金曜日夜8時よりの使者

吉井和哉@ミュージックステーション

いつもとあきらかに雰囲気の違う、いつもよりあきらかに笑顔のない中での生放送。照明も、極力暗く。ある意味、異様な雰囲気ではあったとおもう。吉井さんの顔も、とてもこわばっているように見えたし。

でもなんとなく、こういうときだからこそ吉井はきっとやってくれるというような気もしていた。こういうときの吉井は「勝敗を決する最後のプレイ」が託せるひとだと思ってきたし、それを裏切られたことはなかったから。

しかし、わたしの思った以上に吉井和哉は圧倒的だった。あの空気を最後にはすっかり塗り替えてしまった、たったひとりで。4分にも満たないような時間のなかで、信じられないほど見事に、吉井さんは「吉井和哉にしか出来ない仕事」をやってのけていた。

曲の後半で温度をあげていくのはいつもの得意技だけれど、二番のサビの「そう泣くことも そう笑うことも」あたりから一気にアクセルを踏み込んだように感じられた。そこからはもう一気呵成。歌いきった瞬間のあの顔、ほんと最高にかっこよかった。

照明は曲の最初から最後まで一切変わらない、まったくベタなものだったけれど、私にはパアアアっと光が広がっていくように感じられたよ。

今日が中原さんの命日だと前日のモバイルのメッセージで伝えてくれていたけど、もちろん吉井さんはそういうおもいもこめて、いろんな、彼にしかわからないおもいもこめて歌ってくれたんだとおもう。その吉井さんの思いの丈を「わかる」なんて言いたくない。だけど今日の吉井さんのあの歌とパフォーマンスは、大袈裟でなく今日の私の命綱だった。どれだけ疲れ切っても、明日という日を迎えようとおもえる、その力をくれる、表現というものの真の力を、今日の吉井さんはみせてくれた。私はそう思っている。

曲のアウトロが完全にSO YOUNGで、ほええええっ?と驚いてしまいましたが、どうやらこれは今日の特別バージョンだからというわけではなくて音源もそのようになっているらしい。アルバム最後の曲のアウトロがそーやんかよー!なんだよー!もうこうなったら吉井ちゃん横アリやるしかないよー!(何言ってんの

ともかく宝物のような4分間だった。吉井ちゃん、あの雰囲気のなかほんとうにすごい、ほんとうにおつかれさまでした。ほんとうに、ありがとう。