吉井和哉.HEARTS TOUR 2012@大阪城ホールレポート

不思議と、ツアーのファイナル、という感じも、年末恒例、という感じも薄いままでこの日を迎えたのは、やっぱり28日の武道館が控えているからなのかなー。吉井城ホールではなくツアーのファイナルだし、でもまだ28日があるし、という。しかし吉井さんは先日アニーと出たustで武道館のセトリを「3曲ぐらいしかかぶってない!(ドヤァ)」と公言されていましたのでもちろん年末はまったく違うものになるだろうと思うのですが。

私が今回のツアーで参加するのは3本目なんですが、なんかあっという間に時間が過ぎた気がしました。えっもうビルマニアなの!?もう終わるじゃん!とびっくりした。それまではあまり意識しなかったんだけど、WEEKENDERのときにピッチ早いなーと思ったのでそういうこともあるのかしらん。

セットリストは結局、新潟の初日でPainが消えたのと、2daysのところは熱帯夜の代わりに太陽が燃えているが入ったぐらいでほとんど変化なかったみたいですよね(違ったらゴメン)。いや、新旧新旧の構成からしてもぽいぽい変えられるものではなかったと思いますし、それぐらい練られたセットリストだったということなんだと思います。

カメラ用のレールが前と真ん中と2本も敷かれていて、最初はモニタ用かと思いましたがモニタにしちゃ金かかりすぎてるよね!と思ったらMCで吉井さんも「売るかどうかはわかりませんが金がかかっていることは確かです!」言うてました。だからきっと売るんでしょう(笑)城ホールシューティングしたやつとかあんまなかったんじゃない?

しかしせっかく撮影しているのにちょっと歌詞のミスが気になったのがざむねん…!点描のときとか吉井さんもちょっと笑ってなかったか(笑)あとTALIの入りも一小節遅れた(のでバンドが合わせた)ように見えたんだけども。

しかしこの日はあの全体としては神がかりに近かった名古屋でも唯一むーん、となっていたノーパンが自分の中で花丸つき合格点だったのでうれしかったです。膝をついてくるやついいねいいね。その姿勢でストロークする姿のかっこいいことったら!ここのところマイクスタンドの小道具化が著しく、スタンドプレイが大好きな私にはまったくもってありがたい時代がきたもんです。熱帯夜のときにカモン大阪~!でジャケットを絶妙のタイミングでぶん投げたのもアガったなー。野生にかえりましょう!はやっぱり嬉しい。あと点描の間奏部分でのタンバリン、吉井とタンバリンと書いて鬼に金棒と読むぐらいの鉄壁の小道具ですけれど、それに加えて大阪―!とコールしたあとの叩きっぷりとか鬼のかっこよさだったわ…(ぽわわん)

左右に三分割のモニタがあって、1枚として使ったり3枚とも使ったりいろいろでした。それほど大きくないので3分割で使われるとちと小さいなーという印象。よかったのは母いすゞのときにモノトーンになったこと。あれはほんとそのまんま切り取っても絵のように美しかったよなあ。

12月頭の福岡で、来年の12月28日は福岡だよーということがすでに発表されているわけですけど(しかも会場もおおきめ)、ということは来年は吉井城ホールもないんだろうなーと勝手に思っていたんですよね。28日の集客を考えてもそうするんじゃないかなあと、これは私の予測だったんですが、この日のMCを聞いていてやっぱりやらないんだろうなと改めて思ったところもありました。そういう布石を端々で打っていたような気がしたんですよね。

私は今ツアーの武道館には行っていないんですけど、ひとさまのレポで武道館を「自分の家のような」と語ったというのは耳にしていて、この日の城ホールでもそれに近いことを吉井さんが仰っていたので、ということは、つまり、と思ったんです。

毎年毎年吉井城ホールなんておそれおおい名前をつけて、こうしてステキな皆さんと過ごせることがとても嬉しい。ソロになって吉井ロビンソンの頃はこんな大きなところでできなかった、吉井和哉という名前でやっていくことになって初めてこのステージに立ったときのことはだからとても思い出深いです。大阪に育ててもらったようなところがあります、と。

このMCを聞いて思い出すのはどうやってもあのMY FOOLISH HEARTツアーでの最終日、アンコールの最後で吉井が「カバーをやろうか」と言って始まったバラ色の日々のことしかないわけで、あの時は自分の感情で手一杯だったけれど、今振り返って思えば、きっとあの時吉井さんもこわかったんだろうなあなんて思いを馳せてみたりしました。ファンもアーティストも昔の、吉井さんの言葉を借りれば「残骸」に囲まれて、まだ途方にくれていたころだったなあと思う。今そう思えるということは、もうその時のことすら「思い出」として語れるようになっているということなんだなあ。

もちろん来年のスケジュールのことなんか吉井さんのみぞ知るの話なのでこれは私の勝手な妄想と言っていただいていいレベルのことですが、でも「これからもよろしく」だけではない、「今までありがとう」の気持ちも詰まったライブであり、吉井さんの言葉だったように思えました。

今回のツアーは選曲からしても構成からしても「これまで」をすごく意識させるライブだったと思うので、「新譜のようなベスト盤」を発売してからの来年のツアーはどうなるのか興味津々です。なんとなく本に喩えたら今上巻を読み終わったような気分なので、続きを早く読ませてくれないかなあ、というところ。次のツアーも初日に伺う予定です。楽しみ!