天国旅行 #7

このメカラ7の映像というのは実はVHSで発売される前に、NHKで放送された「ROCK ON MY MIND」というTHE YELLOW MONKEYの特集番組でそのライブ映像の一部が放送されたんですよね。その中にはそののちVHSに収録されたものもあったけど、こうしてこの完全版が世に出るまでその番組での映像が唯一のもの、というものがあったのですが、天国旅行もそのうちの一曲。

ROCK ON MY MINDという番組は私自身の「ヲタ道」を語る上でものすごく重要なアイテムで、ほんとにこの番組がなかったら私はここまで蟻地獄にはまりこんだだろうか…いやきっとはまりこんだな…とまれ放送されたテープをずっと大事に保存していましたし、保存していただけではなくて何度も何度も繰り返し見ました。でも、放送された天国旅行はイントロが途中でぶった切られているので、ほんとうに、アタマからケツまで見られたのはこの完全版のおかげです。

しかし、映像を見て改めて思いますが、このメカラ7の天国旅行は、もっというならこのメカラ7の天国旅行の吉井は完璧です、ほんとうに。私はこの人を評するときにあまり「美しい」という言葉を使いませんが、このときの吉井は徹頭徹尾美しい、すくなくとも私にとっては。イントロで大きく反らせた喉元、シルエットの中でのスリー、フォー!のカウント、赤い照明の中でくるったようにストロークするギター、その首の角度や乱れた髪、崩れたメイクまでもがまるでよくできた絵のようです。

何度見ても胸がきゅーっとなるほど好きなのは「潮騒の音 快晴の彼方 そこに吹く風 その時の匂い」で吉井がすこし苦しげに目を閉じるところ、そしてなんといっても最後の「つくしんぼう」のときのあの目!あそこで吉井を正面にとらえず半分フレームアウトさせているカメラマンさんマジでGJとしか言いようがない。

件の映像は例によってVHSで見過ぎたため、赤い照明の中でのメンバーが今やもう単なる赤一色、みたいなテイになっていたので、こうしてはっきりとメンバーを見ることができてうれしいです(笑)

吉井がステージの奥にさがっていて、アオリでとらえるのは難しいにも関わらず、ステージやモニタや間から執拗に最後の吉井の手と表情をとらえているところまでまったく感服つかまつりましたとしか言いようがありません。