LIVE

ただいまKIKKAWA KOJI LIVE 2007 CLUB JUNGLE TOUR "TARZAN!"にて絶賛全国ツアー中の吉川さんと菊地英昭さん(だけじゃないけど)ですが、ツアーの合間に「Club Radio Jungle」と称して大阪、名古屋にてそれぞれFM局と連動したライブイベントをおやりになられるということで、そしてなぜか7月6日金曜日名古屋E.L.Lのチケットをすでにゲットしている私だ!はーっはっはっは(新感線笑い)。どうだ驚いただろう。なにがって自分が一番驚いてます。ライブイベントでしかも平日なんで、会場つくのはギリになりそうだしそんなにかぶりつけはしないだろうけど頑張って観てくるも!名古屋の対バンはNONA REEVESなのでそれもちょっと楽しみ。

ライブでのエマって本当に異様に威力を発揮するところがあって、ふつうのジャケット撮りとかよりも、圧倒的にライブのエマは格好いい、掛け値なしに。TOUR’95-’96 FOR SEASONのツアーパンフでエマが書いているコメントがあるんですが、それはライブでのエマの格好良さの根っこにあるものをよく表しているんじゃないかと思う。 

突然ですが、僕はライヴが好きです。ミュージシャンを職業にしていると他にもレコーディングや取材、撮影など色々な仕事をするわけですが、ライヴは本当に好き。本当に心の底から好きです。体調が悪かろうが、どんなにスケジュールがきつくても、ステージに立ってギターを弾きたいと思います。

それは「プロの音楽家なのだから、どんなことがあろうともステージに立ち完璧な仕事をしろ!」という義務感とは全く別次元で、ただ単純に好きなだけです。やはり自他共に認めるライヴ・バンド”THE YELLOW MONKEY”のメンバーの一人だけのことはあるなと自分でもつくづく思います。でも何故でしょう。その事について考えたことはあまりないけれど、自分自身を素直に出せる場所だからなのか。ファンの人たちと同じ空間で同じ空気を感じることの出来る唯一の場所だからなのか。ただデカイ音を出して気持ち良いからなのか。皆に言われるように自己陶酔できるからなのか。バンドがライヴで醸し出すグルーヴがとても気持ちよくて、他の事を考えることすら忘れてしまうからなのか。それとも、ライヴの後の打ち上げの酒が美味いからなのか・・・。多分、いや絶対全部なのでしょう。

そして何より僕達を見るファンの皆の瞳は綺麗です。本当に綺麗です。素直に僕らの出す音に浸り、ステージから放たれる僕ら自身の存在やメッセージ、エネルギーを見つめる皆の瞳はかけがえのないものです。我を忘れて大はしゃぎして大ノリしてようが、リズムに合わせて小刻みに体を揺らしていようが、固まったまま見つめることしかできない人でも皆同じ。感じ方や表現の仕方は三者三様、千差万別、好き好きですから、その人なりのライヴの楽しみ方をしているし、それで僕も良いと思うけれど、瞳だけは皆同じように輝いています。

ステージから見てもそうだし、ライヴをビデオやTV用にシューティングした映像で客席を映した画面を見てもそう思う。これって、とても素晴らしいことだと思うと同時に、これがあるからライヴはやめられないという中毒症状に僕達がなるのも無理ないし、必然といえば必然です。これを読んでいる君達が「早くライヴが観たい!」と思っているのと同じ様に、僕達も「早くライヴを演りたい、早く君達に逢いたい」と思っていることを忘れないで欲しいです。こういうような事は、いつも言っているかもしれないし、誰でも言っているようなことかもしれないけれど、本当の気持ちです。

菊地英昭/TOUR FOR SEASONパンフレットより引用

 

たとえばこの文章よりうまい文章を書けるひとはいくらでもいるのでしょうが、じゃあこういう文章をあなた書けますか、といわれたらもうそれは絶対に逆立ちしても無理なわけです。それはこの文章の中で、エマが本当のことを、本当のままに、本当の気持ちだけで書いているからです。そういうことを書くには強く信じているものがないと書けない。そしてエマにはそれがあるんです。それはライブが好きだ、という気持ち。

先日久しぶりに、解散が発表になった後のロックジェットでのエマの連載を読み返したんですが、解散を決めた7月7日のあと、2日間かけて全部の音源と映像を聴き返したというエマが、CDは今聴くとつらく思うところもある、でもライブ映像はそれを感じない、ライブでの自分達は今観てもやっぱり輝いている、と言っていたことはそれを象徴しているようにも思えます。彼らみんな、ほんとうにライブが好きだった。だからこそやはり、どんな形であれ彼らみんながいつまでも音楽に、ライブというものに関わり続けていって欲しいと思う。私は欲のあり方が偏ったファンですが、でもそれが私の抱く最後のエゴなんだろうと思うのです。