誰の人生もMasterpiece

7/7 エレファントカシマシ@ZEPP Namba

個人的にはとてもぐっときたライブだった。

ので、ちゃんとレポとか、したいなあ、自分のための記録として残しておきたいなと思っていたのですが、ちょっと日々に追われて(こういうの言うのよくないよね、言い訳がいいわけがない)ままならず、このままいったらなんにも書けないまま次が来てしまうので自分の感想メモだけでも書いておく。以下曲名も書いてます。

そう、実のところ行く前も(そして帰ってきてからも)予想していたこととはいえ仕事が空前絶後の事態になっており、正直大阪まで行くことが面倒でした。家で寝ていたい、そう思ってた。そもそも延期になる前の名古屋の日程にすでに予定が入っていて、それで大阪のチケットを取ったのだが、そのあとで名古屋が翌週にずれこんだので「そっちで取り直そうかな」とか一瞬考えた。でも果たして仕事をちゃんとあがれるかわからない(そしてこの予測は正しかった)ので、初志貫徹でZEPP NAMBAに向かったわけです。

整理番号での並ばせ方や呼び出しも、オープンしたばかりだけれどプロモーターのスタッフの手順がきっちり確立されていてノーストレスでした。ZEPP NAMBA、スペースも広いしとても気に入りましたが、なんといってもミナミの街から歩いていけるというのがいいよ。

最初に書いたとおり前につっこんでいく体力も気力もなかったので、かなり後方で見ていました。これは全然お姿を拝見できないかもなーと思いつつ、でも、ま、いいや。声だけ聴ければ、と。SEでヤーブルースかかったのうれしかったです。

新しいアルバムの曲は全部やったとおもう。2曲目に「定め」がきて、わあっ、初めて聴く、と思って嬉しかったなー。宮本がところどころ渾身のシャウトを入れてきていて、姿は見えなくてもその声にどんどんエネルギーを充填してもらっている気持ちになった。

新譜の中でも印象的な「穴があったら入いりたい」。これはライブで聴いた方が百万倍楽しい!この一段ずつ階段を昇っているうちに気がついたらすんげえ高いところまで来てた、みたいな感覚大好きです。リフレイン、繰り返す度にあがっていくテンション、昔どこかで味わった、と思ったらあれだ。「見てないようで見てる」をライブで踊ってるときの感覚に近いんだ。体力ないとかいっていたのも忘れて猛然と飛び跳ねてしまったよ。

エレカシについてはネタバレを避けることに意味がないというか、固定のセトリ、ということ自体がほぼあり得ない。「金でもないかと」まさか聞けるとはなー。そこから珍奇への流れもすばらしかった。珍奇のアウトロ聞きながらプログレか!と心の中で突っ込んだけどプログレがなんなのかよくわかっていません。

七色の虹の橋は宮本の弾き語りで、もうあえて目をつぶってバーにもたれて聞いてた。真っ暗な中で宮本の声がやさしく響いて、一瞬他のひとの存在を忘れるほどトリップした。そのあとに世界伝統のマスター馬鹿とか、この振り幅には毎度のことながら恐れ入る。飛べない俺ではまさかの、ま さ か の 宮本先生の鍵盤というサービスに口を手で押さえてあわあわ言っていたわたしである。鍵盤を弾くロッカーは5割増しでかっこいいと常々公言してきた私であるが、宮本先生のそれはあまりにもキュートすぎてあれに惚れない女はいない(断言)。なんだあのかわいさ。鍵盤弾いているのに途中で思わずマイク両手で掴んじゃうところもふくめていいだけ悶絶しましたとも。

アンコール、心中ひそかに期待していた「花男」がきたとき私は文字通り飛び上がった!うれしい。花男はいついかなる時に聞いてもすばらしい。もちろん割とよくやってくれる類の曲ではあるけれど、何回でも聞きたいとおもう曲です。俺の姿を忘れるな。そしていつもながらにファイティングマンにまんまと励まされるわたしだ。

いつもの宮本はライブ中に饒舌という趣はまったくないが、しかしMCは決して少ないひとではなかった。ことに曲前にそれを作ったときの心情やその歌についてのことを、ひとつ、ふたつ話すことの多い人だった。それはおそらく届けたいとするあまりのエクスキューズではなかったかと想像するのだけれど、この日の宮本は一切のMCがなかった。メンバー紹介すらなかった。何かは知らねど、思うところあってそうしたんだろう。でも、どれだけのエクスキューズよりも結局のところもっとも雄弁なのは宮本の声であり、エレファントカシマシのバンドとしての佇まいなんだよなあということを実感した。あれだけ引き気味の気持ちで参加したのに、そしてライブの間中ほとんどメンバーを見れていないのに、ものすごく満ち足りた気持ちで会場をあとにすることができた。すごくすごく、いいライブでした。