じゃぱんだもの。

みつを。(嘘)

下のエントリ、実は99パーセントかき上げた所で一回消えたんですよ・・・ふふふ・・・あんなにだらだらと書いた文章、すまんがもう二度と書けない!と思ってふて寝しようかと思いましたが執念がそれを上回りました。何の執念だよそれは。

折角なのでTHE YELLOW MONKEYの特集以外の記事もぱらぱらと読ませて頂いて、今回はたまたまそれぞれの編集者のカラーがすごく出てる記事が集まってるなとおもいました。

井上さんはなんというか、JAPAN編集部きっての「嘆美派」または「美学派」という感じ。己の美学、うつくしいと思うものに忠実だしそれを嗅ぎ分ける鼻がすごい。対話の中でアーティストのコアな部分を掘り返す、というよりは自分が掘り返したものをぶつけるというニュアンスを感じるなあと。さらさらと読みやすいけれど、えぐみという点では物足りない部分もある。

山崎さんはなんといっても「物語派」ですね。テナーとハイエイタスの記事は座談会というテイなのでそれほどでもないが、ミッシェルの特集でのインタビューが顕著だし、もっと言えばミッシェル特集の巻頭に書かれた言葉がひさびさにこんな「山崎節」を読んだ!という感じだった。音楽、アーティスト、バンドの生み出す物語を見るのも大好きだし、見つけるのも好きなんだろう、その原因と結果、起承転結をインタビューの中でも探っていくことが多いようにおもう。二万字インタビューは多くの編集者がやっているが、さすがに物語派なだけあって山崎さんの二万字は読ませる。ただし過剰にドラマツルギーを作動させすぎて、ファンどころかアーティストも置いてけぼりみたいなことも。

そして御大渋谷さん。今回Coccoちゃんのインタビューがあったので、珍しくJAPANに渋谷さんの記事が。渋谷さんはなんといっても「心理派」もしくは「トラウマ派」ですね。これはいみじくもその記事の中でCoccoちゃんが「細木数子に会いに来た」と言っていることからも明らかかと(笑)アーティストの心理面(トラウマがあれば一層)から分析するの好きだし、それは吉井にもかつて「心理学者になったらどうですか」と言われたことがあるほど。しかし学者というよりは占い師のテイなので、興に乗れば乗るほど自分の喋る量が多くなるという諸刃の剣。

もうひとり、本誌には書いていませんがblogでトリビュートレビューをやってくださった兵庫さん。問答無用の「web派」。そのまんまやん、と言われそうですが、いや兵庫さんの文章はweb向きだと思います。ほかの誰よりも。良くも悪くも軽いというか、読みやすさでは圧倒的だが、すごく大事なことを言葉を選ばずに書きすぎる感じもある。webだとその勢いが何よりも勝る、という感じがあるのでJAPANの編集長をやっておられた時よりも、今の兵庫さんの文章のほうが個人的には好きですね。それにしてもフラカンユニコーンへの兵庫さんの愛情の捧げっぷりは本当すごい。

さてさて、じゃあ私はどの編集者が好みなのかというとそれは私自身が「物語派」ですからやっぱり山崎さんなんですよね。でも、この4人の中で誰の記事が一番面白いか、と聴かれたら渋谷さんと答える。渋谷さんはかつてbridgeを「季刊渋谷陽一」と名付け、自分で全てのインタビュー、全ての写真を撮るということをしていらしたわけですが、渋谷さん以外の3人がそれをやったとして、果たしてその雑誌が成立するか?それは甚だ疑問だと思うんですよね。例えば今回のCoccoちゃんの記事。あれを、Coccoちゃんのことをほんとうに大好きで大好きで、自分の心を預けてしまっているようなファンが読んだらね、つらい部分もあると思うんですよ。でも記事としては面白い、すくなくとも私はそう思いました。面白い必要なんかあるのか、だいたい音楽雑誌なんて人が心血注いで創ったものに寸鉄釘を刺すようなことばかりしているだけじゃないか、ファンの望むもの、アーティストの書いて欲しいことだけを書くべきだ、と思う人もいるかもしれない。でもだとしたらそれはほかの雑誌をあたるしかないんだと思います。だってJAPANってこういうもんだもの。

まーだから逆に言えばさ、吉井のインタビューとかでこれはちょっと、渋谷さん・・・みたいなときほどまったく吉井に興味のないひとにとっては面白い記事になってるのかもしれないってことなのかもね。

良くも悪くも・・・って、これほど「良くも悪くも」って言葉が似合う雑誌もないなと思いますが、つまるところ好きな人には決定的に好かれ、嫌いな人には決定的に嫌われる、その心意気や良しとあえて言っておきたい(笑)吉井ヲタであるかぎり、長いおつきあいになるだろうと思われるので、これからもああだこうだ楽しませてくだぱい!という感じです。

ちなみに今号のJAPANで地味に嬉しかったのは毎回楽しみにしているみずしな孝之さんの「妄想トリビュート」が単行本化するとのニュースでした。地味に好きなんだあれ(笑)