吉井和哉Flowers & Powerlight Tour 2011@東京国際フォーラム2日目 レポート

追加公演が発表になった当初は、うーんうーんでもこれ1日がファイナルじゃないんだよねえ多分(と吉井が言っていたので)、国際フォーラム2daysか…どうするかな…とか逡巡している間に優先予約の申し込み期間が過ぎてしまい、あーまあいいや、今回は!と思っていたのですが、私が行くに違いない!と思った友人が申し込んでくれていまして、でもってそれが当たってくれてまして、やーじゃあもう当たったならお相伴にあずかります!と参戦を決めた訳ですが、まさかその友人が今ツキまくってる僕に賭けなよ状態だったとは、ということで、このツアーファイナル(自分の)をすばらしい席で見させて頂くことができたのです!どんだけすばらしかったかというと、隣に来たお姉さん(ひとり)が、もう席に着くなりあわあわしちゃって、全然見も知らない両隣にねえ!どうしましょうこれ!近い!ど真ん中!どうしよう!と声をかけまくるというね。それがあまりにキュートで反対側の隣も含めて私と友人と4人でなんか妙な連帯感を開演前に抱えつつ。それで、開演を待っていると最前列に男子がふたりきて、もう明らかにやべーやべーって興奮しまくっていて、その二人がちゃんとツアーTに着替えてきたのを見てものすごくほほえまな気持ちになったりだとか、最前に男子がいるから吉井ちゃんこっちに目線くれるんじゃないか!と大人ならではのヨコシマな想いを抱きながらその男子を後ろからながめていたのです。

そして1日目と同じく、もはやネタバレがねたばれでないのを承知のうえで畳む!だって、長いから!

ファイナルではないけれど、やっぱり観客の気合いも最終日的なところはあって、GIPSY KINGSが流れはじめたときには相当暖まってた感じがありました。そして客電がおちてLEDスクリーンに映像が。後ろから押し寄せるような歓声の波!

登場していきなり、ちょ!吉井!赤シャツ!と隣の友人と抱き合う。黒い細いストライプの入ったちょっとシャイニーな赤で、すんげえ似合う!すんげえ似合う!と大興奮。登場時にはストールしてらっしゃいました。SEのTHE APPLESをバックにマイクスタンドの前に仁王立ちになる吉井のシルエット最高マジ最高。

会場に入ったときから、1階の通路前の列をいくつか潰してカメラを置いていたので、あーこれは今日がシューティング日なのですねと、1列目も完全に潰していましたしね。ああしかし、この日がライブDVDになるなんて、なんてすばらしい。何から何まで格好良かった。そんなまとめをいま言ってどうするって感じですがもう1回いいます、何から何まで格好良かったほんとうに!「VS」でハンドマイクになって、客を煽って、ドSです、と歌いながらSを手で書いて腰をくねらせる仕草とか、2曲目でもう汗だくだくで、そのままチェルシーのイントロが始まってあの独特の走り方で上手下手に猛スピードで駆けていくところろか、あと私が今回最後まで絶対の吉井ポイントとして見続けていた「あなたにもあげたい」、マジこの日が最長不倒記録でした(なんの競技だよ)。下手から舞台に戻ってきざまに、あなたにも、でバっと最前の男の子を指さし、斜めに一閃、速さ、角度、そして歪んだくちもと、もう何もかもが完璧!!

最初のMC。「すでに神がいるね、ここは」「俺たちときみたちの音楽の神が。」

そして「もうなんにも言わん!最高の夜にしよう!」

ぐ っ と き た … !

ロンサムジョージのエアスライドギター、2階後方から見てもそのいやらしさに赤面するほどだのにこの距離でみたらそりゃ妊娠するレベルですよ。あの口!口!でもって首のストールを広げて肩にかけ直し、シナを作ってみせるストールプレイ。上体を勢いよく起こしたときに汗が飛び散って、それと一緒にストールがふっとんで、そんでどうするのかな拾うのかなって思ったら、その足下におちたストールを足で蹴り上げたんですやつが!もうしぬもうだめ!

昨日OKだったから今日は欲望の日かなとおもってたんですけど、2日目もOKきましたね!だって昨日めちゃよかったもんね…DVDに残したいって思ったのかな。いやしかしもう隅から隅まで決まりすぎでどうしたらいいのかとおもった。変わったプレイでもOK、のとき、しゃがみこんでちょっと裏声で歌って、立ち上がったあとの動きのキレ、あのーなんだ、TRUEMINDのMOONLIGHT DRIVEの間奏のじゃーんじゃーんじゃーんのとこみたいだったよ!何この伝わらない喩え!おーい誰かいますかー!

魂の花の曲を2曲、でおじぎ草と球根。球根のイントロ、バーニーのギターが入ってから中央に歩いてくる吉井はやっぱりなにかつぶやいているようにみえる。逆光なので、はっきりとはわからないのだけど、でもそう見えるのだ。祈りなのか、それとももっとちがうべつのなにかなのか。

そうそう、私この日のライブの前にJAPANのインタビューを読んで、それで猛烈に言いたいことがあるんだけどそれはここには相応しくないからまた別の機会に。ただ、私にとってこの曲は、いちばん最初にラジオで聴いたときから、ずっと命と希望の歌だったし、それは今でも変わらない。この曲がもっとも演奏されたのはもちろんパンチドランカーツアーだけど、後半は吉井の声が追いつかず、サビをずっと下の旋律で歌ってた、そんなことも思い出すねと終演後友人たちと話をしていたのだけど、今回のツアーではどこでも、ほんとうにすばらしい声を聴かせてくれていて、なんだかいろんなものが昇華したような気持ちになったなあ。

さて、そんな風に浸っていると完全においてけぼりを喰らうのがMUSIC!いやもうこの日のMUSICは隅から隅まで完璧だった、ってまたか!それ何回言うんや!いやでもそうだったんだからしょうがねえだろ!(逆ギレ)足りなくなった電気の容量ってはっきり歌ってたなー、で、魔法をかけちゃうぞ!つってうりうり指さししてたのもめっちゃかわういかった。でもって何がってあの見返りフェイクですよ奥さん!今まで観た中では金沢が最高に決まってたんだけど(というか金沢で初めて見た)、これもこの日が最長不倒記録ktkrだったよ!ほんとこれがDVDになるなんて…!(まだ決まってないけど)(いやありゃなるだろ)。

クランベリー、前日見た友人が、ブレイクするところで後ろのメトロノームが早くなってるよ!と教えてくれたのだけどごめんなさいそこ吉井がマジ超絶いい顔しているので結局確認できませんでした(笑)いやあの顔!顔!そのあとのギター!足広げてヘドバンしながら汗撒き散らしながらかき鳴らすギター!あのフェイク!昇天!私が!

シュレッダーは佳史さんのドラムがすごい、と吉井がJAPANで語っていたけれど、ほんとうにそうだよなあ。この曲とONEDAYの良さはつまるところ佳史さんとバンドの良さなような気がする。かなり長いアウトロ、吉井は客席に背を向けて佳史さんだけを見てギターを弾いてた。表情がはっきり見えた訳ではないけど、吉井はたぶん笑顔だったんじゃないかとおもう。それはなんというか、私が思う幸せなバンドの光景そのものだった。そのあとに続くONE DAY、イントロでメンバーが皆高々と拳を突き上げるけれど、最初に書いた最前の男子ふたりが、1回目は挙げなかったその手を2回目にさっと上げたのを見た瞬間にどうしようもなくこみあげるものがあって、そこから泣きっぱなしだった。でもONE DAYほんとにすばらしかったんだよな。昨日節を変えて歌っていた「もう彼らは遠くへ行った」もストレートに歌ってた。私の友人も、開演前に話していた隣のお姉さんも、なぜかそろって涙腺を刺激されてしまってほんとにおいおいと涙をこぼし続けていた。あれはなんだったんだろう。「ずっと自分を信じていくんだ」、とはっきりとわかるように吉井は歌った。信じている、ではなく、信じていく、と。

GOODBYE LONELY、この日の吉井のギター最高だった…いつもこの曲の時はすごくいいんだけど、いつにも増してギターが鳴いていた気がした。そしてそのまま「バラ色の日々」に。このところ、ずっとこの位置にSWEET&SWEETが来ていたので逆に驚いた。前置きはなにもなく、そのままストレートに歌に入って、バラ色の日々よ、のコーラスを観客に託す。そして「ビューティホー!」きょうはきれいにきまった!!

SWEET&SWEETは好きだけど、どのくらい好きかってセトリ全部SWEET&SWEETでも楽しめるんじゃないかと思うぐらい好きだけど(いやだよそんなライブ)、この流れの中ではバラ色のほうがしっくりくるかもなーと思ったり。やっぱり「繋がれても」って歌ってたね。歌い終わったあとの満足げな顔もすごくよかった。そしてビルマニアのイントロ、おお、おお、なんだここは牛追い祭りの会場か!というほど地面が揺れ出してマジびびりました。いや牛追い祭り行ったことないけど。1階でもこれか!2階の皆さん無事かー!と昨日の揺れを思い出して心の中でエール。しかしもうこのビルマニア…何。何なの。ほんと「なんだ…ただの神か」じゃないけど降臨してたよ何かが!あの動き…もう、私の貧困ボキャブラリーでは到底表現できませんのでDVDを震えて待て(それ言っちゃおしまいよぉ!)。あの天井知らずな感じ、吉井の掌で踊らされてる感じ、これだよこれ!

なんにも言わん、って言ったとおり、ほんとにMCは少なかったけど(まあでも今回のツアーはいつもより少ない、そこも大好きなとこ)、それはやっぱり音楽で伝わるもの、を重視してくれていたからなんだろうなと思うし、いつもLOVE&PEACEの前に語る言葉も、それを言葉にしているんだなあと思いました。アルバムの発売が延期されライブもできるかどうかわからない、そういう状況で気がついたことがたくさんあったと。音楽を通じて身体の毒を消していくようなことしたい、音楽にはそういう力があるとおもう、と。

プリーズもうこれ以上悪い出来事が君とぼくとに起きないように。それが個人的なことであれ、社会的なことであれ、自分のことであれ、他人のことであれ、その願いをすくいとってみせたこの楽曲は、最初から私の心をとらえてしまっているけれど、改めてこの日、まるで初めて聴いたときのように新鮮にこの曲を聴くことができました。どれだけとらえる側の意味が変わっても、いや、だからこそ、この曲はすばらしいと私は思っています。

アンコール、今日は鶴谷さんとおふたりで登場。これもシャイニーなライトグリーンのシャツをお召しで、もうから右肩が汗で濡れてしまっているのはどうしたことですか。隣のお姉さんが思わず「模様…?」って呟いてて爆笑しました。色鮮やかでとってもお似合いだったです。

シャツの腕をまくりながら(まくっても結局おちてくるんだけどさ!)(そしてまたまくる)(一粒で二度美味しい)やおら「今日良かったね」と。「個人的には、すげーよかった、今日」淡々と言っていたけど、やー自分でもそりゃそう思うよね、私もぶんぶん首を縦に振ったけど、ほんと投げるボール投げるボール全部ストライクみたいなすごさだったもん。何してもカッコイイ。どこ切ってもカッコイイ。もう、かっこよさの金太郎飴や~!アンコール待ちの時思わず「ちょっと…吉井が何してもかっこいいんですけど…」ってつぶやいちゃったもんね…

ホールバージョンの最終日ということで、サービス!と。暗かったときの吉井和哉の曲を聴いてください、これ結構勇気がいるんだけどね!左手にハーモニカを持っていて、えっ何ナニと思ったら新潟と福岡でやったというMY FOOLISH HEART。ああ、ひさびさだほんとに。好きな曲なのでとても嬉しかったけど、間奏のハーモニカに心拍数もってかれて冷静に見られなかったかもしれません!そしてこの曲をやっていたときの吉井も思い出した。ここまできたんだなあ。

HIGH&LOW、今日は名古屋に続いて佳史さんの梅ちゃんショーです!ほんとなんなのこの小芝居集団。私のね、前方の席にね、飛んできてたけどね、男の子、よけてたよ(爆)あと佳史さんが吉井にぶつけた豆は拾って客席に投げてました。ちっ。食べればいいのにw

メンバー紹介。ナポリタンズです!というのもすっかり浸透したなあ。佳史さんのときに、日本一のドラマー!って言ってた!でもって淳悟くんのときに「神です」wwええっあなたが!なぜか皆が一斉に拝みだした(私もだ)のがおかしかったw鶴ちゃんも日本一の、って言ってもらえたんだけどやっぱりスパンキングだったね!ところで叩く方なの?叩かれる方なの?(どうでもいい)バーニーには「この古くささで日本中を旅してきました!」って、どうしてもそのキーワード入れたいのねw

あなたにこのよのぜんぶのしあわせをあげるぅ!ああ、これ聞くと最後だって思ってしまうなー、でも楽しい!さびしい、たのしい、こういう名前のつけようのない感情に身をひたすのもライブの醍醐味だよなあとおもう。でもってこの日のCHAO CHAO、普段より吐息多めでお送りしております!いや客席からきゃー、って黄色い歓声がうすく飛んだとみるやもう連発ですから吐息。おまいのその反射神経尊敬に値するよ!

WEEKENDERのときはもう、ほんとうにライブの楽しさだけを全身に浴びてたなあ。雨が降る、すぐにやむ!の叫びも、遠回りしても、のときのよく伸びる声も、歌いきったときの壮絶な顔も、ほんとに記憶に刻まれるものばかりだった。

10年を7回か8回、繰り返せば人生は終わり。つらいことがあっても、その分だけ綺麗な花が咲くと僕は信じています。咲いていなくても、花は花です。そしてラストはFLOWER。

吉井はギターを持っているけれど、最初のフレーズを弾いたきり弾くのをやめてマイクスタンドをがっと力強く掴んでそのまま歌ってた。そのなんというか、必死さというか、切実さがあふれてくるような佇まいに、またたまらない気持ちになった。

歌い終わっても、吉井はそのまま立ち去らず、メンバーが出てくるのを待って皆で肩を組んだ。「ナポリタンズでした!」と言って、笑って手をたたき合って、そして皆と去っていく。繰り返すけれど、それは私のおもう幸福なバンドの光景そのものに見えた。

今日の仙台rensaも含めて33本のツアー、そのうちの9本に参加しました。いやーよく行ったな。京都会館、神戸こくさいホール、金沢本多の森、三重文化会館、ZEPPNAGOYA、NHKホール2日目、名古屋センチュリー、そして東京国際フォーラム2days。とても楽しかった。ツアーならではの、進化していく感じ、ボトムがさがっていくさまを、実際に体感できたツアーでした。吉井さんにとっても、どこか再生の意味のあるツアーだったんではないかと思います。

個人的には、宿願を叶えたツアーでもあり、そして私的なことで浮き沈みを体験した中でもツアーでもあり、その時々で見える光景も受け取る感情もちがって、やっぱりこれはライブならではだよなあと思ったりしました。なんとかレポも完走できてほっとした!おつきあいくださった皆様ありがとう。またいろいろ思い出して書くかもしれませんが、とりあえずここで私のFlowers & Powerlight Tour 2011は終了です。毎度毎度ほんとに長い(ほんとにな…)レポを読んで下さった方に心から感謝を。そして今回のツアーのスタッフ、そしてメンバー、なにより吉井和哉さんに最大の感謝を。すばらしいツアーでした。私にとっても、どこか再生の意味のあるツアーでした。ありがとう、おつかれさまでした!!!

Flowers & Powerlight Tour 2011@東京国際フォーラム2日目 セットリスト

1.THE APPLES

2.ACIDWOMAN

3.VS

4.CHELSEA GIRL

5.ロンサムジョージ

6.イースター

7.O.K.

8.おじぎ草

9.球根

10.MUSIC

11.クランベリー

12.シュレッダー

13.ONE DAY

14.GOODBYE LONELY

15.バラ色の日々

16.ビルマニア

17.LOVE & PEACE

EN~

18.MY FOOLISH HEART

19.HIGH & LOW

20.CHAO CHAO

21.WEEKENDER

22.FLOWER