おめでとう

下のエントリのコメントでもいくつか触れて頂いていますが、私がやっている「ユリイカ!」というサイトが、本日をもって10周年を迎えました。

このblogを読んで頂いている方のなかには、そちらも訪れてくださっている方もいれば、まったく足を踏み入れたこともない、という方もいらっしゃるかと思います。そもそもは、私が自分の観た芝居の感想を書いたり、それこそ普通の日記を書いたりしていたホームページでした。見様見真似で作った、デザイン性皆無!というようなページで(今もだ)、もちろん、ホームページを始めた頃にはすっかりTHE YELLOW MONKEYという蟻地獄にはまったあとでしたので、アルバム解説とかね!そういう無謀なことに挑戦していたこともありましたよ。ちなみに、10年前の10月8日の日記に何を書いているかというとやっぱり吉井さんお誕生日おめでとうと書いているのだった。吉井さんにとってすばらしい年になりますように、早くライブで会えますように、そしてその5日後にはメカラのことを書いている、なんという進歩のなさ。

休止という情報がかけめぐったときも、そこからの長い不在の時間も、解散という最終通告を受け取った日も、ソロでの最初のライブも、ずっとわたしは自分のホームページでその感情を晒してきたし、それは今読んでも生々しく、胸が苦しくなるほどです。

こうして吉井さん絡みの話を独立させてblogを立ち上げず、ずっとあの日記で書いていたとしたらどうだったんだろうなあと思うこともあります。ホームページのほうは「やめる」という選択肢が自分の中になかったので、こんな風に自分が浮き沈みすることもなかったのかもと思う反面、blogというものの浸透力はすさまじく、ここを開けていなかったら知り合うことのなかった方たちというのもきっとたくさんいて、それはやっぱり貴重な、得難いことだったとも思うんですよね。

でも、このblogを始めたことで、自分が得たもっとも大きいものはやはり、全曲感想だと思います。少し前に、今もう一度アレを書けと言われてももう書けない、と書いたことがありますが、ホームページのままでは、全曲感想を書くということはきっとできなかったでしょう。だとすれば、やっぱりこのblogを始めて良かったなあと思うのです、何よりも自分のために。

このかっこよさは決して限られたひとのものではないはずだ、 それっていったいなんだ、 それをみつけるんだ、 それを言葉にするんだ、 みんなに知ってもらいたいのだ、 と思っていたんだよね。

もう一度始めよう、とおもったきっかけとなった文章。結局のところ、私は、対象の違いこそあれ、ずっとそんな風に思って何かを書いてきたような気がする。このかっこよさはいったいなんなんだ、なんなんだ、いつでもそんな気持ちに突き動かされていたいと思う。この場所も、そんな風に続けていけたらと思う。

10年前のこと、なんてすごく最近のことのように思えることもあり、でも、やっぱり10年という歳月はぜんぜんあっという間じゃなくて、あれからいろんなことがありすぎるほどあったのだった。はじめて自分の文章をwebにアップロードしたときのことは正直もう覚えていないのだけれど、少なくともその時は、10年後もこんな風にサイトを続けている未来を想像してはいなかった。だからきっとこれから先の10年後も、わたしの想像しない未来が待っているにちがいない。願わくばその時も、今日の誕生日を祝う気持ちで迎えられますように。