけじゃないよ」っていう意の優しいんだかトドメをさしにきてるんだかわかんない合いの手言うんでマジでヒャッヒャッヒャッと笑い転げてたら、吉井が「お茶の間ではドカーンですから。ヒャッヒャッヒャッつって」と言ったので「こっちが見えてんのか!?」と思いました。お茶の間ではドッカーンでしたよ吉井ちゃん。あとお友達がとにかくおでこを出しなさいって言ってたよ吉井ちゃん。

 

そんでそのちょっと前にメカラウロコというのをやってたけどそれは終わって、普通にバースデーライヴってことでやらせてもらっています、とか言っておきながらその舌の根も乾かぬうちに「売れなかった時代の下々の曲をやってみたいな」つって、浮かばれないブギーを聞いてくださいって投下するのが審美眼ブギ、Foxy、SLEEPLESSのド鉄板のメカラシークエンスですよ。ドームではFoxyからのSLEEPLESSはセトリに入ったけど、審美眼が加わってようやく御三家そろい踏みです本当にありがとうございました。んでもってめちゃくちゃ楽しそうじゃないですか皆さん。下々の曲を愛してやまない連盟会員番号1038番としても嬉しいですよ。エマとヒーセが吉井越しにアイコンタクトしながら弾いてるのマジで尊さしかなかったね…。

 

蔵出し曲としてPANITENTをやってくれたんだけど、その前に「その会場ごとに適したメニューでやってきたんですけど、今夜もう在庫があんまり残ってません」っコメントに「そんなことないでしょお!?」と素でツッこんでしまった私です。いやわかってる!皆まで言うな。そのライヴごとの特異点というかね、この日ここでやることに意味がある、みたいなストーリーを持つのが大好きじゃないですかうちのバンド。そういう意味での「在庫」ってことだってわかってます、わかってますってば。いやでもねえ、まだアレもコレもソレもあるじゃない、って思っちゃうのがおたくの性なんですよ。

 

「免疫あげるといいよお?果たしてこの曲で免疫あがるかわかりませんけども…だいぶ免疫低いときの曲だから…」とか「色んなことが満たされてないけどいつか夢をかなえてやるぜみたいなことがいろんな方向にいってしまったような歌詞です」とか、マジの蔵出しなだけに若干の自虐めいたコメントもありましたが、あれだよね、ドームライヴの幕間に流してくれてた時から思ってたけど、ちょっとTEARS OF CHAMELEON (Mr. PAPER MOON)ぽさあるよね?劇画調というか。私は好きです!(堂々宣言)

 

しかし、1年越しでふたたび"I"に陽の目が当たろうとは、ですよ。いや正直ね!これほんとナゴヤドームでもしこれがセトリに入ってなくて、この武道館で久しぶりの登場だったら、そしてそれを中継で見てたら、多分この時点で気絶してたと思う、くやしすぎて。よかったよナゴヤドームで聴けてて…これについては以前わたしがどんだけ"I"を待ち望んでいたか縷々連ねたエントリがありますのでそっち読んでください。いやしかしどうなのこの堂に入った演奏。まじやり込んでる曲のそれやん。自由自在にかっこええやん。なんでこんなに長いこと放っておかれたん!?とこうして鮮明な映像を見ながら思いましたよ。あのファックミー!のとこでドラム前にかがみこんで裏声シャウトしたとこ、思わずコラアアアアアア!!!なにしてくれちゃってんのーーー!!と叫びました。叫びましたとも。こうして録画を残せるのマジでありがたい…。さあ吉井ちゃん、次は「僕は…」のモノローグから始めてみようか。大丈夫大丈夫!できるできる!(誰だよ)

 

インディーズ時代の蔵出しから30年ぐらい時代飛んでロザーナに、さらにまた20年ぐらい戻って"I"にってこの振り幅、時代の高低差ありすぎなんですよ。そこが好きなんだけどね!?

 

あとFATHERもね、もちろん今までも大好きな曲だったけど、今回はまた違った響き方をしたというか…。それこそTRUE MINDやメカラ7のビデオの編集を手掛けられた、わたしが神と崇める山本浩市さんが、FATHERは最初ピンとこない楽曲だったけど、自分が父親になって、子どもと一緒にTHE YELLOW MONKEYのライブビデオを見た時、この楽曲にすごくささるものがあった、と仰ってたことを思い出す。いろんな、私たちにはとうてい思い至らないいろんなことがあって、こうして世に自分の名前と顔を出すことをきめた人がいることを私も頭のどこかで考えたからかもしれない。荒れた海のような恋もするだろう、越えられない山も死ぬほどあるだろう…。

 

アンコール、12月28日の日本武道館のセトリでオッズを出したら1.1倍がつきそうなアバンギャルド、腕の振りでフリフラが映えるROMANTIST、これをやらないわけがないASIANとまさにド鉄板の楽曲ばかり。しかし、全員あのキス魔スク(自分の顔のやつ)で登場したんだけど、もう絵面が面白すぎるんですよ。ハミングどころじゃねえ!特に完全にコンセプトを無視したと思われるヒーセのてへぺろマスクはなんなんだ!面白すぎるじゃないか!

 

当たり前だけれど彼らはこうしてステージに立つ人生を続けていく中で、客席から一切の「声」が返ってこない状況に初めて立たされたわけだけれど、若干でも戸惑いのようなものが見えたのは11月の東京ドームだけで、そのあとはその状況を受容して、受容するだけじゃなく利用して、声ではないけれど客席からのパワーをぐんぐん吸い上げてて、それが如実にステージングにも現れてるし、その反射神経のすごさたるや、と改めて感動してしまう。アバンギャルドの「フゥ~!」ってお約束のリアクションがないのはさびしいけど、そのかわりにアニーがシンバルを鳴らしたり、ハミングを提案してみたり、拍手で歌わせてみたりして、この人たちの「現場勘」ってほとほとすごい。それはなによりもこうして人が集まる「ライヴ」ってものが自分たちの本筋だと思っているからこそなんだろうな。

 

ラストはWELCOME TO MY DOGHOUSE。そりゃ武道館のASIANのあとにスタンバれるのなんて、この曲ぐらいしかない。かつてバンドの始まりの1曲であり、終わりの1曲でもあった曲だ。曲前にかつてないシンプルなメンバー紹介があり、それでは、また、お会いしましょう、といってあの吹きすさぶようなお馴染みの前奏。同じセリフを言うのかな、とちらっと頭をよぎった。「普通の野良犬に戻ります、WELCOME!」

 

ライヴの冒頭からかさねて、念入りに、確実に釘をさすように、これでしばらくお休み、しばしのおわかれ、ということを伝えられてきていて、最後にこれかあ~!と正直ぐっと心臓を掴まれたような気持になったことは否定しない。本当にいつでも、その直前までは誰よりも惜しんでいるくせに、最後にはもう「次」のモードになっちゃってるの、吉井さんのそういうとこ…そういうとこ、今まで何度も見てきたよ。

 

そして、そういった感傷をふき飛ばすほどに、犬小屋はいつ何時でも最高にかっこいい。こんなにも4人のかっこよさが結晶のように凝縮した楽曲は他にない。この話何度もしてますけど何度でも繰り返します、わたしのサビだから。

 

でもオタクっぽいことを言わせてもらえばね、この普通の野良犬って台詞は、もちろんキャンディーズの「普通の女の子に戻りたい」のオマージュで、さらにいえばメカラウロコ8の、以前同じセリフを言ったときは正確にはそのあとに「そして、我がTHE YELLOW MONKEYは永久に不滅です!WELCOME!」といって曲になだれ込んだわけだけど、それはかつての後楽園球場という場所柄あってこその台詞でもあったわけです。だから今回のは場所に関係なく、メカラ8に引っ張られてその台詞が出てるわけで、そう思うとなんだか吉井さんよ、かわいいやつだな、なんてぐりぐりしたくなるのもやむなしじゃないですか。

 

あとやっぱり彼ら的には、東京ドームのラストナンバーだったプライマル。が本当の第二期ラストナンバーで、プライマル。で始まりプライマル。で終わる構成を描いていたんだろうなあとおもう。私の大好きな環を描いて終わる構図!気が合いますね!

 

誤解をおそれずに言えばね、私は「この先」のことをあまり信じていないんです。このバンドと付き合うときには、いつも目の前で起こっていることだけに全力を注ぐと決めてきました。あるかもしれない物語を描いて目の前のことを見失わないように。今日と、いいとこ明日ぐらいまでしか見ない、そんな近視眼的な付き合い方をしてきたのは、もちろん、過去に永久に不滅ですと言ったまま戻ってこなかったからということが関係ないとはいえません。

 

あの時とは違うというのではなくて、あの時も今も未来のことなんてわかんないじゃないですか。あの時は今こうしている未来を見ようとしたけど、見たかったけど、どうしても見えなかった。でも今はバンドがこうして目の前にいる。THE YELLOW MONKEYが。それはすごい希望ですよ。

 

20年前、私は自分の日記に「彼らはもう一度4人でやることを願っていると思えるが、信じているとは思えない」と書いたことがあるけど、違うところを探すとすれば、今の彼らはそれを信じていると思えることかもしれないです。

 

だって、いつでも最後の楽曲の最後のフレーズがいま自分がいちばん言いたいこと、という吉井和哉の法則にしたがえば、彼らがいま一番いいたいことってこれじゃないですか。未来はみなくても、その願いを信じることはそんなに難しいことじゃないような気がしています。私のねがいはもはやみんなが無事で、元気で、健康で、音楽と人生を楽しんで毎日を過ごしてくれることだけだよ!30周年ドームツアー、アーンドおまけの横アリ代々木武道館、本当にありがとう、おつかれさま、この困難な時代に私たちにあくまでも「ライヴ」を届けてくれようとしたメンバー、すべてのスタッフに特大の感謝と愛を捧げます!だから、

 

また会えるって 約束して!

THE YELLOW MONKEY 30th Anniversary LIVE BUDOKAN SPECIALセットリスト

 

1.DAN DAN

2.Subjective Late Show

3.Chelsea Girl

4.FAIRY LAND

5.Tactics

6.VERMILION HANDS

7.Changes Far Away

8.審美眼ブギ

9.Foxy Blue Love

10.SLEEPLESS IMAGINATION

11.PENITENT

12.ロザーナ

13.“I”

14.バラ色の日々

15.SUCK OF LIFE

16.FATHER

17.未来はみないで

~アンコール~

18.アバンギャルドで行こうよ

19.ROMANTIST TASTE

20.悲しきASIAN BOY

21.WELCOME TO MY DOGHOUSE