THE YELLOW MONKEY SUPER JAPAN TOUR 2016@神戸ワールド記念ホールに行ってきたのよ

レポは熱いうちに(早いうちに)書けと昔の人は言ったもんですがほんとそのとおりですね。皆様こんばんは。早いもので神戸のライヴからもう1週間近く経とうとしてますヨ!

 

ヒーセが、神戸ワールド記念ホールTHE YELLOW MONKEYとしては初めて…みたいなこと書いてて、アレっパンチのアリーナツアーとき来てないんだっけ、と思ったら来てませんでしたね。なので98年7月の神戸国際会館以来の神戸公演ということになります。

 

吉井が福岡終わったあとモバイルで「神戸…何かが起こる?」みたいなこと書いていたので、吉井の断言は真に受けないが仄めかしは大いに真に受けるタイプのヲタとしてはなんじゃろなんじゃろ、と期待していたというか、ぶっちゃけセットリストいじってくるのかな!な!なんて思ったりしてましたが、やっぱりその通りだった!うはははは!

 

1日目の最初のMCの時、ん?あれ?吉井がギター持ってるぞ?ギターを持ってる、ということは?A HENではない!なぬー!と色めき立ったわたしです。吉井も、今日初めてこのツアーに来る人も、大阪城ホール行ったよって人もいるだろうし…(客から拍手)ね?いるよね?新鮮味がないわねって言われちゃわないように今日は初めてやる曲あるからね…などと言ってさんざんに客を喜ばせていたのであった。

 

初出しの曲だけまとめると1日目A HENの代わりにTVのシンガー、アンコいっぱつめにパール。2日目はチェルシーの代わりにサイキック№9で同じくアンコいっぱつめはパール。すごい…もう完全に8月のスケジュール(横アリ、フェス)を見据えた選曲だ!とか思ったわたしです。パールはね、横アリではわかんないけどひたちなかでやらないわけなかろうとは思っているわたしであるよ。TVのシンガー、サイキック、それぞれFIXだったりスプリングだったりを彷彿とさせる選曲ですよね。

 

神戸の初日、どこがというわけではないんだけど、吉井に緊張というか、硬い空気があったように感じられて、なんでかなと思ってたんだけど、初出しの曲やるからだったりしたりしたらなんというかわいいかよ案件って感じですね!(感想には個人差があります)

 

とはいえ2日目はさすがの2日目男というか、初出し曲があろうがなかろうがぶっ飛ばしてくるあたりがね!なんだろう、緊張しぃでもあるけれど、アジャスト能力が異常に高いんでしょうね。あと周りのメンバーが常に高め安定なのもいいんだろうね。4曲目にサイキック持ってきて観客だけでなく吉井本人もブチあがったのか(そりゃアガりますよねー!)、もうA HENに行く前にジャケット脱ぎ捨ててた!いつも麗奈かFINEの前だったような気がするので、そういうところにもテンションの高さが表れてたよな~と思います。

 

twitterのレポで書こうと思って忘れてて、そして忘れるとそれがいったいどこでなにをやったんだか1日で忘れる鳥頭で残念無念なんですけど、あのねー、吉井が投げウィンク?みたいなのやったんですよ。ウィンクを左手で受けてふーって息で飛ばすの。あれ空の青だったかなあ。空の青といえば、あのエマのスライドギターのところでマイクを望遠鏡に見立てて覗き込んでいたのがすっごく絵になって素敵だった。角度的に表情をとらえるのが難しいんだけど、のぞき込みながら、わらってたんだよねえ。

 

私が吉井にはシアトリカルな部分がある、と感じるのは、こういうところで、つまるところ演劇というのは見立てることでもあるんですよね。吉井はそういう嗅覚がものすごい優れてる。とはいえ、それは「演じる」というベクトルとはまた違ったりもするんですけれど。

 

2日目の見てないようで見てる、個人的には、この曲についてはこの日がベストじゃないかって感じるほど、よかった。何がって、楽しすぎて、楽しすぎて、楽しすぎて感極まりそうになっちゃったのだ(私がだよ)。感傷でっていうんじゃなくて、たのしー!って、それで泣けてきちゃうっていう…。1日目は「泣いてどうなるのかー!」2日目は「夢の続き-!見せて-!」と「そして神戸」をぶっ込んできたところもよかったです。

 

でもってアンコールいっぱつめのパール…!いつか聴けるだろうなって思っていた曲ではあったけれど、これもこうしてみるとあの頃に引きずり戻される曲だし、それを振り切ろうとする疾走感がすばらしいし、個人的にバックの映像の切り替えがめっちゃカッコよくてうおおおおってブチあがったし、どうやってもあの間奏で拳があがっていく光景にぐっときてしまう。

 

2日目はSUCKの絡みのときに吉井がエマの背後にまわったので「あすなろ…」「新しい…」とひとりニヤニヤしましたが最終的にはいつものスタイルでした。なんだいつものスタイルって。このところアニーの次に鶴ちゃんの紹介してたのに、1日目アニーの次「リードギター!」ときて、お、俺ぇ!?と自分を指さす絵に描いたようなリアクションをするエマがかわいかったです。吉井「鶴谷だとおもっただろう!ああたの時もあるんです!油断しないで!」っておーい!2日目はエマと鶴ちゃん交互に指さしながら「どちらにしようかな…」もうどっちでもいいからはよやれ(心の叫び)。でもって、鶴ちゃんのソロのとき、最後ムーディに終わらそうかどうしようか…って感じでちょっとグダってしまったんだけど、すかさず吉井「おまえ終わるのヘタだな!」「そういうセックスするやついるよな」「そういうセックスしてるんだろうな」ひっどい!そこに吉井「許して、愛はあるんです」くっそ…おまえ…(結局ゆるす)。2日目は2日目で鶴ちゃんを前に引っ張り出していろいろいじった挙げ句、そのまま鶴ちゃんの名前コールしようとして、慌ててキーボード前に戻る鶴ちゃんっていう…そして引っ張り出したのは自分なのに「リハーサル通りやれヨ-。あ、俺か」お前だよ!

 

しかし、大阪と神戸なんてほとんどお客さんかぶってるんじゃないかと思うのに、やっぱり雰囲気が変わったりするから面白い。神戸はなんというか、深く聴くのがうまいオーディエンスだなあという印象を受けました。最後にキーボードのソロがある曲とかで、もちろんその前に拍手は起こるんだけど、心持ちストッパーかかった感じというか、最後の音まで聞き届けようという観客全体の空気がある。如実だったのが2日目のSUCKのとき、いつものライフ、ライフ…のあとブレイクになるとこ、ほんとぴたっと静まり返って、吉井がちょっとマイクから離れたところで1回ふうっと息を吐いた音がマイクで拾われて聞こえるぐらいの静寂。あれは感動的だった。

 

なんとなくエモーショナルなMCが多かったように感じられたのも、そういう観客の空気が関係しているのかどうなのか、1日目の時点ですでに「この神戸が終わったら、横浜と福島は違う形態のライヴになるので、このツアーの流れを汲むのはラストの札幌だけ」って話をしていたんだけど、2日目はもう、その終わっちゃうさびしさが爆発しまくっていた。見てないようで見てるの煽りで「終わっちまうぞ神戸――――!!」って言われたのめちゃくちゃぐっときたし、吉井のそういう煽り大好物だし、何度も、何度も、終わってしまう、さびしい、って口に出して言っていた。

 

LOVERS前のMCだったかな、やおら結成経緯の話をしだして、自分はベースだったけどこの怖い人(ヒーセ)が来て縦社会のアレで…(ちゃうちゃう、と笑って手を振るヒーセ)そんでボーカルになったんだけどそしたら今度はエマが『ロビンやっぱオレやめるわ』(←これをエマの物まねして言ったw)って言い出して、そんときもうアニーは加入してたから、アニーも止めてくれればいいのに『それは兄貴の自由だから』とか言っちゃってさあ!前のバンドも兄弟一緒だったから、もう兄弟では(同じバンドは)いいや、って気分だったんでしょうか…ってなんかオレめっちゃ喋ってますけど!いい?いいよね?もうこのツアーも終わっちゃうしさ…さびしいですよ…」ってオイオイかわいいなオイオイ

 

2日とも、JAMの前に神戸の街のことに触れていて、smileのアルバムプロモーションの前日に阪神淡路大震災があったこと、今ある神戸の街の美しさを来るたびに感じているということ、この街を想いながらあの曲を作ったことを思い出しました、と。

吉井は昔、何度か、THE YELLOW MONKEYが解散するずーっとずっと前に、「このバンドが解散することが、ファンにとっての最大の暴力でありますように」という言葉を残していて、それはもちろん「解散」ということを意識していない、まさにこれからという時代だったからこそ言えた台詞だったわけだけれど、1日目の最後のMCでこの言葉のことに触れた。本当に若気の至りというか、あの頃はそれがかっこいいと想って言っていたんだけど、でも実際に解散することになってしまって、と吉井は言った。

解散したからこそ今ここにいられる、と言い、でもその翌日には、どこか冗談めかして25周年といっても9年活動して15年休んでるからね、と自虐的にわらい、そしてまたどこか真剣さを滲ませた口調で、バンドは長く続けないと熟成しないから、俺がこんなことを言うのもなんだけど、今あるバンドにはぜひもちこたえてほしい、とも言った。たぶんどちらも掛け値なしの本心なのだろうなあとおもう。

 

続けていたらどうなったのか?あの時手放さなかったらどうなっていたのか?それを考えないでいるのは難しいのかもしれない。でもへんな話だが、私は今に至るまでただの一度も「解散してよかった」とは思わないし、思ったとしても口が裂けてもその台詞は言いたくないが、「続けていたら」というifを考えることはしなくなった。あったかもしれない物語を追いかけるあまり、目の前のことを見のがしてしまったら本末転倒だもんね。

 

2日目の終演後、またマイクスタンドをずっと握りしめて客席を眺めていて、ぱっとマイクを離すと自分の両耳をぐっとつかんで観客の声を聴こうとしていたのがほんとうにかわいく、そしてなんだかせつなくも見えて、あー、こういう顔をされてしまうと、たまらないですね、と思いました。

 

札幌がこのツアーの千秋楽だとすれば、間の横浜福島は番外編として、この神戸はいわば前楽にあたるわけで、ある地点に到達したツアーの、その行き着くところが目の前に来つつある、という感じ…なんというか、切ない、この切なさこそがTHE YELLOW MONKEYの持つ大きな魅力のひとつだし、わたしはつくづくこういうものが好きなんだなあ…と、特にこの神戸2日目は改めて実感させられました。ステージの上のことだけではなく、自分の体調や、心境や、席や、周囲の観客や、そういった諸々の事情も含めて、こういう1本が見られればもう、悔いはないだろう!というほどにこの日のライヴは自分の中に深く刻まれるものがありました。吉井がSUCKでライフ、ライフ、と叫びながら自分の立ち位置を指さし続けていた姿がまだ目に焼き付いています。

 

さて、次はとうとう、横浜アリーナです。 わたしにとって、今回のツアーでこれ以上の「約束の地」は、たぶんない。 楽しみです。